ホーム延長で増結も運転本数削減か 阪神電鉄ダイヤ改正予測(2020年3月予定)

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阪神電鉄は2019年7月、WEBサイト上に2019年度版の安全報告書を公表した( 安全報告書2019 )。今回はこれから、阪神電鉄の2020年3月ダイヤ改正について予測していく。

2020年3月ダイヤ改正予測一覧はこちら!

1. ホーム延長工事実施で増結なるか

安全報告書2019の28ページによれば、2019年度内に車両の新造及び武庫川線対応車両の改造を行うとしている。これがもし実現すれば、2020年3月までに実施の阪神電鉄ダイヤ改正で反映される可能性が高そうだ。

ただ、車両の新造というのは例年盛り込まれている内容であり、2018年度には普通電車用ジェットカー5700系4両編成1本を新たに新造したが、あくまで5000系列の老朽置き換え目的であった。このため今回の車両新造もジェットカーのみの増備で、5000系列の老朽置き換えのみとする可能性がありそうだ。

しかし2019年に入り、阪神電鉄では一部の駅でホームの延長工事を行っている。駅改良工事に関しては甲子園や連続立体交差化に伴うものなどは安全報告書に記載があったものの、ホーム延長に関しては記載がない。安全面に関わるものではないから記載を見送ったという可能性はあるが、それならそれで東日本大手私鉄やJR西日本のように単年度の鉄道事業計画を公表してほしいものだ。




では阪神電車ではどのようなホーム延長工事が実施されてきたのか。2001年には連続立体交差化工事と合わせて西宮でホーム延長を行い阪神車10両対応(近鉄車8両まで)としたほか、2009年には阪神なんば線全線開業に伴い尼崎や西九条が近鉄車10両対応となったほか、阪神本線快速急行停車駅も阪神車1両当たり19mより長い近鉄車1両当たり21mの6両編成対応とするためホームを10mほど延長した。その後2012年には神戸三宮(当時の三宮)、2017年には甲子園が近鉄車8両対応となり、2019年現在では武庫川、今津、魚崎で近鉄車8両対応ホーム延長工事が実施されている。

このほか連続立体交差化事業の進展により青木は近鉄車6両対応の130mにまでホームを延長することとなったほか、どうやら深江もホームを延長しているようだ。この深江~魚崎間の連続立体交差化事業も線路は2019年12月までに全て高架となり、踏切が除去される見込みだ。と考えると、2020年3月のダイヤ改正までに連側立体交差化事業区間に含まれる魚崎の近鉄車8両対応は可能そうだ。

これを見るに、どうやら近鉄車も含め神戸三宮までの8両乗り入れを近い将来したいようだ。

ただ、芦屋は両端が踏切であり、近鉄車6両の乗り入れまではできたものの8両乗り入れを行うためのホーム延長工事は難しそうで、現時点でも着工に至っていない。

このことから芦屋を除く全ての快速急行停車駅で近鉄車8両が乗り入れ可能となりそうだ。

もし快速急行が8両運転となれば、一部の時間帯ではあるが尼崎で増解結する回数が減り、所要時間短縮につなげることができる。ただ8両編成の場合、芦屋を通過とするほかないようだ。




2. 一連のホーム延長で増結できるのは快速急行だけなのか

ただ一連のホーム延長工事で近鉄車8両編成対応になるということは、阪神車も8両編成での運転が可能となる。そこで快速急行以外で8両への増結が可能かどうか見ていこう。

まずは直通特急。そもそも御影が阪神車6両しか対応していないこと(しかも近鉄車6両の停車に対応できなかった)、山陽電鉄でのホーム延伸が一切行われていないことから8両への延長は絶望的だ。

また区間急行は少なくとも鳴尾と千船が6両までしか対応していないので8両編成は不可能。区間特急も青木や深江が連続立体期宇佐化事業により近鉄車6両対応に拡張されたため将来的に走行距離精算をおこなうために近鉄車が運用される可能性はあるが、少なくともホームが阪神車8両に対応していないことから不可能。

残る急行は頑張れば8両編成での運転ができそうではあるが、そもそも梅田~西宮間の短距離列車であること、平日朝ラッシュ時に運転していないこと、昼間もガラガラであることから6両から8両に増結する意味が薄い。よって急行の増結も考えにくい。

