恐れていた!越後線のGV-E400系入線宣言! JR東日本新潟支社新潟駅全面高架化切替に伴う臨時ダイヤ運転(2022年6月4日)

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恐れていた!越後線のGV-E400系入線宣言! JR東日本新潟支社新潟駅全面高架化切替に伴う臨時ダイヤ運転(2022年6月4日)

JR東日本新潟支社は2022年5月13日、プレスリリースにて新潟駅連続立体交差化事業の進捗に伴い6月4日に臨時ダイヤで運転すると公表した( 新潟駅付近連続立体交差事業 在来線全線高架化切換工事に伴う列車の運休・バス代行輸送計画について )。今回はこれについて見ていく。

2022年3月12日JR東日本新潟支社ダイヤ改正はこちら!

1. 新潟駅の全ホームが高架へ!

今回の2022年6月4日JR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転は、新潟駅在来線全線高架化切替工事の影響で新潟駅周辺の在来線で運休や減便を図る。

そもそも新潟駅在来線ホームを地上から高架に移す工事をもうかれこれ10年以上も続けているわけだが、その中で線路切替を伴い列車を運休したのは今回で3度目である。

1回目の運休は2012年11月4日、2回目の運休は2018年4月14日、そして3回目の運休が今回の2022年6月4日となる。2012年の工事では地上仮設8番線・9番線の設置、2018年の工事では2番線~5番線の高架化、そして今回の2022年の工事では地上仮設ホームの廃止と1番線の高架ホーム開業となっており、今回の工事を以て全ての新潟駅在来線ホームが高架に移る。このため高架化工事に伴う列車運休は今回が最終回だろう。

前回2回はともに信越本線越後石山~新潟間、白新線新潟~東新潟間、越後線新潟~白山間を運休し、新潟駅へのアクセス確保のため代行バスを新潟~信越本線亀田・白新線東新潟及び豊栄・越後線白山間で運行した。

これにより白新線方面羽越本線特急「いなほ」は新潟~豊栄間で運休し全区間快速列車として運転する。これは新潟駅での上越新幹線との乗継割引が豊栄折返しの場合利かず、上越新幹線との乗り継ぎ利用時に従来より割高になるのを抑えるための措置である。

一方信越本線特急「しらゆき」(ただし2012年11月4日時点では特急「北越」)は、長岡で上越新幹線と乗り換えられるため快速への格下げを行わず、新津~新潟間の区間運休にとどまっている。

もっとも越後線は定期列車では普通列車しか運行がないため、2012年と2018年の2回はともに白山折返しとして運転していた。

なお開業時点からホームを高架化してる上越新幹線はいずれも通常運行である。




2. 越後線、今回は全区間で運転もGV-E400系気動車投入へ!

では今回の2022年6月4日の新潟駅ホーム高架化に伴う線路切替による各線の運休状況はどうだったのだろうか。

まず信越本線と白新線。この2路線では過去2回とほぼ同様に越後石山~新潟間及び新潟~東新潟間で運休し、それぞれ新潟~亀田・東新潟・豊栄間でバス代行を行ったほか、白新線経由羽越本線特急「いなほ」は新潟〜豊栄間運休の上快速格下げし、信越本線特急「しらゆき」は新津〜新潟間で運休した。

ただ越後線では過去2回と異なり、白山~新潟間でも列車を運転することとしたのである

もっとも今回撤去する地上仮設8番線・9番線は信越本線・白新線としかつながっていないため、越後線の列車運行に支障がないのであれば列車を運休する理由はない(今回の工事で新設した高架1番線は越後線からも入線できるが、越後線は今回の臨時ダイヤで高架4番線を中心に使用したため高架1番線対応工事には支障は出なかったのだろう)。

ただ、この線路切替工事の影響で新潟駅は電車の送電設備を止めざるを得なくなったのである。もっとも新潟駅には磐越西線から信越本線経由で直通する気動車はあるが、定期列車は2022年3月12日ダイヤ改正以降全てE129系による電車運転の越後線にとって、電気が来ないのは従来通り使用している電車を使えないということになる。

そこで今回の2022年6月4日JR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転では、越後線に送電がなくても運転が可能なGV-E400系を招集し、新潟~内野・吉田間で運転したのである

今回の臨時ダイヤ運転では、越後線のGV-E400系は3運用を用意した。うち1運用は4両、2運用は2両で運転した。

内野〜吉田間は通常ダイヤと同じ概ね毎時1本の運転を確保したが、新潟〜内野間は通常ダイヤの毎時3本(概ね20分間隔)より少ない、毎時2本程度(概ね30分間隔)の運転に減便した。

