奥羽本線非電化気動車で新庄~院内間運転再開23年ぶり快速設定も最高速度85km/h程度に引き下げ鈍足化! JR東日本秋田支社ダイヤ改正(2025年4月25日)

 818回閲覧

奥羽本線非電化気動車で新庄~院内間運転再開快速設定も最高速度85km/h程度に引き下げ鈍足化! JR東日本秋田支社ダイヤ改正(2025年4月25日)

JR東日本秋田支社は2025年2月20日、プレスリリースにて2025年4月25日に奥羽本線新庄~院内間を運転再開しダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。

津軽線総電車化に伴う2025年3月15日JR東日本盛岡支社ダイヤ改正はこちら!

2025年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 奥羽本線新庄~院内間気動車で運転再開へ!

今回の2025年4月25日JR東日本秋田支社ダイヤ改正では、奥羽本線新庄~院内間で運転を再開する。

奥羽本線新庄~院内間は2024年7月26日からの大雨被害により運転見合わせとなっていた。今回の運転再開で約9か月に運転再開することとなる。

この運転再開は被災箇所だけの復旧状況から勘案するに実は2024年12月ごろにできていたのではないかと思われるが、それを2025年4月25日まで引っ張ったのは早く運転再開してもどうせ赤字であるため動力費を削減するために遅らせたかったこと、どうせ運転再開するなら5月の大型連休に合わせれば少しでも利用が多く見込めること、GV-E400形気動車を運用させたい都合上3月のダイヤ改正で701系電車の運用調整を行う必要あるためそれより前には運転再開したくないこと、JR時刻表やJTB時刻表を1部でも買ってもらうため4月20日以降の運転再開にしたいことなどがある。その本来12月にも運転再開はずだったところ4か月運転再開を遅らせることでその間に線路もこれまでより軽いものにするほか

今回の奥羽本線新庄~院内間運転再開に際し電化設備を撤去し非電化化することとした。もっとも奥羽本線新庄~湯沢間の2023年度の輸送密度は291人/日・往復で、どの隣駅間をとっても輸送密度500人/日・往復を下回っていることは確実である。JR東日本では電化設備撤去のための非電化化を順次図っているが、奥羽本線新庄~大曲間も計画入っていたと言われている。その計画が前倒しになったと言っていいだろう。

このため今回運転再開する新庄~院内間ではGV-E400形気動車を使用し、従来通り701系電車運転している奥羽本線院内~秋田間と原則系統分割を図ることとした。この701系電車からGV-E400形への置き換えに際し2両から1両に減車するが、1両編成になっても朝夕を含め座れるので何ら問題ないしむしろ環境にやさしいのでメリットだろう。このGV-E400形気動車は2025年3月15日JR東日本盛岡支社ダイヤ改正による津軽線総電車化により余剰となったGV-E400形気動車を使用する。

なお新庄~真室川間区間列車には引き続きキハ110系気動車1両編成を使用する。

今回運転再開する奥羽本線新庄~院内間を走る列車は原則新庄~院内~横堀間の折り返し運転となっている。運転本数は新庄~院内~横堀間が7往復(うち1往復が秋田直通)、新庄~真室川間が1.5往復となっている。秋田方面下り列車は横堀で、新庄・山形方面上り列車は院内で対面乗り換えができる。院内折り返しとせず横堀折り返しとしたのは、秋田方面への対面乗り換え確保の意味合いのようだ。

これにより2024年7月時点と比べ新庄~真室川間で2往復、真室川~院内間で1往復の減便となる。

詳細な運転時刻は以下の通り。




2. 昼間快速運転で23年ぶりの快速復活へ!

