JR東日本は2021年12月17日、プレスリリースにて2022年3月12日にダイヤ改正を行うと公表した( 2022年3月ダイヤ改正について )。今回はこのうち上越・北陸新幹線について旧版のJTB時刻表2022年3月号と合わせて見ていく。
1. 「とき」減便へ
今回の2022年3月12日上越新幹線ダイヤ改正では、上越新幹線「とき」「たにがわ」を一部臨時化する。
今回定期列車から臨時列車に運転日を縮小する上越新幹線「とき」は、東京15時16分発「とき327号」新潟行き、東京20時04分発「とき345号」新潟行き、新潟14時14分発「とき324号」東京行き、新潟16時10分発「とき332号」東京行きと、いずれも毎時2本の「とき」の運転のある時間帯で大宮~長岡間ノンストップ運転の列車が臨時化の対象となっており、臨時化後も停車駅に変わりはない。
もっともこれらの「とき」は臨時列車として2022年6月頃から徐々に運転を再開しいずれの列車も金土日を中心に週3日程度以上の運転を行うようにはなった。ただ定期列車時代と比べても運転日が半減していることから、動力費の節減になっているようだ。
ただ、上越新幹線では次回の2023年3月ダイヤ改正で最高速度を240km/hから275km/hに引き上げる予定だ。これにより大宮~新潟間で最大6分の所要時間短縮を見込むが、最高速度引き上げによる所要時間短縮は停車駅が少なければ少ないほど効果が出やすい。
が、今回のダイヤ改正で停車駅の少ない大宮~長岡間ノンストップ列車を削減してしまっては効果が薄れてしまう。そもそも需要あっての列車設定なので致し方なかろう。
このほか夕方には毎日運転の東京18時16分発「たにがわ409号」越後湯沢行きと平日運転の上野18時52分発「たにがわ473号」高崎行きを定期列車から臨時列車に格下げするとプレスリリースに記載しているが、実態は東京18時16分発「たにがわ409号」越後湯沢行きは2022年7月以降毎平日運転、上野18時52分発「たにがわ473号」高崎行きは運転日の設定がなく事実上の廃止となっている。
また高崎6時53分発「たにがわ474号」東京行きは毎日運転から平日運転に運転日を減らす。が、土休日でも前後15分以内に列車の設定があるため影響は極めて小さいだろう。
2. 「かがやき」減便へ
今回の2022年3月12日北陸新幹線ダイヤ改正では、最速達の「かがやき」で減便を図る。
上越新幹線「とき」と異なり「かがやき」はある一定程度停車駅を揃えており、大宮を出ると定期列車は長野、富山、金沢にしか停車しない。
今回のダイヤ改正で減便する北陸新幹線「かがやき」は、東京16時24分発「かがやき511号」金沢行き、東京19時24分発「かがやき517号」金沢行き、金沢7時49分発「かがやき504号」東京行き、金沢9時47分発「かがやき508号」東京行きの2往復となっている。
今回のダイヤ改正で「かがやき」2往復4本を臨時化するものの、停車駅の多い「はくたか」「あさま」は運転本数を据え置くこととなった。また今回臨時化した「かがやき」2往復も10月以降はほぼ毎日運転しており、稼働率が高い。状況に応じてすぐに減便できるよう臨時列車としての設定を継続する可能性は高いが、事実上「かがやき」1日10往復体制は戻ったと言えよう。
3. 上越・北陸新幹線でも深夜時間帯に減便へ
今回の2022年3月12日上越・北陸新幹線ダイヤ改正では、深夜に列車の減便を図る。
今回のダイヤ改正で越後湯沢21時41分発上越新幹線「たにがわ416号」東京行きを廃止する。救済として高崎→東京間では直前を走る長野21時16分発「あさま632号」東京行きを本庄早稲田と熊谷に増停車し高崎→東京間で「たにがわ416号」と同時刻で運転するほか、新潟21時36分発「とき350号」東京行き最終を上毛高原に増停車することとした。
これにより「あさま632号」東京行きの東京着時刻は23時00分着から23時08分着に8分繰り下がるほか、「とき350号」東京行き最終は新潟からの時刻は変えないものの、長岡発時刻は1分、越後湯沢発時刻は2分繰り上がることとなった。この「とき350号」の所要時間短縮は余裕時分の縮小でもたらされたものだが、次回の2023年3月上越新幹線ダイヤ改正で所要時間を短縮する際に余裕時分を戻すのだろう。
4. 結び
今回の2022年3月12日上越・北陸新幹線ダイヤ改正では、停車基の少ない列車を中心に定期列車の臨時化を図ることで動力費の節減に努めることとなった。
今後最高速度の引き上げで上越新幹線・北陸新幹線でどのようにダイヤ改正を子尾なうのか、楽しみにしたい。
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