JR貨物は2024年7月9日、プレスリリースにて2024年9月11日に全列車の運行を見合わせると公表した。今回はこれについて見ていく。
1. JR貨物一時全便運休へ!
今回の2024年9月11日JR貨物臨時ダイヤ運転では、車両検査不正に伴い一時時全便運休することとなった。
これは2024年7月24日の山陽本線新山口駅構内での貨物列車脱線で調査していたところ、日本で唯一全国規模で貨物列車を行うJR貨物のすべての貨車に検査不正が見つかったためすべての運転を一時停止したものである。
なお11時ごろに運転を休止したものの、21時ごろに多くの列車運転を再開しているほか、残る3本も22日11時に一度全列車が運転を再開している。
なんだか2016年のJR北海道函館本線脱線事故のような設備点検をおろそかにした結果が出ているような気がする。JR貨物は2018年4月1日に運賃改定し6%値上げしており一時黒字を計上していたはずだが。
2. 2024年問題への対応はどうなる
日本では2024年からのトラック業務規制、いわゆる2024年問題があり、トラック輸送の1日乗務距離や時間が厳格に決められることとなった。
このためトラックの絶対輸送量が減り、JR貨物はこれをチャンスとして貨物列車へのシフトを提案、営業成績を上げ黒字にまでなっていた。
そもそも鉄道貨物が衰退した理由は1970年代の国鉄貨物の扱いのずさんさによるもので、これに業を煮やした大和運輸が国鉄と縁を切りトラックを自前で調達し宅配便事業を展開するに至った。他社も法人輸送を自動車に切り替えることで鉄道貨物離れが大きく進んだ。
もっとも今回の1件は半日で運転再開しているため1970年代のような契約を大量に切るほどにはならないとは思うが、今回適切な対策をしなければ鉄道貨物のさらなる衰退もあるだろう。
4. 結び
今回の2024年9月11日JR貨物臨時ダイヤ運転では、車両検査不正に伴い全国で貨物列車が全便運休するることとなった。
今後2024年問題などによるバス乗務員不足で貨物列車の需要が期待されている中、JR貨物がどのように列車を設定するのか、見守ってゆきたい。
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