今回の2025年4月25日JR東日本秋田支社ダイヤ改正では、奥羽本線新庄~院内間で快速運転を再開する。

奥羽本線では山形新幹線新庄延伸に伴う廃止代替として新庄~秋田間に快速こまくさを運転していたが、すでに秋田新幹線「こまち」が東京~秋田間を結んでいたことから利用がほとんどなく2002年12月1日JR東日本ダイヤ改正で廃止、朝の通勤通学輸送で平日は利用が多い元快速かまくらの湯沢6時33分発快速秋田行きだけ残っている。このため奥羽本線新庄~院内間の快速列車は約23年ぶりの復活となる

今回のダイヤ改正で運転再開する奥羽本線新庄~院内間であるが、昼間は快速運転することとした。

快速列車の運転区間は新庄~横堀間で、途中停車駅は真室川と院内のみ途中5駅通過としている。

今回快速運転を行うのは新庄13時36分発快速横堀行き、新庄15時36分発快速横堀行き、横堀12時21分発快速新庄行きの3本としている。

一方で12時00分〜16時00分の間、真室川を除く新庄〜院内間の途中駅に列車が停車しない。途中駅営業する気ないだろJR東日本。なんだか磐越西線会津若松~喜多方間の普通(途中塩川のみ停車の各駅ではない列車)のような設定に見えるが。




3. 奥羽本線新庄~院内間で最高速度引き下げへ!

また今回の2025年4月25日JR東日本秋田支社ダイヤ改正では、奥羽本線新庄~院内間で最高速度を引き下げる。

新庄~院内間は全駅停車の普通列車で44分だったところ、運転再開後は普通列車で53分、快速列車で47分となっている。つまり停車駅を減らした快速の方が所要時間が長いのだ!

おそらく今回の運転再開に際し奥羽本線新庄~院内間で最高速度が95km/hから85km/hに下げられているのだろう。最高速度引き下げにより線路等級が下げられるほか保守点検が簡素になるため維持費を下げることができる。只見線でも会津川口~只見間運転再開に際し最高速度を65km/hから45km/hに引き下げていることを踏まえると、

快速設定は燃料費節減の意味合いもあるが、所要時間が3分しか変わらないことを踏まえると最高速度引き下げによる所要時間延長をごまかすための措置と言ってもいいのではないだろうか。

しかも所要時間が伸びるにとどまらず、秋田方面へは対面乗り換えとはいえ5分~7分の乗り換え時間を設定している。このため新庄~湯沢・横手・大曲・秋田方面への所要時間は朝夕で15分、昼間は10分程度所要時間が伸びてしまっているのだ!




4. 最終接続1時間繰り上げへ!

この影響で奥羽本線新庄~院内間に絡む最終接続が変更、1時間程度繰り上がっている。

2024年7月まで新庄からの最終列車は新庄21時37分発普通秋田行きであったが、今回の2025年4月25日運転再開からは新庄21時28分発に9分繰り上がる。これにより山形20時20分発普通新庄行きから連絡できなくなり、山形から秋田への最終接続は山形20時20分発から18時59分発普通新庄行きに1時間21分繰り上げ、日曜日など臨時特急「つばさ91号」運転時は山形19時40分発に40分繰り上げることとなった。

また秋田から山形への最終も繰り上がる。2024年7月まで秋田17時45分発普通新庄行きが最終だったところ、院内から新庄への最終列車廃止により秋田16時45分発普通院内行きからの接続となる。これにより秋田から山形・米沢への最終が1時間繰り上がることとなった。


5. 結び

今回の2025年4月25日JR東日本秋田支社ダイヤ改正では、約9か月ぶりに奥羽本線新庄~院内間が運転再開し全線で運転を再開する。

ただ合理化のため非電化化したことにより原則横堀または院内で乗り換えが発生することになったほか、運転再開に際し最高速度を引き下げることで線路保守を削減する。

今後JR東日本秋田支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

津軽線総電車化に伴う2025年3月15日JR東日本盛岡支社ダイヤ改正はこちら!

2025年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:奥羽本線 新庄~院内駅間 運転再開について – JR東日本秋田支社

コメント

コメントを投稿される方はこちらの注意事項をお読みください。コメント投稿時点でこの注意事項に同意したものとみなします。

トップページに戻る

タイトルとURLをコピーしました