普通電車は速達列車通過駅のホーム長が阪神車4両分しかないので8両どころか6両での運転も不可能だ。

そのように考えると、8両編成での運転は快速急行に限られるということになりそうだ。




3. なんば発着増結で梅田発着減便か

では今回の2020年3月阪神電鉄ダイヤ改正では、どのようなダイヤ改正を実施するのだろうか。

2015年の大都市交通センサスのデータによれば、阪神本線大物以東で輸送密度が最大なのは淀川~野田間の158,081人/日・往復、なんば線で最大なのは千鳥橋~西九条間の83,676人/日・往復となっいる。ちなみに阪神電鉄内で最大の輸送密度となっているのは複々線区間を除くと出屋敷~尼崎間の191,484人/日・往復となっているが、概ね梅田方面:なんば方面を2:1で分けていると言っていいのだろう。

普通列車は地域輸送主体なので分けて考えるとして、普通列車以外の速達列車で2:1で分けるのが理想であろう。

まずは平日朝ラッシュ時。現在直通特急、快速急行、区間特急、区間急行、普通の5種別がそれぞれ12分間隔、毎時5本の合計毎時25本が運転されている。快速急行以外は梅田行きであることから、普通列車以外の行先比率は梅田行き:なんば方面=3:1ということになる。つまり、なんば方面の直通列車が足りていないのだ。

輸送量から理想としては梅田行き:なんば方面=2:1で設定したいので、もしなんば線直通列車のみ8両にして梅田行きを6両(普通電車のみ4両)のまま維持するのであれば、なんば線直通1本に対し梅田行き速達列車を3本設定すればよいことになる。




ところが、平日朝は最も混雑している出屋敷~尼崎間でも混雑率110%であり、関西各線と比べてもやや空いているようだ。そう考えると特に輸送力増強を図る必要はない。阪神電鉄はなんば線開業で需要が伸びたというが、少なくとも平日朝ラッシュ時に関しては2009年のなんば線開業以降増発していないのに混雑率が徐々に下がっている(112%→111%→110%)。

もしこのままの運転本数で、なんば線直通の快速急行のみ6両から8両に増結すると、混雑率が103%にまで下がってしまう。新車導入にあたり拡張車体を導入するけど運転本数は変わらないので輸送力が上がって混雑率が下がりますと言うのならわかるが、わざわざ車両を増備してこれ以上混雑率を下げる必要もないしそもそも阪神電鉄は拡張車体を導入したことがない。というか、通勤時間帯の需要が減っているのに費用の掛かるホーム延長をしようだなんて普通思わない。

そう考えると、増結により減便を図り人件費を削減したいとしか思えない。そうなると阪神なんば線乗り入れ列車の輸送力が増加した分だけ、梅田行きを減らしてくるのではないだろうか

ただ、輸送力を増加させず維持したままにすると、12分サイクルダイヤから13分サイクルダイヤに広げられる。そして2009年3月20日のなんば線開業に伴うダイヤ改正前の14分サイクルダイヤに戻しても、阪神電鉄の混雑率は120%までにしか上がらない。つまり、なんば線直通列車の増結と引き換えに運転本数を削減する公算が高い。

そもそも、もし純粋な増結であれば阪神電鉄は2両編成を増備しなければならないが、普通列車用ジェットカーの新型車両投入は進んでいるもののあくまで老朽化した車両の置き換えであって輸送力増強は行われていないし、急行用赤銅車の増備は1000系が最後で、2011年の導入が最後となっている。この1000系は2006年から製造されており、製造初年から13年経過している。もし急行型車両の増備が必要なら新型車両の情報が出てきてもおかしくないはずだ。なのに赤銅車の車両新造情報が今のところないということは、運転本数を減らし2両編成を組み替えて8両を組成するほかない。




3.1. 快速急行増結用編成捻出でなんば線普通電車削減か

ではどのように2両編成の赤銅車を捻出するのか。

そもそも6両運転区間の神戸三宮~尼崎間で快速急行が14分間隔運転で8両に増結するには2両編成が4本必要となる。赤銅車は原則6両固定編成であり、2両編成はほんのわずかしかない。しかも6両編成と増結できる2両編成はなんば線でしか運用されていない。つまり、なんば線の運用数を減らすほかないのだ。

まず1つは、先述したように平日朝ラッシュ時の快速急行を12分間隔から14分間隔に空けること。これにより少なくとも神戸三宮~大阪難波間で1運用減らせることから、6両編成1本を捻出することができる。この6両編成をきっとどこかで運転している2両編成×3本連結の6両運用1本を置き換え、2両×3本を捻出できるのではないだろうか。

