JR東日本千葉支社は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこのうち京葉線について見ていく。
1. 京葉線通勤快速廃止へ!
今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、京葉線通勤快速を廃止する。
通勤快速は停車駅が少ないゆえに内房線・外房線沿線から東京へ速達で向かえる列車となっていたが、京葉線内新木場~蘇我間ノンストップがゆえに各駅停車よりもかなり空いていた。このことから2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正で京葉線通勤快速は朝夕計4往復(内房線直通2往復、外房線直通2往復)から計2往復(内房線直通1往復、外房線直通1往復)に減便している。
今回はさらに減便し京葉線通勤快速を廃止することとなった。
今回のダイヤ改正では通勤快速2本を各駅停車1本で置き換えるようだ。これにより京葉線では朝夕に各1往復減便、1運用削減となる。
また平日朝は2013年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正より京葉快速・武蔵野快速を廃止していることから各駅停車のみの運転となるため、蘇我→東京間の所要時間は約41分から約58分に17分伸びることになる。
2. 京葉線快速廃止平日夕方廃止へ!
今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、京葉線快速を平日夕方・夜間から廃止する。
前回2023年3月18日の幕張豊砂駅開業に伴うダイヤ改正で土休日夜間の快速を廃止し各駅停車に格下げ、減便している。
ただ今回のダイヤ改正プレスリリースを見る限り平日夕方・夜間の快速は全便各駅停車への減便のみで済んでいるようだ。
これにより東京~海浜幕張・蘇我間の所要時間が快速の各駅停車化に伴い4分~6分程度伸びる見込みだ。
これによりJR東日本では内房線・外房線直通列車に京葉線内完結利用にもかかわらず速く行きたい利用者を分散させて混雑を緩和するようだ。
(2024.1.17.追記)なおこの後JR東日本は早朝の外房線上総一ノ宮発京葉線快速東京行きおよび内房線君津6時12分発京葉線快速東京行きの2本を各駅停車とせず快速のまま存続すると公表した。これにより平日朝の快速は存続することとなった。
なお早朝の外房線上総一ノ宮発京葉線快速東京行きは外房線内は快速運転から各駅停車に格下げとなるため、上総一ノ宮6時08分発から6時03分発に5分繰り上がることとなった。
3. 京葉線勝浦乗り入れ廃止へ!
今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、京葉線の勝浦乗り入れを廃止する。
京葉線では1日1往復のみ東京~成東・勝浦間運転の分割併合列車を運転している。今回のダイヤ改正で平日は通勤快速から各駅停車に、土休日は快速から各駅停車に格下げするのに伴い所要時間が延長、外房線内で運転時刻の変更が生じることとなった。
これに合わせ勝浦発着の列車を上総一ノ宮発着に短縮、上総一ノ宮~勝浦間で京葉線車両の乗り入れを取りやめる。
4. 京葉線209系廃車はあるのか
今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、朝夕の通勤快速廃止により1運用が浮く。
これにより1本だけ残っている京葉線209系が引退する可能性はある。
ただ2021年3月13日JR東日本千葉支社ダイヤ改正で2運用削減した際に1本しかない209系10両編成はしぶとく生き残った。そうなると今回のダイヤ改正以後も京葉線用209系はしぶとく生き残るかもしれない。
5. 京葉線ダイヤ改正に対する千葉県知事・千葉県内各市長の反応は
では今回京葉線通勤快速が廃止になり京葉線快速が夕方夜間から廃止となる京葉線沿線の千葉県知事・千葉県内各市長の反応はどうだろうか。
千葉県の熊谷知事と千葉市長は「容認できない」と述べ、今後、申し入れを行う方針を行うとしている。また京葉線通勤快速は内房線または外房線に直通する列車のため、内房線・外房線沿線の市長からも説明を求める声がある。
が、これまでJR各社がダイヤ改正公表後にダイヤ改正の内容自体を変更したことは1度しかなく、その1度とは2022年9月23日西九州新幹線開業に伴うダイヤ改正で複線化費用を自治体が負担したにもかかわらず遅くなっているとして時刻修正を求めたもので、増便増発を行ったことはない。
やるとすればダイヤ改正以後1か月程度経過してから増発をした例はJR九州には2例存在するが(吉都線と鹿児島本線)、JR東日本では実施したことはない。むしろJR東日本千葉支社では2両編成ワンマン電車E131系電車を導入する際に大幅な減車に耐えられるか微妙な時間帯があったため2021年3月13日ダイヤ改正から数か月間上総一ノ宮~勝浦間で土休日に限り臨時列車を運転していたほど慎重である。
今回になって県知事だの各市長だのが言い出しているが、そもそも2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正での京葉快速減便・総武線通勤快速廃止の時にて県知事も市長も何も言わなかったではないか。そんな減便に慎重なJR東日本千葉支社が京葉線通勤快速を廃止し減便するということは、それほど減便してもよいというデータをそろえていたということになる。
そう考えると京葉線の通勤快速廃止撤回は不可能で、おそらく復活はないだろう。
6. 結び
今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、京葉線通勤快速を廃止することとなったほか快速も昼間以外で運行停止するなど大規模なダイヤ改正となった。
今後JR東日本千葉支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:2024年3月ダイヤ改正について – JR東日本千葉支社
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