JR北海道は2024年12月19日、プレスリリースにて2025年2月8日・2月9日に札幌~美瑛・富良野間に臨時特急列車「冬のラベンダー号」を運転すると公表した。今回はこれについて見ていく。
1. 旭川経由で富良野特急運転へ!
今回の2025年2月8日・2月9日JR北海道臨時列車運転では、臨時特急列車「冬のラベンダー号」を運転する。
今回運転するのは2025年2月8日と2月9日の土日2日間限定で、札幌8時24分発旭川・美瑛停車の富良野行き、富良野16時10分発美瑛・旭川停車札幌行きを運転する。つまり札幌~旭川間ノンストップ特急列車として運転する。所要時間は札幌~旭川間1時間34分、札幌~富良野間2時間40分~2時間45分となっている。
この運転日2月8日・2月9日はさっぽろ雪まつり開催期間中の土日に相当する。つまり札幌に観光客が集まる時期に札幌から美瑛・富良野への臨時特急列車を運転し、かつ札幌~旭川間で特急列車を増発することで混雑分散を図る狙いがあるようだ。
2. なぜ富良野線経由の富良野特急運転としたのか
今回の2025年2月8日・2月9日JR北海道臨時列車運転では、臨時特急列車「冬のラベンダー号」を旭川・富良野線経由で運転した。
が、札幌~富良野間特急は本来特急「フラノラベンダーエクスプレス」として根室本線芦別経由で運転することが通例となっているし、距離が短いので運賃や特急料金も安いし所要時間も1時間55分から2時間04分と今回の「冬のラベンダー号」より所要時間が短い。また2025年3月以降も運転がある。
にもかかわらずなぜ今回は遠回りの旭川・富良野線経由で特急列車を設定したのだろか。
まずは札幌~旭川間で特急列車を1往復増発することでさっぽろ雪まつり期間の土日の特急列車混雑緩和を図る目的。ただ1往復では焼け石に水感があるがそれはさておき。
ただ、特急「フラノラベンダーエクスプレス」が経由する根室本線滝川~富良野間の2023年度の輸送密度は384人/日・往復しかなく、1日数往復のバスで十分運べるレベルで鉄道としての役割を終えている。一方で富良野線旭川~富良野間は2024年度の平均輸送密度は沿線人口が多いこともあり1,233人/日・往復もいるので易々と廃止にはできない。
また根室本線滝川~富良野間廃止を率先する理由として、2024年3月31日の根室本線富良野~新得間廃止時に根室本線富良野駅のホーム上で折り返すことはせず、必ず廃線となった布部方面へ一度列車を回送している。つまり根室本線列車の富良野駅折り返しに対する設備投資を行っていないことから、近い将来富良野折り返し列車の廃止、つまり根室本線滝川~富良野間を廃止したいという思惑があるのだろう。
そう考えるとJR北海道は主に土休日にせいぜい1往復運転する特急「フラノラベンダーエクスプレス」を根室本線芦別経由から旭川・富良野線経由に変えてしまえば根室本線滝川~富良野間の存族理由がなくなる。つまり札幌~富良野間特急の旭川・富良野線経由での運転は将来の根室本線滝川~富良野間廃止への動きではないだろうか?
3. 結び
今回の2025年2月8日・2月9日JR北海道臨時列車運転では、札幌~富良野間を旭川・美瑛経由で運転する特急「冬のラベンダー号」を運転するに至った。
今後JR北海道でどのような臨時列車を実施するのか、そして今後根室本線滝川~富良野間を廃止するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:臨時特急列車「冬のラベンダー号」運転! – JR北海道
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