JR東日本新潟支社は2022年6月27日、プレスリリースにて6月28日の臨時ダイヤを公表した( 2022年6月28日の新潟支社内在来線の運転計画について )。またJR東日本新潟支社は2022年6月28日、プレスリリースにて6月29日以降の臨時ダイヤを公表した( 2022年6月29日以降の新潟支社内在来線の運転計画について )。今回はこれについて見ていく。
1. E129系14両使用不能で減車減便へ
今回の2022年6月28日実施のJR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転では、落雷の影響で普通電車用E129系のうち14両が一時的に使用不能となった。
もっとも不測の事態に備え予備車は用意はしているが、同時に14両を一時的に使用不能になるまでは想定していない。また前回の2022年3月12日JR東日本新潟支社ダイヤ改正で115系やE127系を引退させてしまったために予備車が大幅に減ってしまった。
このためJR東日本新潟支社管内で減車減便を図ることとなった。
今回運用を削減することにしたのは6両で、残る8両は予備車の稼働で補った。平日朝に減車したのは越後線の新潟行きで3本(6両→4両への減車が1本、4両→2両への減車が2本)、平日朝に減便したにが白新線の2両編成1本となっている。
越後線では6両から4両に減車した吉田7時51分発新潟行きの救済として運用数を増やさないように後続に吉田8時05分発越後曽根行きの増発も行ったが、甲斐もむなしく新潟行きの混雑分散には至らなかった。
2. 恐れていた!E127系の復活宣言!
今回の2022年6月28日実施のJR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転ではE129系6両の運用削減を行ったが、結果的に減車を多く行った越後線で平日朝ラッシュ時に混雑することとなった。
そこで運用削減した6両中越後線で減車した4両の運用を復活する方策を取ることとした。もっとも直近では2022年6月4日の新潟駅高架化に伴う電化設備使用停止に伴う越後線へのGV-E400系気動車入線もあったが、平日朝ラッシュ時に6両運転を基本とする越後線では4両のGV-E400系気動車を投入しても電車と気動車の連結は難しいため、電車と混ぜて平日朝ラッシュ時ぞ乗り切るのは難しい。
そこで他線区のE129系4両を越後線運用に就かせることとし、翌日の2022年6月29日よりE129系を越後線に押し出すために上越線にてE127系運用を復活させたのである。
E127系は前回の2022年3月12日ダイヤ改正までは新潟県内に定期運用を持っていたが、ダイヤ改正以降は長岡車両センターに留置されており、各種改造の後転属する見込みがあった。
もっとも新潟県内で運用履歴のあるE127系であるが、短い2両編成で組むことができたため主に新潟~新津・豊栄・内野間の運用が多く、上越線には一度も入線したことがなかった。が、今回の臨時運用ではE127系を2本つなげた4両編成で今まで入線したことのない上越線長岡~越後中里間で運転を開始したのである。
今回の2022年6月29日以降の上越線E127系入線と言い2022年6月4日JR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転で全線電化済みの越後線・弥彦線でGV-E400系気動車を運転したのと言い、融通が利きすぎているのである。というか今回のE127系の臨時代走は今後の転用計画に影響が大きくでると思われるが平気なのかJR東日本。
なおE129系も含め車両点検に余裕のない状況での運転となっているため、各種検査を土休日に実施するため土休日朝夕などの6両運転を4両に減車するなどして車両点検にいそしんでいる。まあ土休日夕方や休日朝夕は比較的すいているので、節電になるとも言えば環境対策にもなるだろう。
ただ今回の臨時代走に上越線で運転実績のある115系を使用しなかったことを考えると、国鉄時代に製造した115系をJR東日本が使用することはもうないようだ。
なお休日運休の白新線新崎7時51分発新潟行き2両編成は引き続き運休する。もっとも後続の村上7時03分発新潟方面関屋行きは6両編成で運転するため運休しても後続の電車に乗れば乗り切れないことはないが、白新線では新崎8時16分発新潟行きをキハ110系2両編成で運転しているため、気動車の予備車を捻出して新崎7時51分発新潟行きを運転することはできただろう。が、それをしなかったということは近い将来に新崎7時51分発新潟行きを廃止にしてもおかしくはないのではないだろか。
3. その後さらなる代走実施へ!
(2022.08.16追記)そしてこれらの車両不足は、2022年8月になっても解消していない、いやむしろ水害でさらに使用不能車両が発生したためさらに代走が発生している。
前回の2022年3月12日JR東日本新潟支社ダイヤ改正で一部の日に特急「いなほ」1往復をE653系7両編成からE653系4両編成(「しらゆき」型車両)での運転に変更していたが、これを全て7両編成に戻した。その分8月7日以降断続的に新潟~直江津間運転の快速1往復を普通列車用E129系4両編成から特急型車両E653系4両編成に置き換えて運転している。しかも新潟~直江津間ではE653系4両編成は前回のダイヤ改正まで快速信越として、その1年前までは着席保証列車「おはようトレイン信越」「らくらくトレイン信越」として着席整理券310円を徴収して運転していたことを考えると、かなりの乗り得列車である。
しかもその後E653系4両編成も1本使用不能となったことから、この新潟~直江津間の快速列車1往復をE653系7両編成(「いなほ」型車両)で代走することとなったのである。おいおい、4両の普通型車両で運転する列車を7両の特急型車両で代走するなんて、よほどすぎやしないかJR東日本。
いい意味で融通は効いている。が、あまりにも車両融通が限界過ぎないか?もっとも2020年から赤字を計上しており資金に余裕がなくなっているのは間違いないが、今後路線の維持も含めて心配にはなる。E129系を中心とした早期の車両復帰が必要不可欠だろう。
4. 結び
今回の2022年6月28日以降実施のJR東日本新潟支社臨時ダイヤ運転では、E129系のうち14本が一時的に使用不能となったことから、急遽転属予定のE127系を運用復帰させ減便をわずか1本におさえることとした。
今後JR東日本新潟支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、またどのような臨沂ダイヤを設定するのか、見守ってゆきたい。
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