またなんば線の普通電車も赤銅車相当の列車を使用している。こちらも12分サイクルから14分サイクルに延ばし、うまく調整できる1運用削減できるのではないだろうか。なんば線の普通電車は6両から4両に短縮することは難しいので、減車はあまりないだろう。

なお、平日朝ラッシュ時の快速急行は既に10両編成で運転しており、現状の12分サイクルダイヤに快速急行毎時1本と普通毎時1本で運転しているものを14分サイクルダイヤに延ばしたら、運転間隔が広がった分そのまま輸送力14.2%が減少する。

しかし国土交通省の2018年度の混雑率のデータによれば、阪神なんば線の混雑率は87%しかないのだ(しかも輸送力が変わらないのに2017年度の89%から減っている)。もし12分サイクルダイヤから14分サイクルダイヤに広げたとしても102%にしかならない。減便しても問題ないだろう。

こうして快速急行の阪神本線内の増結分は快速急行自体の運転間隔拡大となんば線普通電車の運転間隔拡大で間に合いそうだ。




4. 快速急行の停車駅はどのように再編されるのか

今回の2020年3月阪神電鉄ダイヤ改正で8両編成が神戸三宮まで運転する可能性があるが、8両編成はホーム長が6両しかない駅には停車できない。快速急行はどの時間帯に8両で運転し、どのような停車駅に再編されるのか考察していこう。

まずそもそも快速急行は全列車が阪神本線内で8両編成での運転が必要かと言うところから始まる。先述したように平日朝ラッシュ時は8両編成で運転するメリットが大きい。また平日夕ラッシュ時も8両編成で運転する可能性はある。しかし昼間の快速急行を見ると7人掛けないし8人掛けの席で2人分以上の空席があるのがザラだ。甲子園でどんなに大きなイベントがあって梅田行き特急(臨時含む)が満員電車状態で積み残しを出しても、なんば線直通の快速急行は立ち客がいないどころか空席まであるのだ。そんな甲子園での大規模イベント開催時ですら空席がある6両編成の快速急行を昼間に8両に増結する必要はあるのだろうか?

これは昼夕輸送力比や大都市交通センサスの輸送密度を考えても言える。快速急行が平日夕ラッシュ時に8両編成毎時3本に増結しても昼間に必要なのは平日夕ラッシュ時の66.6%~75.0%なので、6両編成毎時3本で済む。むしろ8両編成にするのであれば毎時2本に削減したってかまわない。ホーム長の関係で芦屋を通過する、8両への増結に伴う輸送力調整のため毎時3本から毎時2本に減らす、そんな快速急行を利用したいと思うだろうか、いやない。

快速急行がホーム延長のない芦屋通過となるのであれば、芦屋市から反発が来るのが必須なほか、ミナミ方面利用も天下の新快速に奪いかねられない(と言いながら、2009年3月19日まで梅田に快速急行が乗り入れていた時代は快速急行の運転は平日夕ラッシュ時のみだったが、特急停車駅の芦屋、魚崎、御影通過で青木に停車していたんだけどね)。そう考えると、平日昼間や土休日終日は快速急行を6両のまま運転し芦屋に停車させることが一番の得策ではないだろうか。もし快速急行8両化によって芦屋がホーム長の関係で一部でも通過となるのであれば、芦屋市は慌てて市域内の阪神線連続立体交差化事業を進めるだろう。

そう考えると、快速急行の阪神本線内の8両編成での運転は平日朝夕ラッシュ時に限られ、平日昼間や土休日は6両編成のまま据え置かれるのではないだろうか

このことから、芦屋は昼間は快速急行を6両のまま据え置いて2019年現在の武庫川同様平日昼間と土休日終日は停車、快速急行が8両で運転しうる平日朝夕は通過、としても良いのではないだろうか。




このほか、2019年現在武庫川は平日朝夕ラッシュ時、今津は平日全列車が通過しているが、なんば線直通列車の輸送力増強により余裕が生まれ、土休日のみならず平日も全停車とする可能性が高そうだ。

また、平日夕ラッシュ時の快速急行は6両から8両への増結に伴い快速急行の増停車は考えられるが、おそらく阪神電鉄内は毎時3本のまま据え置かれるのではないかと思われる。ただし武庫川・今津に停車する場合、尼崎~西宮間で急行と停車駅の差異が無くなることから、梅田~西宮間運転の急行のうち毎時3本が梅田~尼崎間運転に短縮される可能性があるのではないだろうか。

