JR九州は2020年12月18日、プレスリリースにて2021年3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 2021年3月ダイヤの見直し )。今回はこのうちJR九州管内のうち大分県内・宮崎県内・鹿児島県内の在来線について見ていく。
1. 日豊本線特急大減便も「ひゅうが」大増発へ
今回の2021年3月13日JR九州ダイヤ改正では、日豊本線で特急を減便する。
日豊本線特急「ソニック」は2020年11月1日以降、比較的停車駅の少ない列車を臨時運休することにより昼間は毎時1本運転となっていたが、今回のダイヤ改正で正式化する。
これに加え大分以南では特急「にちりん」のうち昼間の大分~延岡間で3時間に1本程度運休し延岡~宮崎空港間の運転に短縮していたが、今回のダイヤ改正より大分~延岡間は昼間はさらに減便し2時間に1本の運転となった。ただ救済として延岡~宮崎空港間は「ひゅうが」として存続することとし既存の「にちりん」と合わせて特急毎時1本運転を継続することとした。
まあ多客期には「ひゅうが」のうち2本に1本程度を大分発着の「にちりん」に臨時延長するようだが、今のところ実施の見込みはない。
また特急「有明」の廃止や特急「かいおう」を1日2往復から1日1往復に減便したことに伴い787系が浮き、日豊本線特急用に転属することとなったほか、臨時枠を含め「にちりん」「きりしま」が減便したことにより日豊本線特急の運用数が減った。これにより日豊本線から783系が姿を消し、「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」は臨時列車含め全て787系での運転となり、日豊本線特急用783系は全て廃車となる見込みだ。
これでJR九州管内の783系は佐世保線特急「みどり」「ハウステンボス」が中心で、あとは福北ゆたか線特急「かいおう」と博多~佐賀間の朝夕の「かもめ」に限られる。ただこちらも2022年内の九州新幹線長崎ルート部分開業に伴う在来線特急運転再編により特急「かもめ」(改め「リレーかもめ」になるかもしれないが)の走行距離が減り、かつ佐世保線特急「みどり」と完全重複することから博多~肥前山口間で減便が可能になる。そう考えると783系が余剰となり全廃車となる可能性がありそうだ。
ちなみに競合するはずであった大分~宮崎間の高速バスは1日6往復しか運行がなかったほか、2020年9月より全便運休となり、2021年3月末を以て路線廃止が決まった。
2. 終電繰り上げで最終新幹線からの接続解除へ
今回の2021年3月13日JR九州ダイヤ改正では、各地で終電繰り上げを行う。
大分都市圏では大分からの4方向の最終列車は全て大分23時40分発だったが、これを10分繰り上げ23時30分発とする。ただ特急列車からの最終連絡は博多21時04分発「ソニック57号」大分行きの大分23時25分着からの連絡であることに変わりはないので、5分乗り換えとややきつくはなるが遠距離輸送的には変わらない。
そもそも熊本都市圏と同レベルの都市圏かつ最終の新幹線が23時30分以降に到着する新潟都市圏や宇都宮都市圏は既に最終の上越新幹線及び東北新幹線から連絡する在来線普通列車がないのだ。それにもかかわらず同レベルの熊本都市圏やそれより小さい鹿児島都市圏で最終新幹線の到着を待ってから運転している方が過剰サービスだったのである。
5. 結び
今回の2021年3月13日JR九州ダイヤ改正では、日豊本線特急「ソニック」「にちりん」の減便により日豊本線から783系が消滅することとなったほか、大分都市圏や鹿児島都市圏で終列車を繰り上げることとなった。
一方宮崎県内では特急「にちりん」減便分を特急「ひゅうが」の代替で救済しているほか、終列車が一部で繰り下がるなど利便性の向上も図られている。
今後JR九州でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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