このほか電力設備の使える内野〜吉田間では一部の列車で通常ダイヤにも使用するE129系電車で運転する列車があったため、新潟方面に向かうには内野で乗り換える必要のある列車もあった。

また車両送り込みの兼ね合いで、全線電化している弥彦線でも一部の列車でGV-E400系気動車で運転した。

もっとも他社であれば電力設備を止められた時点で電車運転ができないので代行バスを用意するのだろうが、今回の臨時ダイヤ運転では気動車でも越後線の運転を継続した。代行バスを用意するより自社の代替車で運転する方が費用が掛からないと踏んだのだろう。

ただ今回の越後線臨時ダイヤ運転で、昼間は毎時2本でも十分乗ってくれることが証明されてしまった。そうなると直近のダイヤ改正で越後線新潟~内野間のみならず同じく昼間毎時3本運転の信越本線新潟~新津間や白新線新潟~豊栄間を昼間だけ毎時3本から毎時2本に減便してもおかしくはない




3. 磐越西線や羽越本線でも運用変更へ!

とはいえ今回越後線臨時ダイヤ運転に使用したGV-E400系気動車計8両はどこから用意したのだろうか。

そもそも今回使用したGV-E400系は、新潟県の新津運輸区所属の車両である。もっとも本来は磐越西線や羽越本線普通列車用の車両であるが、本来の所属から離れて越後線に運用したのである。

では磐越西線や羽越本線の普通列車はどうしたかというと、今では少数派となったキハ110系を使用し運転することとした

このため2022年6月4日の臨時ダイヤ運転では、新潟駅への乗り入れる列車の少ない磐越西線や、乗り入れを行わない羽越本線普通列車でも使用車両を変えるに至っている。




4. 越後線・弥彦線で非電化化はあるのか

JR東日本では順次非電化化を進めるとしているが、今回の臨時ダイヤ運転でGV-E400系を使用した全線電化済みの越後線や弥彦線で、今後電化設備を撤去して非電化化を図る可能性はあるのだろうか。

まず、今回GV-E400系での運転のみとなった新潟〜内野間は、先述したように終日毎時3本で運転している。もっとも関東鉄道常総線のように毎時3本〜6本運転で非電化の区間はあるが、地磁気観測所の都合によるものなので例外と捉えるべきであり、正直毎時3本運転を終日行う区間で非電化化して気動車を走らせるメリットはない。また、運転系統が新潟まで一体化している内野〜吉田間も非電化化は考えにくい。

また今回の臨時ダイヤは土曜日実施だったため平日朝ラッシュ時の混雑時間帯を避けることができたためたった8両を越後線で運用させれば済んだが、平日朝ラッシュ時の6両編成毎時3本を運用できるほどの気動車を用意するのもそれはそれで費用が掛かってしまう。

ただ、運転本数が比較的少ない越後線吉田〜柏崎間(1日9~11往復)や弥彦線では電化設備を撤去して気動車運転にしてもおかしくはない。




5. 非電化区間用気動車は廃止路線から捻出か

ただ、非電化化したとしても気動車を用意しなければならない。では気動車はどこから用意するのだろうか。

2022年6月現在の一部報道によれば、JR東日本は近いうちに輸送密度2,000人/日・往復未満の路線について収支等を公表し、存続を沿線自治体に判断させるとしている。ただ、これまでの路線廃止ではたいてい既存車の老朽置き換えに伴う新車投入本数を抑制することもセットで行っているが(近畿日本鉄道の経営分離した5路線、JR北海道やJR西日本におけるキハ40系列など)、JR東日本は2021年3月13日ダイヤ改正で定期列車からキハ40系列気動車運用が消滅しているので、置き換えが必要なほど老朽化した気動車車両がない。

そう考えると、もし廃線として気動車車両が余剰となった場合は、廃車より先に電化路線の非電化化に伴う気動車確保用にするのではないだろうか。

実際越後線吉田~柏崎間は2運用、弥彦線は6両あれば運用が回せるので、10両くらいの捻出は1~2路線の廃止で十分捻出できてしまう。

そう考えると今後の廃線の状況次第で越後線吉田~柏崎間や弥彦線が非電化となってもおかしくはなさそうだ。


6. 結び

今回の2022年6月4日JR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転は、信越本線と白新線では前回通りの運休を行った一方で、越後線では電車が使用できないためにGV-E400系気動車を用いて1日限りの臨時ダイヤで運転することとなった。

今後JR東日本では非電化化を推し進め、ゆくゆくは不採算路線の公表で気動車が余剰となる中、越後線や弥彦線で今後どのような輸送体系を採るのか、見守ってゆきたい。

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