快速列車増発と空港経由化で利便性向上へ! 中国鉄路ウルムチ鉄道局ダイヤ改正(2018年5月30日) 中国铁路乌鲁木齐铁路局调图

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中国鉄路は5月3日、プレスリリースにて5月30日に新疆ウイグル自治区でダイヤ改正を行うと公表した( 5月30日新疆铁路年内第二次调图 )。今回はこれについて見ていく。

1. 北西部で快速列車の増発へ

今回の2018年5月30日中国鉄路ウルムチ鉄道局ダイヤ改正では、新疆ウイグル自治区内でダイヤ改正を実施する。

まずは新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチから北西へ伸び、カザフスタン国境の阿拉山口へと向かう北疆線。増発されるのはウルムチ~奎屯(クイトゥン)間で、下りではウルムチ11時41分発奎屯行きK9751快速列車(5月31日より)とウルムチ15時13分発奎屯行きK9753快速列車、上りでは奎屯10時00分発ウルムチ行きK9754快速列車(5月31日より)と奎屯15時25分発ウルムチ行きK9752快速列車が増発された。増発列車の停車駅はいずれも石河于と沙湾県のみとなっている。

この影響で下りではウルムチ発奎屯経由奎北線直通カラマイ行きT9585特快列車はウルムチ12時42分発カラマイ16時12分着からウルムチ13時53分発カラマイ17時23分着へ1時間11分繰り下がることとなったほか、ウルムチ発奎屯経由精伊霍線直通コルガス行きK9789快速列車がウルムチ20時08分発から20時11分発に3分繰り下げられ、次の石河于から先は運転時刻が変わらないことから、3分短縮された。

また上りではアルタイ19時30分発奎屯経由ウルムチ行きK9750快速列車は、アルタイ19時30分発から19時28分発に2分繰り上がることとなった。また、カラマイ発奎屯経由ウルムチ行きT9584特快列車はカラマイ8時10分発ウルムチ11時52分着からカラマイ9時30分発ウルムチ13時13分発へ1時間20分繰り下がることとなった。また伊寧発奎屯経由ウルムチ行きZ5620直達特快列車は伊寧9時53分発ウルムチ14時53分着から伊寧9時49分発ウルムチ14時49分着へ4分繰り上がることとなった。また伊寧発奎屯・ウルムチ経由南疆線直通喀什行きT9516直達特快列車は、伊寧発時刻を10時40分発から10時09分発に31分繰り上げた。またコルガス発奎屯経由ウルムチ行きT9586特快列車は、コルガス17時03分発ウルムチ20時46分着からコルガス18時03分発ウルムチ21時46分着へ1時間繰り下げられることとなった。

これらの増発により、北疆線ウルムチ~奎屯間の列車は19往復から21往復へ増発されることとなった。

また北疆線精河駅から分岐しカザフスタン国境のコルガスへ南西に進む精伊霍線でも増発を実施する。増発されるのは伊寧18時18分発コルガス行きK9761快速列車とコルガス8時42分発伊寧行きK9762快速列車の1往復で、1駅間を50分かけて結ぶこととなった。この増発で伊寧~コルガス間は3往復から4往復に増発され、コルガスでトルキスタン・シベリア鉄道に接続できることから、中国からカザフスタンへの移動利便性が向上することとなった。




2. 経由変更で空港アクセス強化へ

また今回の2018年5月30日中国鉄路ウルムチ鉄道局ダイヤ改正では、南疆線の一部列車が蘭新客運専用線が開業した。これにより在来の蘭新線から南疆線へ乗り入れる際にトルファン駅でのスイッチバックが必要なくなり、特快列車2往復が連絡線経由で乗り入れることとなり、直達特快列車3往復と特快列車2往復の合計5往復で所要時間短縮が図られた。

しかし今回のダイヤ改正で、このうち特快列車2往復でトルファン北駅に経由しスイッチバックすることとなり、所要時間が延長することとなった。ウルムチ発和田行きT9526特快列車はトルファン北に経由し停車し、ウルムチ11時22分発から10時41分発に41分発車時刻が繰り上がることとなり、和田着も11時00分着から10時57分着に3分繰り上がることとなり、38分所要時間が延びることとなった。代替として馬蘭を通過することとなった。また先述した伊寧発ウルムチ経由喀什行きT9516特快列車はウルムチ発時刻を16時42分発から16時19分に23分繰り上がることとなり、その23分はそのままトルファン北駅でのスイッチバック時間に充てられている。喀什発ウルムチ経由伊寧行きT9518特快列車は喀什発時刻を17時27分発から16時32分発に55分繰り上げられ、トルファン北駅を経由し停車することとなった。また和田17時22分発ウルムチ行きT9528特快列車はトルファン北駅を経由することになりウルムチ着時刻が16時17分から17時17分へ1時間繰り下がることとなった。この南疆線特快列車2往復のトルファン北駅乗り入れでスイッチバックが必要となるが、各列車は機関車けん引の客車であることから機回しが必要となり、4本とも停車時間が23分設けられている。

このトルファン北駅はトルファン駅の南東に位置しているのであるが、トルファン北駅に新規に停車することにより、隣接するトルファン交河空港アクセスの利便性が向上することとなった。これまでこれによりウルムチ~トルファン北間では特快列車の停車はあったものの、蘭新客運専用線の夜行列車の停車のみで、昼間に停車する列車は全て中国高速鉄道CRHのみで、特快列車と比べ高い料金を設定していたが、今回の南疆線特快列車乗り入れ化でウルムチ~トルファン北間で利用できる昼間の特快列車が設定され、1日当たり18往復から20往復へ増発されることとなったほか、トルファン北駅から南疆線への直通列車が設定され、利便性が向上することとなった。ただ南疆線の特快列車2往復が今回トルファン北駅を経由することとなったことで、遠回りとなることから概ね6元(約100日本円)値上げすることとなった。




このほか南疆線ではウルムチ発アクス行きK9776快速列車がウルムチ18時36分発アクス翌日7時42分着の1泊列車であったが、今回のダイヤ改正でウルムチ9時30分発アクス22時24分着の日内列車に変更され、所要時間も13時間6分から12時54分に12分短縮された。またアクス発ウルムチ行きK9778快速列車も、アクス18時14分発ウルムチ翌日7時08分着の1泊列車からアクス9時45分発ウルムチ22時12分着の日内列車に変更され、所要時間も12時間54分から12時間27分に27分短縮された。

また南疆線でも一部列車で1~3分程度の時刻変更が行われた他、ウイグル鉄道局管内で停車駅の調整や一部の高速列車CRHの重連化(8両編成→8両+8両の16両編成)を実施した。


3. 結び

今回の2018年5月30日中国鉄路ウルムチ鉄道局ダイヤ改正では、北疆線で増発が実施され、南疆線ではトルファン北駅に乗り入れることにより空港アクセスできるようになり、利便性が向上した。今後新疆ウイグル自治区の中心都市であるウルムチでは2019年12月に地下鉄が開業予定であり、今後もさらなる交通網の拡大が見込まれる。今後新疆ウイグル自治区内で中国鉄路がどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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