快速用6050系大幅削減か 東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道ダイヤ改正(2017年4月21日)

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東武鉄道および野岩鉄道は1月18日、プレスにて2017年4月21日に新型特急車両500系を用いた新列車導入によるダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tobu.co.jp/file/pdf/b71449315c885fe96933bd12d8f48b8a/170118_1.pdf?date=20170118121527 )。また翌19日には会津鉄道も同様のプレスを出した( http://www.aizutetsudo.jp/info/wp-content/uploads/20170119_01.pdf )。今回はこのうち、東武鬼怒川線・会津鬼怒川線・会津鉄道線について見ていく。

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1. 特急「リバティ会津」の概要

前回のプレスでは新型特急Revatyの運行概要について大まかなものが公表されたが、今回は「リバティ会津」「リバティけごん」「リバティきぬ」「スカイツリーライナー」「アーバンパークライナー」について運行ダイヤ及び停車駅の公表が行われた。今回は「リバティ会津」についてみていく。

今回の停車駅公表で、一番横に長くなったのが浅草~会津田島間で運行される「リバティ会津」である。停車駅を見ていくと、浅草、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、(板倉東洋大前に一部停車)、栃木、新鹿沼、下今市とここまでは現在スペーシア100系で運行される「きぬ」「けごん」と遜色ない停車駅となっている。

問題はその次からで、東武日光発着の「リバティけごん」に関しては終点の東武日光のみであるが、「リバティ会津」はそのあと大谷向、大桑、新高徳、小佐越と各駅に停まる。2017年6月以降は新駅である東武ワールドスクウェア駅にも停車するのだろう。その後スペーシア「きぬ」の停車駅である鬼怒川温泉、鬼怒川公園、新藤原の各駅に停車し、野岩鉄道会津鬼怒川線に入線後もほぼ各駅停車で、快速「AIZUマウントエクスプレス」が通過する1日1人利用者がいるかいないかすら怪しい男鹿高原駅にも一部停車する。その後会津高原尾瀬口から会津鉄道に入るも、快速「AIZUマウントエクスプレス」のように会津田島まで停まらない列車もある一方で、こちらの区間も各駅に停車する列車を運行するようだ。つまり、「リバティ会津」は下今市で「リバティけごん」と解結してから鬼怒川線内は全列車各駅に停まり、列車によっては終点会津田島まで各駅に停まる。かつて2005年まで運行されていた急行「南会津」よりも停車駅が多くなるという結果になった。

また運行本数も意外に多い。2005年までの運行だった会津田島まで乗り入れる急行「南会津」は最大でも1日2往復だったにもかかわらず、新しく設定される「リバティ会津」は1日4往復。前者は4両、後者は3両とはいえ運行本数は倍増である。この「リバティ会津」・「リバティけごん」が概ね2時間に1本設定され、スペーシア運行の「きぬ」の一部がが「けごん」に置き換えられることにより、概ね東武日光も鬼怒川温泉も毎時1本の特急が確保される見通しだ。




このリバティの運行状況を見る限り、下今市で分割併合すること、東武鬼怒川線・会津鬼怒川線内は全列車ほぼ各駅停車であること、浅草発着基準でスペーシアがほとんど減便しないことから、スペーシアの置き換えというより快速・区間快速の置き換えの方が強いのではないかと思われる。

ちなみに東武鬼怒川線内では「リバティ会津」「リバティきぬ」が新高徳含め各駅に停まることから、スペーシア「きぬ」が新高徳通過となり、新高徳に停車する特急は「リバティ会津」「リバティきぬ」のみとなり、以前の記事で料金設定が全日スペーシアの土休日料金と同額となることから、平日の遠距離利用では値上げとなる。
東武線内ではスペーシア土休日料金と同額になるが、野岩鉄道・会津鉄道線内では2005年に廃止になった急行「南会津」の急行料金のそれぞれ10円増しの370円および300円となっている。この10円値上げ分は消費税率改定に伴うものなので、ほぼ急行料金のままで特急に乗れると考えていいだろう。

