JR北海道は1月18日、プレスリリースにて2019年3月~6月に運転する春の臨時列車について公表した( 春の増発列車のお知らせ )。今回は北海道新幹線の2019年春の臨時列車運転について見ていく。
2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!
1. 東京6時発「はやぶさ」、新函館北斗行きに延長へ
今回の2019年3月~6月北海道新幹線春の臨時列車運転では、東京6時00分発臨時「はやぶさ45号」が新函館北斗行きとしても運転されることとなった。
東京6時00分発臨時「はやぶさ45号」は2014年3月15日ダイヤ改正にて併結相手がE3系6両編成からE6系7両編成に固定化されたことにより「はやて71号」を「はやぶさ61号」に格上げして設定された列車である。このため当初より秋田新幹線「こまち」を併結できるダイヤとして運転し「はやぶさ」としては新青森行きとして運転されていた。
この運転開始当初から2019年現在に至るまで東京~新青森間の運転時刻は変わっておらず新青森9時17分着として設定されていたが、北海道新幹線開業前に運転されていた津軽海峡線特急「スーパー白鳥95号」函館行きが新青森9時12分発として設定されており、臨時増発もなかったため、函館への初列車は東京6時32分発「はやぶさ1号」新青森行き(当時)からの津軽海峡線特急「スーパー白鳥1号」連絡となっていた。
その後2016年3月26日ダイヤ改正で北海道新幹線が開業すると、原則東北新幹線「はやぶさ」のうち新青森発着の列車を延長する形で新函館北斗発着の列車が設定されたが、東京6時00分発「はやぶさ45号」については新青森行きのまま据え置かれたことから、函館までの所要時間は短縮されたものの函館への初列車は多客期であっても東京6時32分発「はやぶさ1号」新函館北斗行きのまま据え置かれた。
しかし今回の2019年春の臨時列車運転より、東京6時00分発「はやぶさ45号」が新函館北斗行きとして運転される日が設定された。運転日は4月27日~29日、5月3日、4日、6月20日~30日と北海道新幹線の臨時列車としては本数が多い。4月30日~5月2日には従来通り新青森行きとして運転されるが、10連休のピーク日の多くで新函館北斗行きとして運転されることでニーズはありそうだ。
2018年6月~7月に運転された大宮6時00分発「はやぶさ101号」があるが、あまりにも早朝の設定であったことから東京駅から利用する際には5時01分の京浜東北線を利用しなければならなかったことから通常の初列車よりも1時間31分早く出る必要があり利用できる人が限られていたほか、JR東日本としても大宮の新幹線改札を通常時より30分も早く開けなくてはならず費用が多くかかった。
しかし東京6時00分発となれば現行の新函館北斗行き初列車より32分早いだけで済むほか、大宮駅での乗り換えもなく、かつ新青森までの運転実績があり定期化は難しいにしても多客期には需要が見込めることなど、JR東日本管内ではリスクがほぼ無い。あとはJR北海道の運転意欲次第なのでJR東日本が東京6時00分発「はやぶさ45号」の新函館北斗延長を拒否することはないだろう。
また今回の東京6時00分発「はやぶさ45号」新函館北斗行きの運転に合わせ、函館本線快速はこだてライナーの臨時増発も実施される。
これにより東京6時32分発「はやぶさ1号」新函館北斗行きでは、函館本線快速はこだてライナー接続で函館11時25分着であるが、この臨時快速はこだてライナーを使えば11時01分に函館に到着することができる。
新函館北斗到着は10時22分で、東京から4時間22分かかる。二戸~新青森間の各駅に停車する上に、今回新たに延長されることとなった北海道新幹線区間でも木古内に停まるようでは所要時間が延びてしまうのは致し方ないところもある。ただ、木古内に停車したおかげで新函館北斗10時24分発函館本線特急「スーパー北斗7号」には乗り換え時間が間に合わず、接続できないのだ!
では盛岡~新青森間で最高速度が320km/hになると思われる2024年頃にはどうなるかというと、東北新幹線では上野~大宮間で1分、盛岡~新青森間でノンストップ列車なら7分短縮する一方で、函館本線特急「スーパー北斗」はキハ281系からキハ283系への置き換えを進め、札幌口で発着時刻を変えないとすると函館発札幌行きは函館発時刻を繰り上げなくてはならない。2019年3月16日ダイヤ改正では概ね8分繰り上がっていることからもし8分繰り上がってしまうと、結局接続できない。せっかく東京6時発の列車で函館まで先着できるようになったのに、今度は対札幌で惜しくも接続できない負の歴史を2031年3月の北海道新幹線札幌延伸まで続けるのであろう。
2. 大宮6時発「はやぶさ」設定されず
また今回の2019年3月~6月北海道新幹線春の臨時列車運転では、大宮6時00分発「はやぶさ101号」の増発は実施されない見込みとなった。
前年2018年は1月19日の春の臨時列車公表時ではなく4月6日に別途追加で運転することを公式発表していたが、今回はそれもなさそうだ。
まず理由の1つが、先述した東京6時00分発「はやぶさ45号」が新函館北斗行きとして延長運転されるようになったこと。前年の大宮6時発「はやぶさ101号」の運転日は6月23日と6月30日であったが、本年2019年の東京6時発「はやぶさ45号」新函館北斗行きの6月の運転日は6月20日~30日の毎日となっており、昨年の大宮6時発「はやぶさ101号」の運転期間をカバーしている。
2つ目は「はやぶさ101号」の列車名を定期列車に取られること。東北新幹線では東京発着定期「はやて」として最後まで残っていた東京7時16分発「はやて119号」盛岡行きをE2系運用からE5系運用に変更して「はやぶさ」に格上げするため、2019年3月16日ダイヤ改正で「はやぶさ101号」として運転することとなった。この100番台の号数は仙台~盛岡間で各駅に停車する東京発着定期「はやぶさ」に使用される番号であるが、101号という数字はあらかじめ空けてあった。しかしそこに付け込んで前年2018年6月に大宮6時発「はやぶさ」に対して「はやぶさ101号」を与えたのである。
同じダイヤ改正内の臨時列車同士で運転日がかぶらなければ山陽新幹線の速達型ひかりレールスターのように時刻が数時間変わっても同じ号数を使いまわすことができるが、さすがに毎日運転の定期列車相手にそれをしてしまうと、完全にダブルブッキングとなってしまう。そうなると、大宮6時発「はやぶさ」を設定するためには、新たな番号を振らなくてはならなくなる。
そもそも「はやぶさ101号」という番号を振った時点でJR東日本は直近のダイヤ改正で定期列車で使いうることを把握していたはずだ。なのにその号数を大宮6時発臨時「はやぶさ101号」に使用したかというと、はなから長期間運転させるという気は無かったからではないだろうか。
3. 結び
今回の2019年3月~6月北海道新幹線春の臨時列車運転では、これまで東北新幹線内完結の新青森行きとして設定されてきた東京6時00分発臨時「はやぶさ45号」が初めて北海道新幹線に乗り入れ新函館北斗行きとして運転されることとなった。
一方で大宮6時00分発「はやぶさ」については首都圏を出発する時間帯があまりに早朝だったこともあり、今回の臨時列車運転では設定が見直されることとなった。
今後東北新幹線や北海道新幹線で最高速度引き上げに伴う所要時間短縮が行われる中、どのような臨時列車が設定されていくのか、見守ってゆきたい。
コメント