JR東日本は2024年7月30日、プレスリリースにて8月1日～8月9日に奥羽本線村山～大石田間運転再開に合わせ臨時列車を運転すると公表した。今回はこれについて見ていく。
1. 山形新幹線つばさ号大石田行き運転へ！
今回の2024年8月山形新幹線臨時ダイヤ運転では、山形新幹線の運転再開区間を拡大する。
山形新幹線「つばさ」は東北新幹線と在来線の奥羽本線を直通する列車で、2024年7月26日の運転再開より東京～山形間で運転を再開し山形新幹線利用者の8割以上は問題なく往来できるようになっていたが、村山～新庄間で列車が運行できない状況であったため山形新幹線「つばさ」は山形～新庄間で終日運転見合わせ、山形～村山間は奥羽本線普通列車のみを運転していた。
ただ山形新幹線「つばさ」をできるだけ早く復旧するべく、2024年8月1日に奥羽本線村山～大石田間を運転再開、山形新幹線「つばさ」も山形～大石田間で運転を先買いするとした。かくして大石田行き山形新幹線「つばさ」が誕生することとなったのである。
今回の2024年8月山形新幹線臨時ダイヤ運転では、山形～新庄間で運転する「つばさ」9往復中7往復を山形～大石田間で運転再開する。運転本数を絞っているのは大石田駅が1面2千しかなく折り返し容量が足りないためである。
残る大石田～新庄間は大石田発着の山形新幹線「つばさ」と連絡するノンストップ代行バスを設定することとした。なお代行バス区間の特急券は不要である。
臨時列車の運転概要は以下の通り。
なお奥羽本線大石田～新庄間は2024年8月中旬の運転再開を目指している。もっとも応急復旧のため当分の間速度制限に伴う数分の遅延は生じるだろう。
2. 奥羽本線普通列車も運転再開も代行バスは設定せず
また今回の2024年8月奥羽本線臨時ダイヤ運転では、奥羽本線村山～大石田間運転再開に伴い普通列車の運転も再開する。
今回村山～大石田間で運転するのは下り(大石田方面)14本中9本、上り(山形方面)13本中8本で、いずれも山形まで直通して運行する。
詳細は以下の通り。
ただし大石田～新庄間では山形新幹線「つばさ」向けのノンストップ代行バスは設定するが、各駅停車の代行バスは設定しない。もっとも代行バスは乗車券のみで利用できるので新庄へ行く分にはノンストップ代行バスを利用すればよいのだが、山形新幹線「つばさ」通過駅である北大石田、芦沢、舟形への代行バスは設定しないのだ。
これにはいくつか理由がある。
1つは奥羽本線と並行する国道13号下道が依然通行止めであること。通行止めであればバスを運行することができないので代行バスの設定しようがない。
ではなぜ山形新幹線「つばさ」向け代行バスは設定できるかというと、日本海東北自動車道(無料区間)は通行できるため、高規格道路経由の運行とするためである。
ただ日本海東北自動車道の大石田～新庄間は無料区間であるし、なぜか奥羽本線各駅至近に日本海東北自動車道のインターチェンジがあるため日本海東北自動車道経由の各駅停車代行バスも設定可能なはずだ。
そこで考えられる2つ目の理由が、儲からない代行バスは運行しないことである。幸い7月下旬ということもあり朝夕に通学に使う高校生は夏休みで利用者が少ない。実際奥羽本線以外にも陸羽西線は代行バス運行を取りやめているし、陸羽東線も代行バスを設定していない。儲からない区間の代行バスを設定しても赤字が増えるだけなので営利目的の株式会社としては運行したくないというのが通常の企業方針である。むしろ代行バスを運行し復旧するだけでもありがたいと思うべきなのである。
そして3つ目がバス乗務員不足である。2024年よりトラック・バス運転手の残業規制が始まり乗務員確保ができず、全国的にトラック走行量が減少し宅配便の遅着およびお届け日数鵜遅延化が進んでいるほか、バスも大きく減便している。これまではバス乗務員も余裕があったのですぐに代行バスが出せたのだが、2024年はそうもいかないのである。
奥羽本線大石田～新庄間は2024年8月中旬に運転を再開するため代行バスを設定しなくてもじきに運転を再開できるが、道路が復旧している奥羽本線新庄～院内間の代行バスも乗務員不足で設定できるか怪しいだろう。
3. 結び
今回の2024年8月山形新幹線・奥羽本線臨時ダイヤ運転では、村山～大石田間で運転再開することで山形新幹線大石田行きを運転することとなったほか、山形新幹線「つばさ」向けに大石田～新庄間でノンストップ代行バスを運行することとした
一方で奥羽本線普通列車用の代行バスは設定せず、ほかの新庄発着各線の代行バスも設定しない。
今後JR東日本でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:山形新幹線は、8月1日(木)より山形～大石田駅間の上下線で一部列車の運転を再開します。 – JR東日本
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