なお、平日朝夕ラッシュ時の快速急行は、ほとんどで阪神尼崎~大阪難波~近鉄奈良間を10両編成で運転している。阪神本線内で6両から8両に増結できるようになったとしても、尼崎で増解結する両数が4両から2両に変わるだけであり、移り変わり時間帯には増解結なしで運転できるかもしれないが作業自体はあまり変わらないようだ。また増結に伴い武庫川や今津に追加停車するようになると考えると、所要時間の短縮はあまり図れないと見ていいだろう。




5. 連続立体交差化事業の進展で区間特急の運転区間短縮か

また今回の2020年3月阪神電鉄ダイヤ改正までに、深江~魚崎間の連続立体交差化事業の進捗により上下線とも高架化する見込みだ。

その高架化する際に、青木駅の魚崎方の下り線と上り線の間に、目測6両編成が留置できそうな折返し線が1線新設される。連側立体交差化事業前は本線上に渡り線があり青木で折り返す際には本線で折り返していたが、それが折返し線留置となることで制約の少ない安定したダイヤが組めることとなりそうだ。

ただ、直近の2016年3月19日ダイヤ改正以降、青木を始発・終着とする列車の設定がない。青木に折返し線を設置した場合どのような列車が使用するのだろうか。

1つは実は急行用赤銅車を6両編成1本増備するので、留置設備不足を補うために設置する説。そもそも急行用赤銅車の製造間隔が空きすぎているし、新型車両の公表もないことから増備自体が怪しいし、もし増備したとしてどのように入庫させるかが気になるところだ。

もう1つが、平日朝ラッシュ時のみ運転している区間特急の運転区間短縮説。深江~魚崎間の連続立体交差化事業の進捗により青木での折り返しが一時的にできなくなっていることから、2016年3月19日ダイヤ改正で青木始発の区間特急を御影始発に延長した。おそらく石屋川の車庫か御影の留置線から出庫させる形にしたのだろう。

ではもし2020年3月阪神電鉄ダイヤ改正で区間特急を短縮した場合どうなるのだろうか。先述したように芦屋の平日朝ラッシュ時の快速急行停車が取りやめになる場合、12分サイクルから14分サイクルダイヤに延びることも考慮に入れると芦屋に停車する速達列車は直通特急、快速急行、区間特急それぞれ毎時5本の合計毎時15本から直通特急と区間特急の合計毎時8.5本程度にまで大きく減少する。

快速急行に乗れなくなった乗客は、直通特急か区間特急に流れるはずだ。そう考えると、区間特急の運転区間を御影始発から青木始発に戻し、御影と魚崎から利用する乗客を減らして混雑緩和を図るのが一番だろう。

また区間特急が御影始発から青木始発に短縮した場合、魚崎に区間特急が来なくなる。このことから平日朝ラッシュ時は直通特急、快速急行、区間特急それぞれ毎時5本の合計毎時15本から直通特急と快速急行の合計毎時8.5本程度にまで大きく減少する。

魚崎では六甲ライナーから乗り換えることができるが、六甲ライナーから梅田方面へは魚崎乗り換え阪神電鉄利用の他に住吉乗り換えJR西日本神戸線利用もある。JR神戸線の平日朝ラッシュ時は12両編成の快速毎時7本と7両編成の普通電車毎時14本で運転しており、2019年現在では梅田に行く直通速達列車の運転本数としては阪神電鉄の毎時10本の方がJR神戸線の快速毎時7本よりも多くなっている。

しかし2020年3月阪神電鉄ダイヤ改正で区間特急を御影始発から青木始発に戻し短縮すると、魚崎から平日朝ラッシュ時に梅田に速達で向かう直通列車は14分間隔の直通特急のみとなってしまいかねない。しかも快速急行が尼崎で連絡する梅田方面列車は直通特急だ。快速急行を利用して尼崎で乗り換えても梅田に先着しないのだ。

確かに区間特急が青木始発に戻り短縮しても快速急行が6両から8両に増結されるので数字上の輸送力は足りるだろう。しかしなんば線が開業して10年が経過しても梅田発着の方がなんば線利用者より多いことに変わりはない。運転間隔が2分広がりうるのだから、ダイヤに余裕ができるのは間違いないはずだ。快速急行を尼崎で区間特急や区間急行に接続できるようにして、梅田方面への先着を図った方が良いのではないだろうか。




6. 運転間隔延長で停車駅の増減はあるのか

ここまで快速急行の増結や区間特急の運転区間短縮、平日朝ラッシュ時の運転間隔の延長などについて見てきたが、これに伴う停車駅の見直しはあるのだろうか。

まず快速急行は先述したように、平日朝夕ラッシュ時に6両から8両に増結することにより、武庫川と今津への終日停車を実施するほか平日朝夕ラッシュ時のみ芦屋を通過とする可能性が高い。

