JR東日本は2021年8月20日、プレスリリースにて2021年10月~11月の秋期間に臨時列車を増発すると公表した( 秋の臨時列車の運転について )。今回はこれについて見ていく。
1. 特急「おうめ」奥多摩発着で設定へ!
今回の2021年10月~11月JR東日本秋の臨時列車運転では、特急「おうめ」を青梅線の終点奥多摩まで乗り入れる。
特急「おうめ」は通常平日のみ1往復を東京〜青梅間で運転している。東京都内しか運転しないのに新宿~奥多摩間の特急料金は事前料金で1,020円となる高額設定であるが、今回その特急「おうめ」にて10月23日に運転する昼間の臨時列車を設定し、奥多摩まで乗り入れることとなったのである。
今回設定する臨時列車は2021年10月23日のみの運転で、新宿8時45分発「特急おうめ93号」奥多摩行きと、奥多摩17時30分発「おうめ94号」新宿行きの1往復となっている。
使用車両をE353系ではなくE257系5両編成としたのは、青梅〜奥多摩間では本来特急「おうめ」で使用しているE353系9両編成では入りきらないこと、3両編成だと輸送力が足りず青梅線内も2021年現在12両運転はできないためだろう。
1.1. 特急「おうめ」の奥多摩発着はホリデー快速おくたまの廃止の布石か?
ただ今回の特急「おうめ」はホリデー快速おくたまの新宿〜奥多摩間1時間30分〜1時間40分程度の運転より遅い、1時間40分〜2時間程度かかるのである。このため特別快速より遅い特急を運転している。
ただ、それでも設定しているのは2022年3月予定の中央線快速のグリーン車連結に伴う増結によりホリデー快速おくたまも6両から8両に増結せざるを得なくなるが、そうなると青梅〜奥多摩間は6両までしか乗り入れられないためなら入れられない。しかし5両編成の特急型車両であれば乗り入れられることから、今後のホリデー快速おくたまの廃止後の代替列車として考えているのではないだろうか。
2. 快速格上げで特急「あたみ」新設へ!
今回の2021年10月~11月JR東日本秋の臨時列車運転では、臨時特急「あたみ」を設定する。
特急「あたみ」は青梅8時41分発熱海行き及び熱海16時56分発青梅行きの1往復を運転となっている。運転日は2021年11月6日と7日のみとなっている。
そもそも同区間には185系6両編成によるホリデー快速あたみを運転していたが、今回E257系5両編成での運転に伴い特急格上げた。このため運転時刻はほぼ変えていない。
もともと普通車全車指定席だったため530円の料金を徴収していたが、今回の特急格上げに伴い青梅~熱海間を乗り通す場合JR東日本B特急料金の場合は1,890円、「おうめ」「踊り子」と同じ特急料金を適用する場合は事前料金となり1,580円にそれぞれ1,000円以上値上げする見込みだ。
このほか中央線快速・青梅線では2021年10月16日に限り三鷹〜奥多摩間で485系6両編成やまどり編成による快速アドベンチャーライン号を運転する。列車愛称が青梅線の一部区間の愛称であることを考えるとかなり適当に考えたのではないかとは思うが、この運転区間・時刻で2019年10月にE257系5両編成で快速青梅奥多摩秋色号として運転しているのである。まあ車両がグレードアップしたと思えば特急料金徴収は致し方ないところもあるが、もう少し良い列車名は思いつかななかったものか…
またホリデー快速鎌倉は2018年よりE257系5両編成での運転となっているため、今回2021年の臨時列車運転でも快速のまま設定している。
今回E257系5両編成による運転が増えたのは改造工事が終わったことで必要本数を確保できるようになり、老朽化した185系を置き換えたためである。もっとも車両置き換えにより特急格上げを行った列車もあるが、既にE257系運転だった列車は本年は快速のまま臨時列車を設定している。今後これらのE257系快速の特急格上げも見ものだ。
3. 結び
今回の2021年10月~11月JR東日本秋の臨時列車運転では、青梅線を中心にさまざまな臨時列車を運転することとなった。
ただ185系運転列車をE257系に置き換えたことによりこれまで快速として運転していたものを特急として運転することで、増収を図っている。
今後JR東日本でどのような臨時列車を設定するのか、見守ってゆきたい。
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