この「各駅停車の特急化」により、東武鉄道鬼怒川線・野岩鉄道会津鬼怒川線では利用の少ない日中時間帯に実質運賃を特急料金分値上げすることになり、不採算路線での増収策になるものと思われる。このような運賃の実質値上げの場合、朝夕に通勤通学で使用する場合には値上げにはならないので、非常に合理的に組まれているものと思われる。両社とも鉄道経営がうまくゆかないとはいえ、ここで閑散線区で日中のみ実質値上げとはよく考えたものである。




2. 特急「リバティ会津」は会津田島で「リレー号」と接続

会津鉄道のプレスによると、現在東武特急(JR直通含む)との連絡列車として快速「AIZUマウントエクスプレス」が運行されているが、こちらは東武日光乗り入れが1往復から2往復に増強され、おそらくその分6050系の運用が減る見込みだと思われる。

また新設される特急「リバティ会津」4往復は全便会津田島で「リレー号」と接続し、会津若松へのアクセスを強化する。「リレー号」については停車駅は不明であるが、「AIZUマウントエクスプレス」と異なり、接続する「リバティ会津」と号数が同一にしてある。そのため他の普通列車にはないサービスや、停車駅を大幅に絞る可能性がある。

とはいえ、東京から会津への輸送は東北新幹線利用の郡山経由の方が速く、速いと東武・会津鉄道廻りより1時間程度短い3時間程度で到達してしまう。東武鉄道・会津鉄道経由での東京からの利用で会津若松に5時間19分滞在できるようになるのはありがたいが、やはり会津での宿泊が前提となるのであろう。「リレー号」がどのようなサービスとなるのか気になるところだ。




3. 快速・区間快速用6050系列は大幅縮小か

今回の2017年4月ダイヤ改正で、特急「リバティ会津」が東武鬼怒川線・会津鬼怒川線がほぼ各駅停車であること、および会津鉄道線内の変電所設備の耐容量から考えると、500系特急電車による「リバティ会津」の運行は、6050系運行による快速・区間快速の置き換えである可能性が高い。

特に上り・下りとも区間快速の運行時間と極めて近いため、置き換えられる可能性がなお一層高い。6050系自体2013年の区間快速削減で昼間は2時間間隔となり、6両での浅草発着運用から2両での新栃木・下今市発着運用が増えており、運用を削減することに成功したようだ。また東武日光発着の東武特急が4本から土休日には22本までに大幅増便されることから、もっぱら6050系が使用される下今市~東武日光間を運行し下今市で特急「きぬ」と連絡する「特急連絡」も大幅削減が見込まれ、ますます6050系の活躍の場が狭くなりそうだ。さすがに2017年4月21日のダイヤ改正で6050系の浅草乗り入れがが廃止になることは考えにくいとはいえ、大幅な削減となりそうだ。

このことを踏まえると、2017年のダイヤ改正後はもっぱら昼間は新栃木〜東武日光で普通列車を1時間に1本、下今市〜会津田島間は2時間に1本程度のともに2両編成での運用になるものと思われ、昼間の区間快速は消滅する可能性すらある。朝はさすがに浅草発着はある程度は残って群馬県板倉町への板倉東洋大前停車の配慮はするものと思われるが、6050系の大幅運用削減は避けられそうになさそうだ。


4. 結び

今回のダイヤ改正では、今のところ特急しか東武本線系統はダイヤ改正が公表されていないが、今後快速・区間快速含めた料金不要列車のリリースも出されるものと思われる。今回のダイヤ改正は2006年の半蔵門線直通大幅増強と種別大幅整理に次ぐダイヤ改正が予想される。今後の新しいプレスリリースにも期待したい。

コメント

  1. 吉田 より:

    6050系のことだが
    やめるそうだ

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