平日朝ラッシュ時は今津には区間特急、武庫川には区間急行が既に停車している。区間特急は先述したように御影始発から青木始発に戻り短縮する可能性があるものの、快速急行が通過となる芦屋の旅客を拾わなくてはならなくなることから、これ以上停車駅を増やそうということにはならないだろう。

しかし武庫川に快速急行が停車すると、これまでなんば線方面利用者も一部区間急行に乗っていたのにそれがそのまま取られてしまう。そうなると、区間急行はやや空く可能性がある。

また各駅に停車する普通電車も14分間隔になりうる。各駅停車の特に梅田~大物間はなんば線直通の快速急行が増結しようが関係ないし、ただ減便されるのみなのである。

それではただ利便性が損なわれるだけなので、平日朝ラッシュ時が12分サイクルダイヤから14分サイクルダイヤに戻す場合には区間急行が運転間隔が2分空いたのを活用し、2009年3月19日まで運転していた準急のように停車駅を増やして普通電車の混雑を分散させようとするのではないだろうか。

阪神電鉄の公式資料ハンドブック阪神によれば、2017年11月時点での乗降人員は区間急行と普通のみが停まる千船が16,666人/日となっている。もし区間急行の停車駅が増えるのであれば、乗降人員13,481人/日の姫島を追加停車しても良いのではないだろうか。

また乗降人員11,644人/日の出屋敷も追加停車させる可能性は考えられる。乗降人員10,716人/日の香櫨園に区間特急が停車しているのだから、停まっても不思議はないだろう。ではなんば線の福は12,382人/日もいるのに快速急行が停まらないじゃないかという意見も出ると思うが、なんば線は快速急行以外も6両で運転しているのに対し本線の普通は4両でしか運転しないのだ。1本あたりの輸送力が単純計算で1.5倍違うので(近鉄車も考えたらなおさら)同じ運転本数であれば福は快速急行通過でも問題なかろう。

ただし、2009年3月19日まで運転していた準急が停車していた杭瀬は乗降人員8,881人/日と少ないことから、区間急行は引き続き通過とするのではないだろうか。


7. 結び

今回の2020年3月阪神電鉄ダイヤ改正では、芦屋を除く快速急行停車駅が近鉄車8両対応となることで、快速急行で増結が図られる見込みだ。

ただ、阪神電鉄では通勤時間帯の輸送量が少しずつ減少しており、増結した快速急行を含め阪神本線やなんば線で減便が行われる可能性が大いにある。また連側立体交差化事業の進展により区間特急の運転区間短縮も実施される可能性が高い。

今後阪神電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. 尼崎市民 より:

    区間特急は青木始発だった時も全て石屋川から回送で持ってきてましたよ。まず高架工事前から青木での折り返しは緊急時しか実施されてないはずです

  2. 阪神利用者 より:

    >また区間急行は少なくとも鳴尾と千船が6両までしか対応していないので8両編成は不可能。

    千船は意外にホームが長く阪神車8両分ぐらいはあります。

  3. 西村大樹 より:

    対なんば線のことしか考えてないので山陽電車との直通特急のサイクルは無視されてる?
    電留線は野球等の甲子園臨時の対策もあるでしょうし、異常時の折り返しも想定してるのでは?今の異常時三宮ー西宮間不通は長いですから。

    • ご意見ありがとうございます。
      この記事が阪神電鉄のみで通常の記事の2倍程度の内容量となったことから、山陽電鉄については記載を見合わせました。
      今回の記事をもとに、後日山陽電鉄と近鉄奈良線のダイヤ改正予測記事を投稿させていただく予定です。
      ご理解のほどよろしくお願いいたします。

  4. KS生 より:

    快速急行は近鉄と相互直通運転を行っているのに、阪神線の輸送事情に終始して、近鉄奈良線の輸送に言及していないのは片手落ちです。
    日中の近鉄奈良線は、大阪難波ー奈良間で1時間あたり快速急行3本と急行3本がほぼ10分間隔で運転されています。
    ところが日中は急行が8連なのに対して快速急行は6連となっていて、単純計算で輸送力に25%もの大差があり、混雑度が違っています。
    快速急行の8両編成化の目的はここにあるのではないかと考えます。
    また、阪神が車両を増備していなくても、列車の受持ちを阪神から近鉄に変更するだけでも車両の捻出は可能です。

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