JR東日本は2022年3月18日、プレスリリースにて3月18日より東北新幹線で臨時ダイヤで運転すると公表した( 東北新幹線 3月18日以降東京~那須塩原間臨時時刻表 東北新幹線 3月18日以降盛岡~新青森間臨時時刻表 )。今回はこれについて見ていく。
1. 前年に引き続き東京~那須塩原間で臨時ダイヤ設定へ
今回の2022年3月18日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、地震の影響により那須塩原~盛岡間が不通になったことに伴い、東京~那須塩原間で臨時ダイヤで運転することとなった。
地震の影響で不通になるのは2021年2月13日の地震以来約1年1か月ぶりである。前回の2021年2月東北新幹線臨時列車運転の際に問題点を当サイトで相当たたいていたこともあり、今回の東北新幹線臨時ダイヤ運転では当初より運転本数を確保しているほか、運転時間帯の縮小も抑えている。
なお1年1か月前の復旧の際には全線運転再開まで10日程度、全線の通常運転再開まで約1か月半かかっていたが、今回は前回よりも復旧に時間が見込まれており、2週間後の3月末までの復旧は見込めないとしている。そう考えると今後郡山以南や仙台以北などの部分復旧は考えられるが、4月末から始まる大型連休までに通常運転を再開できれば御の字で、むしろ速度制限付きの復旧自体も4月末までに行えるか怪しくなってきている。このため今回の臨時ダイヤ運転は長期化する可能性がありそうだ。
今回の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、東京~那須塩原間で各駅停車の「なすの」を全車自由席で24往復運転する。
なお東京行き最終は東京23時44分着を維持するが、小山にも停車するため宇都宮発時刻が22時54分発から22時50分発に4分繰り上がっている。
1.1. 前年に引き続き那須塩原〜仙台間の臨時快速列車運転へ!
なお前年であれば那須塩原~仙台間のE653系7両編成による東北本線臨時快速の運転があったが、本年は東北本線は3月18日に全線復旧したにもかかわらず3月18日には行わなかった。もっとも3月19日〜21日は三連休ということで臨時快速列車を1日2往復運転することとなったが、その後の運転は読めないしなにより臨時快速列車を使っても東京から仙台まで東北新幹線開業前の東北本線特急「ひばり」号同様4時間10分以上かかる。
また福島~仙台間の直通運転を行ってほしいとも思うが、今のところ昼間の白石乗り換えも残っている。むしろJRバス東北への利用を掲げていることを考えると、毎日運転しない可能性も十分考えられる。
そう考えると今回の東北本線那須塩原〜仙台間の臨時快速列車は、東京から福島県内や仙台への輸送目的というより、大宮や宇都宮から福島県内や仙台を目指すための列車という位置づけなのだろう。
また今回は常磐線も引き続き広野~山下間で運転を見合わせているため、常磐線特急「ひたち」自体がいわき~仙台間で見合わせている。このため常磐線特急「ひたち」の2往復の臨時快速としての仙台延長運転もできない。
2. 前年に引き続き盛岡~新青森間で臨時ダイヤ設定へ
今回の2022年3月18日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、盛岡~新青森間でも臨時ダイヤを設定する。
今回設定するのは全車自由席の「はやて」17往復で、全列車が各駅に停車する。
また運転時刻がほぼ盛岡毎時00分発と新青森毎時00分発と綺麗に1時間間隔で揃えられている。したがって新青森から青森への王本線連絡列車との接続は得に考慮していない。
なお北海道新幹線との直通運転は行わず、全列車が新青森で乗り換えとなる。また折り返し運転となっている北海道新幹線新青森~新函館北斗間でも2往復を運休し、1日11往復の運転となっている。
このほか秋田新幹線「こまち」は2月17日より1日7往復で運転している。
なお宇都宮~那須塩原間や盛岡~いわて沼宮内間は速度規制区間に入ってはいるが、今回の臨時ダイヤ運転では通常通りの所要時間で運転する。
2.1. 前年に引き続き特急「いなほ」延長で秋田アクセス確保も減便へ
このほか東京~秋田間の輸送確保として、羽越本線特急「いなほ」のうち1往復を酒田発着から秋田発着に延長し延長区間は臨時快速として運転する。ただ今回設定した臨時快速はついこの前の2022年3月12日JR東日本新潟支社ダイヤ改正で減便した特急「いなほ」のうちの1往復であり、ただ復便しただけである。
ただ、前年は定期特急「いなほ」3往復のほかに臨時快速1往復を運転していたことを考えると、前年より1往復減っていることから規模が縮小していると言わざるを得ない。
このほか羽越本線では酒田19時08分発普通秋田行きを特急「いなほ9号」酒田行きの到着を待ってから発車するようにする。これにより20分程度の遅れが見込まれる。
なお運用繰りの都合で秋田に3往復運転している期間中は特急「いなほ」は全列車グリーン車付きのE653系7両編成での運転となるため、定期運用では1往復のみ設定がある4両編成(「しらゆき」型車両)は運用しない。
なお仙台〜盛岡間はキハ110系2両編成による臨時快速列車を運転するが、1往復のみの運転であることや運転時間的に間合い運用であることを考えると、運転しないよりはマシなのだろうが気休め程度と言わざるを得ないだろう。
ただ、前年の復旧時も今回の状況を考えても東北新幹線のうち仙台〜盛岡間の復旧は早いだろうから3月中の復旧もありあるだろうし、もしかしたら前年同様一ノ関〜盛岡間で先行して復旧する可能性もある。そう考えると仙台〜盛岡間の臨時快速列車は気休めかもしれないが、すぐに復旧する見込みが高いと思えば影響は小さく済むだろう。
3. 結び
今回の2022年3月18日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、那須塩原~盛岡間の不通に伴い約1年1か月ぶりに東京~那須塩原間と盛岡~新青森間に分けて運転することとなった。
ただ前年の教訓が生かされており、運転本数を極力損なわないようにしているほか運転時間帯も通常運転とほぼ同じ時間帯での運転を行っている。
今後復旧に合わせ東北新幹線でどのような臨時ダイヤで運転するのか、見守ってゆきたい。
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