特急あずさ大糸線完結3両で運転へ! JR東日本八王子支社・長野支社臨時列車運転(2023年7月~9月夏期間)

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特急あずさ大糸線完結3両で運転へ! JR東日本八王子支社・長野支社臨時列車運転(2023年7月~9月夏期間)

JR東日本長野支社は2023年5月19日、プレスリリースにて2023年7月〜9月の夏の臨時列車を公表した( 夏の臨時列車のお知らせ )。今回はこれついて見ていく。

1. 特急「富士回遊」ほぼ毎日3往復へ!

今回の2023年7月〜9月JR東日本八王子支社臨時列車運転では、土休日の富士急行線直通特急「富士回遊」を多くの土休日のみならず平日もおおむね3往復に増発する。

また前回の2023年3月18日JR東日本八王子支社ダイヤ改正で特急「富士回遊」のうち主に土休日運転の1往復をE257系5両編成から定期特急「あずさ」併結のE353系3両編成に減車していた。

今回主に平日に臨時増発する特急「富士回遊71号」「富士回遊72号」は、E257系5両編成の運転となっている。土休日のみならず平日も臨時列車を増発することになったのは、訪日外国人の利用が多く曜日を問わず利用が多いことにある。両数を増やすことで立席になるのを防ぐねらいがあるようだ。




2. 大糸線完結特急「あずさ」運転へ!

今回の2023年7月〜9月JR東日本長野支社臨時列車運転では、特急「あずさ」のうち1往復を大糸線まで延長して運転する、とプレスリリースに記載している。

今回土休日を中心に大糸線白馬まで延長運転するとしているのは、特急「あずさ1号」「あずさ38号」の1往復となっている。

まあ特急「あずさ」は毎日1往復が定期列車として大糸線南小谷まで乗り入れている。ので、今回のプレスリリースの特急「あずさ」大糸線白馬乗り換えも当然新宿から直通で行けると思うだろう。が、今回延長する臨時特急「あずさ」、なんと松本で12両編成と3両編成を乗り継ぐのである。

が、そもそも特急「あずさ1号」「あずさ38号」の基本運転区間は新宿〜松本間である。それを松本乗り換えで白馬まで延長しました、ということは言い換えると実質松本〜白馬間の3両特急列車を臨時増発し定期特急「あずさ」と対面乗り換えさせますよと言っているようなものである

きっと2023年3月18日JR東日本長野支社ダイヤ改正より運転を開始した平日運転の篠ノ井線特急「信州」用のE353系3両編成を、運用が余っている土休日に転用したようなものだろう。

なんだか今回の大糸線完結のE353系臨時特急、篠ノ井線特急「信州」で県内特急に味をしめたJR東日本長野支社が大糸線でも県内特急を運転した感が強いのは気のせいだろうか。




そもそも大糸線沿線の信濃大町や白馬へ東京から向かうには、特急「あずさ」利用ではなく北陸新幹線長野または上田乗り換えでバス利用が主流となっている。特に観光の場合は観光バスやツアーバスを多く運行しているためその傾向が強い。これは1997年10月1日の長野新幹線開業から25年以上続いている主要なアクセス手段である。

このため、新宿から白馬までの直通列車であればまだ需要は見込まれるが、松本乗り換えとなるとどうせ乗り換えがある北陸新幹線利用の方が早くて本数もあるので便利ではないか。




では今回の特急「あずさ」白馬延長運転と称する松本~白馬間の臨時特急運転はなぜ行うのだろうか。

もっとも特急料金を通算する観点から同一列車名での松本乗り換えとしたのだろうが、だったら先述したように運用繰りを変えても直通運転を行えという話である。

だ将来的に合理化として南小谷発着の特急「あずさ」1往復を松本で系統分割し大糸線内を9両から3両へ減車する狙いはあるかもしれない。この運用合理化を行えば臨時特急「あずさら」のうちE257系9両運用のうち1運用をより新しいE353系9両運用に置き換えることができる。もしこれができればE257系9両編成1本が転属可能になり、185系6両編成1本を玉突きで廃車にさせることができるだろう。

そう考えると今回の松本~白馬間完結の臨時特急運転は、将来的な南小谷発着特急「あずさ」の松本での系統分割を見据えたものになっているのかもしれない。

このほか、白馬発着の臨時特急「しなの」の運転も例年通り行う。この臨時特急「しなの」は名古屋~松本~白馬間運転で、JR東海383系4両で運転する。もっとも定期特急「しなの」6両の後方に4両増結で運転し名古屋~松本間で10両運転を行ってもよいのではないかとはおもうがそうはいかないらしい。よってこの定期列車では乗り入れない白馬発着乗り入れ特急「しなの」の臨時設定により4両の特急型車両がJR東海には必要になっている。

が、もし定期特急「しなの」とJR東日本E353系3両編成による大糸線完結特急を松本で連絡できるようにしたら、名古屋~白馬間運転のJR東海383系4両の臨時特急「しなの」が必要なくなるかもしれない。

もしJR東海383系の運用を浮かせられたら、JR西日本車両のみが運用する特急「しらさぎ」が名古屋~敦賀間に短縮し大幅再編する2024年3月ダイヤ改正以降、運用の一部を運転区間JR東海383系で持ってもおかしくない。

そう考えると今回のE353系3両編成による大糸線完結特急の運転は、JR東日本のみならず今後JR東海にもメリットがあるかもしれない。

(2023.7.26 追記)なお今回の松本~白馬間の3両編成「あずさ」はJRシステムの座席管理システムマルス上では新宿から白馬まで同一列車扱いで、同じ座席を発売する。が、そもそも松本で白馬行き3両特急に連絡する特急「あずさ1号」「あずさ38号」は所定では9両編成のため、松本で白馬発着列車へ連絡する日はわざわざ12両に増結し、後ろ3両を白馬方面利用者向けとするのである。おいおい、どうせ3両増結するなら松本で増解結して新宿~白馬間を直通させた方がよいではないか。

このほか羽越本線特急「いなほ」は臨時列車運転時は全列車E653系7両編成での運転となっているが、今回の臨時列車運転より一部の特急「いなほ」をE653系4両編成(「しらゆき」型車両)で運転し、減車する。


3. 結び

今回の2023年7月〜9月JR東日本八王子支社・長野支社臨時列車運転では、富士急行線直通特急「富士回遊」を平日もおおむね1日3往復に運転に増発するほか、大糸線完結特急をE353系3両編成で運転し特急「あずさ」と対面接続を図ることとした。

今後中央本線や大糸線を走る特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」でどのようなダイヤ改正を実施し、そしてどのような臨時列車を設定していくのか、楽しみにしたい。

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