JR東日本仙台支社は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこのうち仙石線普通電車について見ていく。
2025年3月仙石東北ライン・東北本線ダイヤ改正予測はこちら!
1. 仙石線で新型車両E131系に置き換えへ!
JR東日本では仙石線向けにE131系4両固定編成14本を投入し、ワンマン運転を開始する見込みだ。これは2024年3月に発注した56両が当たるようだ。このE131系投入により205系を置き換えることになる。
ただ製造に1年はかかることを踏まえると、おそらく2025年内に投入し2026年3月ダイヤ改正で仙石線電車をE131系統一、ワンマン化という流れになるだろう。
そもそも仙石線用205系は4両編成16本で、15運用を組んでいた際には1運用が予備車となっていた。今回の仙石線向け新型車両E131系は4両編成14本の投入となり2本減ることになる。ただ、2024年現在平日14運用ある仙石線で14本しか投入しないとなると、減便して1運用削減、13運用に減らすほかない。おそらく高城町~石巻間の列車をすべて仙石東北ラインとすることにより運転区間を短縮し運用削減を図るのではないだろうか。
また仙石線は103系時代は車内トイレがなく、205系置き換え時に一部クロスシート転換可能な2WAYシートと車内トイレを導入した。これは仙台~石巻間は当時仙石線快速で約1時間10分かかっていたため車内トイレを増設することとしたものである。
ただ仙石東北ラインの乗り入れ拡大で高城町~石巻間の全列車を仙石東北ラインに統一、仙石線普通電車があおば通~高城町間のみの運転となれば、普通電車は片道約1時間30分かかっていたところ半分の約45分に収まるので車内にトイレを設置する必要がなくなる。このため車両製造費が安く済むようになるほか、福田町の仙台車両センター宮城野派出所でトイレ清掃を行う必要がなくなるためトイレ清掃機能の削減も図ることができる。高城町~石巻間の仙石東北ラインへの一本化はメリットが大きいのだ。
しかも全便高城町までの運転となればクロスシートを導入する必要もなくなることから全車ロングシートとすることができ、クロスシート転換に必要な装置も必要なくなりることから車両製造費がさらに安くなる。しかもロングシート化により朝夕に乗降しやすくなるのでもってこいだ。
同じくE131系4両編成を投入している相模線もトイレなしの4両編成なんだ、あおば通~高城町間のみの運転となった仙石線もトイレなし4両編成で何ら問題ないだろうし共通設計化によるコスト削減も図ることができるだろう。
ただ、トイレあり車両の205系からトイレなし車両のE131系への置き換えにあたり、石巻乗り入れを先に取りやめトイレ付きの仙石東北ラインのみが石巻に乗り入れるようになればトイレなしのロングシートE131系4両編成を仙石線普通電車に入れても何ら問題はない。
もし2025年内に仙石線205系を新型車両E131系に置き換え2026年3月ダイヤ改正よりワンマン運転を開始するのであれば、その前の2025年3月ダイヤ改正にて高城町~石巻間の仙石東北ラインへの統一および仙石線電車のあおば通~高城町間完結化を図った方が良い。
そこで今回は205系電車が残る中で行う見込みの2025年3月JR東日本仙石線ダイヤ改正について予測していこう。
2. 仙石線普通電車石巻乗り入れ中止か
ではE131系導入を見据えた2025年3月JR東日本ダイヤ改正で仙石線でどのような変化をきたすのだろうか。
仙石線では2022年3月12日ダイヤ改正で減便を図り、全日15運用から平日14運用、土休日12運用に削減している。E131系は4両編成14本しか入らないことを考えると最低でも1運用、場合によっては2運用を減らさなければならない。
もっとも1運用だけの削減であればHB-E220系投入に伴う高城町~石巻間の全便仙石東北ライン化による石巻への普通電車乗り入れ中止で捻出できる。新型車両E131系投入ののち2022年3月12日JR東日本ダイヤ改正でワンマン化した相模線でも205系から新型車両E131系への車両更新時に1本削減、横浜線八王子乗り入れを廃止し1運用削減したことから、仙石線でも乗り入れ縮小で運用削減を図ってもおかしくはない。
このため仙石線普通電車の石巻乗り入れは廃止、あおば通~高城町間での折り返し運転とする可能性が高いだろう。
3. 仙石線で朝に減便へ
たださらにあと1運用削減するとなると朝の減便は避けられそうにない。
ただ今回の205系からE131系への置き換えにより車体幅が広がり車内トイレもなくなるとから、編成定員を560人から604人に7.8%増やす。単純計算で新型車両E131系14本で205系15本の輸送力があるのだ。
つまり2025年3月JR東日本仙台支社新型車両E131系への統一を機に平日朝に1運用削減して13運用とするのではないだろうか。
では一番運用の多い平日朝にどのように運用を減らすのだろうか。1運用減らすには平日朝に2往復を減便する必要がある。ただ先述したように205系からE131系への置き換えで定員増加が見込めるため、混雑率に影響はないだろう。
このため2025年3月ないし2026年3月ダイヤ改正で仙石線で平日朝に減便してもおかしくはないだろう。
4. 仙石線昼間に減便か!
また今回の2025年3月JR東日本ダイヤ改正では、仙石線で昼間に減便を図る見込みだ。
仙石線では仙台~東塩釜間は昼間15分間隔(毎時4本)だったところ、2022年3月12日ダイヤ改正で20分間隔(毎時3本)に減便した。ただし2時間に1本程度の石巻発着列車の前後に仙台~多賀城間の区間運転列車を設定しているため、そこだけ10分間隔で運転している。
これは石巻発着列車への混雑集中を避ける狙いなのだが、そもそも仙石線普通電車が高樹町までしか行かなくなってしまえばあおば通~多賀城間の区間列車を廃止できる。廃止できるには2往復となる。
そう考えると仙石線普通電車の昼間20分間隔化も将来の仙石線普通電車の石巻乗り入れ中止を示唆していたものなのかもしれない。
これにより仙石線は平日は90往復から86往復に、土休日は79往復から77往復に減便する見込みだ。
なお仙石線へのE131系投入は2025年内に行い、投入完了とワンマン運転開始は2026年3月ダイヤ改正見込みだ。
5. 結び
今回の2024年3月16日JR東日本ダイヤ改正では、仙石線で新型車両E131系の導入に向け高城町~石巻間での仙石線普通電車の運転を終了し全便仙石東北ライン化、仙石線普通電車をあおば通~高城町間のみの運転とすることで運転区間を短縮し投入予定のE131系をトイレなし・全席ロングシートとすることで製造費削減と定員増加を図る見込みだ。
今後老朽化した車両置き換えを行うJR東日本でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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