山田線秋の全便運休宣言も土砂流入で実施繰り上げへ! JR東日本盛岡支社山田線臨時ダイヤ運転(2024年8月~11月)

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山田線秋の全便運休宣言も土砂流入で実施繰り上げへ! JR東日本盛岡支社山田線臨時ダイヤ運転(2024年8月~11月)

JR東日本盛岡支社は2024年7月24日、プレスリリースにて10月15日~11月15日に山田線を運休すると公表した。今回はこれについて見ていく。

1. 山田線昼間に全便運休へ!

今回の2024年10月15日~11月15日JR東日本山田線臨時ダイヤ運転では、空転対策と称して昼間に全便運休を図る。

しかも上米内~川内間では結果的に全便運休とし、32日間にわたり営業列車を運転しないこととなった。

山田線では2024年4月1日より実証実験として同じく盛岡~宮古間を結ぶ岩手県北バス106特急バス及び106急行バスに山田線の乗車券で乗降できるようになっていることから、代替輸送の心配もない。

もはや走らせても赤字なだけなので運転したくないというのが本音ではないかと思うが。




2. 山田線大雨による土砂流入で8月から運休へ!

そんな32日間の連続運休を公表した山田線であるが、2024年8月27日の大雨で土砂流入、盛岡~宮古間の全線運転見合わせとなった。

このうち盛岡~上米内間は2024年9月15日に運転再開したが、残る上米内~宮古間は2024年11月上旬の運転再開を計画している。

ただ2024年11月上旬は先述した32日連続運休期間の真っただ中であり、もし全線運転再開となってもすぐさま全便運休するため2024年11月15日までの盛岡~宮古間の直通列車不在が決まってしまっているのだ

おかげさまで山田線は2024年8月27日から11月15日まで約2か月半にわたり運休が確定してしまっているのである。おいおい、早期に運転再開させる意味がないではないか。




3. 山田線は廃止にならないのか

今回大雨による土砂流入にもかかわらず2か月半で全線運転再開を目指す山田線であるが、廃線にはしないのだろうか。

JR東日本では2020年以降路線復旧に慎重で、1か所~数か所程度の支障で済むならすぐに復旧させるが大規模に工事が必要な場合は磐越西線や奥羽本線などの幹線であれば年単位で運転再開まで復旧させるが地方交通線の米坂線や津軽線ではそうはいかない。なんなら山田線と茂市駅で連絡していた岩泉線は2012年の運行をもって廃止している。

そうなると輸送密度500人/日・往復未満の山田線は当然廃止対象に挙がっていてもおかしくないし、今回の土砂流入を契機に廃止にしても良かったはっずだ。ただ今回山田線を運転再開にこじつけた理由にはいくつか理由がある。

1つはバス代行実証実験中であるため。この実証実験には山田線の乗車券で利用できる便を増やすことで路線維持を目指す意味合いもあるが、バスに代替する前に実証実験が終わってしまったらその効果測定ができない。また盛岡市内でも盛岡~上米内間で増発実験による増発を行っており税金が絡んでいることからたやすく廃止にできない。

2つ目は三陸では2011年に気仙沼線と大船渡線の復旧をあきらめBRT化したところ日本国や自民党を含め政治界隈から非難を浴びてしまったため。当時は自治体が鉄道路線の復旧費用を拠出できるのが赤字鉄道会社のみだったため黒字の東日本旅客鉄道は復旧する場合自前でやらざるを得なかったが、輸送密度500人/日・往復未満であったため自社バス転換したことによるものである。これを契機に黒字鉄道会社相手であっても自治体が復旧費用を税金拠出できるようになり、只見線の全線運転再開にこじつけた。ただ、三陸では廃線にした過去があるためやりいくい。

3つ目は2010年に運転を休止した岩泉線を廃止にする際に山田線を存続することを前提にして代替バスを設定したため。このため代替交通の前提が廃止するのはやりにくい。

4つ目は山田線を廃線にするにしても三陸ばかりに廃線が集中してしまうので順序立てて別の地域で先に廃線を進めたいため。現に津軽線蟹田~三厩間は廃止内定、米坂線今泉~坂町間は山形県と新潟県への復旧費用を提示しており自治体が9割方負担しそうになさそうなので廃線となりそうである。さらに2024年7月大雨で奥羽本線新庄~院内間と磐越東線鳴子温泉~新庄間が運転見合わせとなっているが、幹線の奥羽本線は復旧工事を行う一方で陸羽東線は復旧の2文字を一切書いていないことからこれから廃線に向けた手続きを進めたいのだろう。

さらにJR東日本では久留里線久留里~上総亀山間と吾妻線長野原草津口~大前間で廃線を前提にした協議会を設置している。

そうなった時、まず廃線にすべきは地元合意が取れている津軽線、つぎに米坂線や陸羽東線の部分廃止であり、山田線が廃止となるならその後だろう。


4. 結び

今回の2024年10月15日~11月15日JR東日本山田線臨時ダイヤ運転では、32日間連続で上米内~川内間で全列車を運休することで盛岡~宮古間を直通する列車がなくなるほか、土砂流入により約1か月半前倒しで実施することとなった。

今後山田線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

2024年3月鉄道ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:山田線の安定輸送確保に向けた秋期運転計画について – JR東日本盛岡支社

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