JR東日本は2025年3月6日、プレスリリースにて2025年3月6日から東北新幹線で臨時ダイヤで運転すると公表した。今回はこれについて見ていく。
1. 東北新幹線2回目の車両分離で重大インシデント認定で連結不可に!
今回の2025年3月6日東北新幹線車両分離では、西日暮里駅付近で走行中だったH5系とE6系の連結が走行中にはずれ緊急停止した。
走行中の車両分離は2024年9月19日以来2度目となっている。
何より怖いのが、新幹線の併結運転は1992年7月1日の山形新幹線開業から行っており、最初30年間は無事故だったこと、E5系やE6系も登場から10年以上経過しているのにこれまで無事故だったにもかかわらず、この1年以内に2度も走行中に車両分離を起こしたことである。これはもはや近年の環境が原因に重なっていると言えるのではないか。
今回の車両分離はほぼ同車種の2回目の事象であることから国土交通省では即日重大インシデント認定、原因が究明されるまで東北新幹線では営業列車の併結・解結ができなくなった。
そこでJR東日本では東北新幹線で全列車10両以下で運転することになった。これが2025年3月6日以降の東北新幹線臨時列車運転である。
今回はこれについて見ていく。
2. 併結不可で山形新幹線つばさと秋田新幹線こまちで折り返し運転実施へ!
今回の2025年3月6日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、2本つなげた17両運転ができなくなったことにより当分の間山形新幹線「つばさ」の福島駅での増解結や秋田新幹線「こまち」の盛岡駅での増解結ができなくなった。
このため山形新幹線「つばさ」は奥羽本線内福島~新庄間で、秋田新幹線「こまち」は盛岡~秋田間で折り返し運転を行い、東京方面へは福島または盛岡で東北新幹線への乗り換えが必須となっている。
東北新幹線内東京〜福島・秋田間は「つばさ」「こまち」として指定した座席は存在せずに運転する。東京~福島間は「やまびこ」の自由席に着席できるが、東京~盛岡間の「はやぶさ」には自由席がないため立席利用となる。
また秋田新幹線「こまち」は盛岡駅在来線田沢湖線ホーム発着で運転、改札口も東北新幹線とは別改札の扱いとなっている。一方山形新幹線「つばさ」は2025年3月7日は福島駅在来線奥羽本線ホーム発着であったが、3月8日より東北新幹線14番ホーム発着に変更、山形・新庄行きは東北新幹線「やまびこ」仙台行きと平面のりかえが可能となっている。
3. 10両以下での運転で増発実施へ!
今回の2025年3月6日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、2本つなげた17両運転ができなくなったことにより10両または短いミニ新幹線用7両での運転を余儀なくされている。
このため山形新幹線「つばさ」や秋田新幹線「こまち」から乗り継ぐ東北新幹線は原則10両の運転で、従来の17両よりは短い。
と言っても山形新幹線「つばさ」や秋田新幹線「こまち」の平日昼間なんて半分以上が空席なのでそれくらい東北新幹線E5系であれば2両分か3両分に収まってしまう。そもそも東北新幹線「はやぶさ」や仙台発着「やまびこ」も結構空いているので、空いている席が埋まるだけでたいてい運びきれるのである。
ただし朝夕はその限りではない。そこで東京~福島間や東京~盛岡間運休により運用余剰となっている山形新幹線用E3系・E8系や秋田新幹線用E6系を用いて東京~仙台・盛岡間で臨時列車を運転することとした。
2025年3月7日以降17両併結運転再開まで当分の間運転する臨時列車は以下の通り。
- 東京8時00分発「はやて549号」盛岡行き 7両編成普通車全車自由席 途中停車駅:上野、大宮、仙台、古川、一ノ関、北上
- 東京8時56分発「やまびこ547号」仙台行き 7両編成普通車全車自由席 途中停車駅:上野、大宮、宇都宮、郡山、福島
- 東京19時52分発「やまびこ551号」仙台行き 7両編成普通車全車自由席 途中停車駅:上野、大宮、宇都宮、郡山、福島
- 仙台17時34分発「やまびこ546号」東京行き 7両編成普通車全車自由席 途中停車駅:福島、郡山、宇都宮、大宮、上野
- 仙台19時04分発「やまびこ548号」東京行き 7両編成普通車全車自由席 途中停車駅:福島、郡山、宇都宮、大宮、上野
4. 今後ミニ新幹線の併結運転はできなくなるのか?
ただ今後10両編成と7両編成ミニ新幹線をつなげた17両運転ができなくなるとすると、今後の車両投入計画に変更が出てくるかもしれない。
そもそも山形新幹線や秋田新幹線用7両編成は増結を基本としている。このためミニ新幹線用車両の設計変更を行うかもしれない。
正直山形新幹線「つばさ」の通る奥羽本線福島~新庄間はかつて在来線特急「つばさ」が走っていた名残でほとんどの駅で12両分のホーム長を確保できる。このため単独運転を前提とした山形新幹線用12両編成電車が登場する可能性もなきはないだろう。
5. 結び
今回の2025年3月東北新幹線臨時列車運転では、車両分離重大インシデントに伴い東北新幹線の全列車が10両以下での運転となっているほか、7両ミニ新幹線で普通車全車自由席の新幹線を運転するに至った。
今後東北新幹線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:次期東北新幹線車両(E10 系)を開発します – JR東日本
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