信州デスティネーションキャンペーンを実施するJR東日本長野支社は5月19日、プレスリリースにて夏の臨時列車を公表した( http://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/170519-3.pdf )。今回はこれについて見ていく。
1. 塩尻跨ぎの列車3往復運行
今回の夏の臨時列車運行では、信州デスティネーションキャンペーンに合わせて長野県内でJR東日本・JR東海ともに様々な臨時列車を運行する。
まずは特急「木曽あずさ号」。189系グレードアップ車両6両(GWや夏休みなど超繁忙期に運行される「一般型車両で運転」と表記される僅少「あずさ」に主に使用)の全車指定席で運行され、新宿駅から定期特急列車の経由しない辰野駅経由で迂回し、定期列車では存在しない塩尻駅でのスイッチバックを行い、南木曽駅まで運行される。16年前に特急「あずさ木曽」として運行して以来の運行となるが、今回は辰野駅で313系3両編成、途中停車駅は伊那市のみの快速「飯田線リレー号」に接続し、駒ケ根まで向かうことができる。普段東京・新宿から直行で行くには京王バスなどの中央道高速バスでしか行けない長野県南部へのアクセスが今回の企画で向上できるものと思われる。運転日は南木曽行き下りが7月1日、8月26日、9月9日の3日間、新宿行き上りは南木曽行きの翌日運行となる。
次いで特急「諏訪しなの号」。383系6両(通常は特急「ワイドビューしなの」用)の全車指定席で、名古屋駅から上って塩尻駅でスイッチバックし、茅野まで向かう。こちらは今回初の運行になるものと思われ、普段名古屋から直通で行けない諏訪地域へのアクセスが今回の企画で向上できるものと思われる。運転日は両方向とも7月8日、9日、9月23日、24日となる。
最後に紹介するのは快速「いろどり木曽路号」。こちらは快速列車ながらも485系「いろどり」6両の全車グリーン車指定席で運行される。全車グリーン車のため特急にすると割高となりすぎるのを恐れて快速として運行されるのだろう。この列車は長野から塩尻を超えて中津川まで運行され、特急「ワイドビューしなの」同様塩尻をまたいで運行される。このほか同編成を用いた快速「北アルプスいろどり」を長野~松本~白馬(大糸線)で運行されることから、北陸新幹線からの接続で利用してほしいということなのだろう。今回は長野県を舞台にしたキャンペーンのため、犬猿の仲とも噂されるJR東日本とJR東海がお互い直通列車を設定した所が特筆されるものと思われる。
2. 北陸新幹線はやや減
では同じ長野に向かう北陸新幹線はどうか。JR東日本とJR西日本が直通運転している北陸新幹線は、なんと今回「かがやき」を中心に臨時列車の設定本数を減らしたのだ。対北陸輸送もあるので一概に今回のキャンペーンに否定的とは言い難いが、大阪方面から長野に向かうには金沢乗り換えで特急「サンダーバード」と北陸新幹線を用いるルートもあるから、少し残念に思う。JR東海とは協調する分、JR西日本とは少し冷たくなったようだ。
3. 結び
今回の信州デスティネーションキャンペーンでは、通常では需要の見込めず運行のできない列車が多数運行されている。今後も継続して行われる各地のデスティネーションキャンペーンについても見守ってゆきたい。
コメント
嬉しいです。JR東日本とJR東海の直通運転。信州では、これがないと、信州デスティネーションキャンペーンが失敗します。長野県以外の46都道府県の余所者には理解不能の世界です。