JR東日本は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回は旧版となったJTB時刻表2024年2月号をもとに北陸新幹線東京発着列車について見ていく。
2024年3月16日ダイヤ改正のうち山形新幹線「つばさ」はこちら!
1. 上越新幹線で最終列車20分繰り上げへ!
今回の2024年3月16日上越新幹線ダイヤ改正では、最高速度を275km/hに引き上げた2023年3月18日上越新幹線ダイヤ改正以来約1年ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では上越新幹線の最終列車を繰り上げる。
今回繰り上げる最終列車は東京21時40分発「とき351号」新潟行き改め東京21時20分発「とき347号」新潟行き最終および東京23時00分発「たにがわ477号」改め東京21時40分発「たにがわ477号」高崎行き最終である。
今回のダイヤ改正では双方とも東京発の最終時刻を20分繰り上げている。
もっとも高崎行き最終「たにがわ」は東京から高崎まで各駅で20分繰り上げ、高崎23時56分着から23時36分着に20分繰り上げている。が、新潟行き最終は新潟23時52分着から23時25分着に27分も繰り上げているのだ。
これは上越新幹線「とき351号」新潟行き最終改め「とき347号」新潟行き最終が本庄早稲田通過となり全駅停車ではなくなったこと、上越新幹線では前回2023年3月18日ダイヤ改正で最高速度を240km/hから275km/hに引き上げた際に原則として東京発着時刻を変えずに所要時間を短縮したのだが「とき351号」新潟行き最終は北陸新幹線金沢20時20分発「はくたか578号」東京行き最終から高崎乗り換えで連絡を受けており、「はくたか578号」が金沢→高崎間で2分繰り下げて運転っするようになったことから、上越新幹線「とき351号」新潟行きは大宮→高崎間でむしろ運転速度を下げ2分所要時間を延ばしていたのだ。
が、今回の2024年3月16日上越新幹線ダイヤ改正で新潟行き最終上越新幹線「とき」が20分繰り上がることで北陸新幹線「はくたか578号」東京行きから高崎での連絡を解除、大宮→高崎間で275km/h運転をできるようになったことで本庄早稲田通過と合わせてなんと8分の所要時間を短縮することに成功した。
これにより長野から高崎乗り換え新潟への最終連絡列車は長野21時49分発「はくたか578号」東京行きから長野21時17分発「あさま632号」東京行きに32分繰り上がっている。
なお今回のダイヤ改正では東京発の最終列車でも東京22時08分発「たにがわ417号」越後湯沢行きは繰り上げず据え置きとなった。
また上り列車の最終列車は現状維持のため、新潟21時40分発「とき350号」東京行き最終(東京23時40分着)は残ることとなった。
2. 上越新幹線最終からの新潟県内各線への接続改善へ!
今回の2024年3月16日上越新幹線ダイヤ改正で新潟行き最終列車を20分繰り上げた上越新幹線「とき」であるが、繰り上げたおかげで在来線各線への接続がかえって改善し遠地まで行けるようになり、在来線各駅では東京からの最終接続列車が28分繰り下がっていることも珍しくない。
まずは長岡駅。これまで信越本線の最終列車は長岡23時00分発新潟行きと長岡23時02分発柏崎行きで、長岡23時30分着の上越新幹線「とき」最終からは当然乗り継げなかった。が、今回のダイヤ改正で新潟行き最終上越新幹線「とき」が長岡23時02分着に28分も繰り上げ、これに合わせ6分接続で乗り換えられるよう信越本線最終列車を繰り下げることとし、新潟行き最終も柏崎行き最終も長岡23時08分発に6分~8分繰り下げることとなった。
次に新潟駅。新潟駅からの在来線最終列車は信越本線が新潟23時40分発新津行き、白新線が新潟23時33分発新発田行き、越後線が新潟23時33分発吉田行きとなっている。これまで上越新幹線「とき」新潟行き最終は新潟23時52分着だったため、これらの在来線列車に接続できなかった。が、今回の2024年3月16日上越新幹線ダイヤ改正で新潟23時25分着に27分繰り上がったことで、上越新幹線新潟行き最終からこれらの在来線最終電車に接続できるようになったのだ。
かくして上越新幹線最終「とき」から鉄道のみで到達できる新潟県内の駅は越後湯沢、浦佐、長岡、燕三条、新潟の5駅しかなかったところ、今回のダイヤ改正よりこの5駅に加えて信越本線柏崎~長岡~新潟間の各駅、越後線新潟~吉田間の各駅、白新線新潟~新発田間の各駅が大幅追加となったのだ。
さらに新潟駅での接続はJR東日本在来線列車だけにとどまらない。新潟交通のバスは深夜バスとして新潟駅前23時32分発萬代橋ライン万代シテイ・青山経由西部営業所行き、新潟駅前23時40分発西小針線万代シテイ経由内野営業所行きなど市中心部へ向かう路線を運行している。このうち西小針線は上越新幹線最終列車から接続できるし、萬代橋ラインも時刻を繰り下げて接続できるようにするかもしれない。新潟駅から新潟市中心部へ上越新幹線最終列車を使って向かうにも徒歩やタクシーではなく新潟交通の深夜バスが使えるようになり、利便性が増すのだ。
JR東日本としては最終目的地までのきっぷを購入してくれればその分増収になるし、新幹線接続とすることで在来線普通電車も座席が埋まりやすくなるので終電の繰り上げをすることなく維持しやすくなる。しかも上越新幹線最終列車は20~28分繰り上げているのでその分1日当たりの保守時間を長くでき経費節減ができる。JR東日本は増収と経費節減を一石三鳥で行うことができる見込みだ。
3. 結び
今回の2024年3月16日上越新幹線ダイヤ改正では、最終列車を20分繰り上げることになったものの、長岡駅と新潟駅での在来線への接続列車を設定したことにより上越新幹線最終列車から鉄道のみで到達できる駅が大幅に増加、かえって利便性を上げることとなった。
今後JR東日本では上越新幹線のみならず東北新幹線・北陸新幹線でも最終列車を繰り上げるとしているが、今後どのようなダイヤ改正を実施するのか見守ってゆきたい。
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関連情報:2024年3月ダイヤ改正について – JR東日本
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