香港高速列車運転再開で広州東乗り入れへ! 香港港鉄CRHダイヤ改正(2023年1月15日)

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香港高速列車運転再開で広州東乗り入れへ! 香港港鉄CRHダイヤ改正(2023年1月15日)

港鉄MTRは2023年1月11日、プレスリリースにて1月15日に高速列車の運転を再開すると公表した( 1月15日高鐵重新投入服務 )。また港鉄MTRは2023年1月11日、プレスリリースにて1月15日より広州東発着の高速列車の運転を新設すると公表した( 高鐵推出廣州東新綫.途經東莞 )。今回はこれらについて見ていく。

1. 香港高速列車運転再開へ!

今回の2023年1月15日港鉄MTRダイヤ改正では、中国内地乗り入れの高速列車CRHの運転を約3年ぶりに再開する。

なお当分の間運転区間は広東省内に限られ、北京や上海、厦門乗り入れなどは行わない。このため深圳・東莞・広州以外の都市へ行くには乗り換えが必要となる。

東鉄線羅湖・落馬洲のそれぞれの口岸は業務を再開していないため、香港特別行政区と中国内地を鉄道で再開するのは今回の高速列車CRHが初となる。




2. 九龍半島からの広州東発着復活へ!

今回の2023年1月15日港鉄MTRダイヤ改正では、広州東発着の香港乗り入れCRHを新設する。

香港特別行政区内の高速列車CRHは2018年9月23日に運転を開始したが、線形の関係上広州市発着列車はすべて広州市中心部から地下鉄で1時間程度かかる広州南発着として設定した。

一地両検を行う香港西九龍駅は2020年1月30日に一度営業を休止したが、2021年12月10日の贛深旅客専用線開業により、香港西九龍・深圳北から贛深旅客専用線経由で広深線に乗り入れることができるようになった。これにより広州東発着で運転できるようになったことで設定したのが今回の広州東~香港西九龍間の高速列車CRHである

そもそも広州と香港を結ぶ列車は1911年10月8日に運転を開始したが、その際に広州側のターミナルは広州東駅だった。このため2020年まで運転していた在来線城際直通車も広州東~香港紅磡間で運転していた。このため香港特別行政区からしたら広州東発着の列車設定は歴史を尊重した設定なのである。

広州東発着を1日6往復、広州南発着を1日8往復運転する。このうち広州南発着は中国鉄路CRH400系列4往復と港鉄動感号CRH380Aが4往復となっているが、広州東発着は6往復全てが中国鉄路CRH1A-A、つまり一番初期型の250km/hしか出せない車両での運転である。この車両は広深線広州~深圳間で運用することの多い車両であるが、港鉄動感号CRH380Aは広深線の保安装置関連を搭載していないため、中国鉄路車両による運転としたのだろう。

つまり中国側からしたら今回の広州東~香港西九龍間の列車設定は、中国で初めて200km/h運転を実現した広深線の香港乗り入れ達成である

停車駅が多いこともあり最速1時間37分となっている。

途中停車駅は深圳北、東莞南(という名のほぼ深圳との市境)、東莞(常平ではない)、広州東となっている。

なお香港西九龍からの運賃は東莞までが二等座で152人民元(約2,900日本円、虎門までの178人民元より安い)、広州東までが広州南までと同額の215人民元(約4,100日本円)となっている。広深線経由であることを考えると九龍地区~広州東館は東鉄線羅湖経由の方が42.5香港ドルと79.5人民元で約2,300日本円で済むので、それと比べると8割ほど割高な設定となっている。




ただ従来から運転している広州南~香港西九龍間がノンストップ列車で最速43分、標準でも60分程度でついてしまう。

広州東駅はそもそも中国の各地を結ぶ列車の発着はあまりしておらず、中国各地へ行くには広州駅まで移動する必要があった。また高速列車CRHは広州南駅発着のため高速列車で広州南駅に行った方が乗り換えが楽なのである。

また広州南駅は広州市中心部に出るまで約1時間かかるほど街外れにあるのだが、仏山へは2020年時点では広州東駅を経由した方が速かったのだが、2021年12月28日に広州南駅を基点とする仏山地下鉄2号線が開業したことにより利便性が大きく向上した。

そう考えると広州東駅はかつてのような他都市へのアクセス基点としてはもう使いにくくなっており、優位性が低下している。もはや広州市街地に向かうこと以外の優位性はないだろう。そう考えると1日6往復しか設定しないのもうなずける。

ただ、今回のダイヤ改正で在来線城際直通車の使用していた広州東発着が高速列車CRHが担当することとなったこと、広深線CRHの九龍乗り入れを達成した今、もはや在来線城際直通車を復活する意味はないし香港側の乗務担当は2020年に解散している。そう考えると今後の中国内地と香港特別行政区の鉄道での出入りは、9両編成の東鉄線と8両編成または16両編成の香港西九龍発着の高速列車CRHの2択のみとなりそうだ。


4. 結び

今回の2023年1月15日港鉄MTRダイヤ改正では、香港西九龍発着の高速列車CRHの営業運転を再開したほか、広州東~香港西九龍間の高速列車CRHを新設し在来線城際直通車を代替することとなった。

今後香港西九龍発着の高速列車CRHでどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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