京阪電鉄では1月13日に、プレスにて2017年2月25日にダイヤ改正を実施すると公表した( https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2017-01-13_daiya.pdf )。今回はこれについて見ていく。
1. ノンストップ「洛楽」は平日も運行開始
今回のダイヤ改正で京阪が一番目玉にしているのは、快速特急「洛楽」が平日も運行されるようになるということだ。
土休日の運行が2016年3月より始まったが、今回はそれが平日にも拡大される形となった。今でこそ快速特急「洛楽」という種別と愛称が用いられているが、もともと京阪特急の停車駅は大阪の京橋を出ると七条までノンストップが基本で、新快速に負け始めた1993年から一部列車で停車駅を増やしはじめ、2000年には中書島と丹波橋に全便停車、2003年には枚方市・樟葉に全便停車となり現在に至る。快速特急「洛楽」の運行は、私鉄王国時代の京阪を彷彿させる列車なのである。
とはいえ、JR西日本の新快速にかなわない現状、かつてのように終日ノンストップ列車を運行するほどの需要はない。そこで、訪日外国人が増えており京阪間輸送が増えている昨今の状況を踏まえ、2016年3月に土休日にノンストップ運行の快速特急「洛楽」を5往復のみ運行させることにしたのである。この時は快速特急通過駅となる枚方市・樟葉・中書島・丹波橋の補完目的で、快速特急の前後に淀屋橋~出町柳間に快速急行、および淀屋橋~淀間に急行を運行することにより、混雑分散と通過駅補完を図った。
今回平日に運行される快速特急「洛楽」の補完が淀屋橋~出町柳間の急行または快速急行のどちらか片方のみであり、かつ運行本数が土休日より3往復少ない2往復ということは、土休日ほどの需要は想定していないということなのだろう。ちなみに前回2016年のダイヤ改正で快速特急「洛楽」1本につき快速急行および急行のそれぞれ1本が増発されたが、土休日も補完列車は思わしくなかったようで、出町柳行きは急行のみ、淀屋橋行きは快速急行のみに統合される。
2. 昼間時間帯の普通列車の一部運転延長
また今回のダイヤ改正では昼間に運行される普通列車のうち、毎時1本が萱島発着から枚方市発着に延長し、特急と接続できるようにする。
今回増発される萱島~枚方市間は、各駅に停車する普通と準急の昼夕輸送力比を見ていくと、ダイヤ改正前も後も平日夕ラッシュ時は毎時12本、日中は改正前が毎時9本、改正後は毎時10本となることから、75%から83%に上昇する。2016年にこまごまと運転区間の短縮を行ったことを考えると、おそらく平日夕ラッシュ時の運行本数は比較的適切で、日中の空気輸送が増えるようになるものと思われる。
3. 中之島線発着の快速急行縮小
また今回のダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時に中之島を発着としている快速急行を特急混雑緩和のため淀屋橋発着に変更するとしている。
そもそも快速急行自体が2008年10月の中之島線開業と同時に設定された種別で、本来は中之島線のためのものだったはずなのだが、乗り換えアクセスが悪く需要が全然伸びないことと、強引な淀屋橋までの複々線化の代替ということもあり、2013年には昼間は普通列車のみになってしまった。今回はそれがさらに縮小する形となる。
4. 結び
京阪特急は前回2016年3月のダイヤ改正で最大4分の短縮し、2020年には線路改良やブレーキシステムの改良によりさらに時間短縮がなされるとされている( http://www.sankei.com/photo/daily/news/170117/dly1701170026-n1.html )。また今回のダイヤ改正では、2016年の時の複数種別の運転区間の縮小ほど大規模なダイヤ改正ではないが、「洛楽」が平日にも運行されるようになるとはいえ細かいことろでは縮小が引き続きみられる。
今後のダイヤ改正で平日夕ラッシュ時を中心に縮小が見込まれるものと思われるが、どうなってゆくか見守りたいと思う。
コメント
昼間について、普通の萱島止まりのうち1時間に1本枚方市まで延長するのは、内容の通り枚方市ですべての8000系特急に最短でつなげる意図だと思います。準急が昨年から香里園で特急待避ののち樟葉まで接続ができなくなり、特急アクセスまでの所要時間が大幅に延びるので、その救済という意味で最短で枚方市に到達できる普通を残したのでしょう。もし準急が従来通り枚方市まで先着できていれば、昼間の準優等が準急に揃えられた時点で普通はすべて萱島止まりになっていたかもしれません。
ちなみに夕ラッシュ時の上り萱島→枚方市では準急と普通の合計は9本/h、昼間の方が逆に多くなりますが、上記事情がありやむを得ないと思います。昨日14時頃に普通枚方市行きに香里園から乗車した限りでは、発車時点で1車両に15~20人程度でした。枚方市到着時には少し増えていたような印象です。