JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州・JR四国・JR九州の6社は2024年10月24日、プレスリリースにて2024年12月~2025年1月に利用可能な青春18きっぷについて公表した。今回はこれから全国のJR線の普通列車で減便しそうな路線を挙げ予測して見ていく。
青春18きっぷ大改編に伴う2024年冬発売分からお実質値上げはこちら!
2024年冬発売分より大幅制度変更へ!
今回の2024年12月発売分の青春18きっぷより、利用条件が大きく変わることとなった。
これにより青春18きっぷの利用者が減り普通列車の利用者数が減ることから特に青春18きっぷ利用の多かった普通列車で減便を図る可能性がある。
そもそも青春18きっぷは高校生の春休み・夏休み・冬休みに合わせて利用が減るのに合わせその客穴埋めとして発売開始したが、高校生は朝夕の利用なのに対し青春18きっぷ利用者は昼間の利用が多いのでかえって昼間に列車ぞ増車増便する必要があり非効率的であった。
このため青春18きっぷ制度改編で利用が減れば全国のJR普通列車で昼間に減便を図る可能性が高い。
一方すでに昼間の減便を終えている地区もあることからそれらを除外し、2025年~2030年ごろの昼間の普通列車が減便しそうな区間を選定することとした。
今回はこれについて挙げていき、どのように減便するか予測していこう。
JR東日本東海道線小田原~熱海間およびJR東海東海道線熱海~沼津間
まずは神奈川県と静岡県をまたぐJR東日本東海道線小田原~熱海間およびJR東海東海道線熱海~沼津間。
青春18きっぷ利用者が多い一方で山を挟むので日常利用者は少なく、熱海~沼津間の昼間毎時3本から毎時2本への減便を図る可能性が高い。
ただJR東海は4両固定編成の315系を順次投入していることから、313系3両編成毎時3本を315系4両編成毎時2本に減便する公算が高い。
また合わせて15両運転でガラガラのJR東日本東海道線小田原~熱海間も昼間毎時3本から毎時2本に減便してもおかしくはない。
JR東海東海道線島田~浜松間
次にJR東海東海道線島田~浜松間。
島田~掛川間は昼間毎時3本、掛川~浜松間は昼間毎時4本だが、島田~掛川間は青春18きっぷの時期は混み合うもののそれ以外の時期は3両編成毎時3本でも席が半分程度しか埋まっていないほどのガラガラである。
このため島田~掛川間昼間毎時2本、掛川~浜松間は昼間毎時3本に減便してもおかしくないだろう。
JR東海東海道線大垣~米原間
次に岐阜県と滋賀県をまたぐJR東海東海道線大垣~米原間。
名古屋~大阪間にあるため安く移動したいがために在来線の東海道線を利用する際に通る経路である。
青春18きっぷシーズンは立ち客が多数出るほど混んでいるが、それ以外の時期はガラガラである。
このため昼間毎時2本から毎時1本に減便してもおかしくはない。
JR西日本新快速
次にJR西日本新快速。
昼間に米原を発着する列車は毎時1本にすでに減便済みだが、快速と再編し京都~大阪~神戸~姫路間でも新快速を昼間毎時4本から毎時2本に減便する可能性がある。
JR西日本山陽本線上郡~和気間
次に兵庫県と岡山県をまたぐJR西日本山陽本線上郡~和気間。
山陽本線相生~上郡間および和気~瀬戸間では昼間毎時2本から毎時1本に減便済みだが、上郡~和気間は昼間毎時1本のまま変わっていない。
また、赤穂線で播州赤穂~備前片上間で2往復減便したことを踏まえると、青春18きっぷ利用者が減ったタイミングで山陽本線上郡~和気間でも1往復~2往復程度減便してもおかしくはない。
JR東海飯田線
次にJR東海飯田線。
一番本数が少ない水窪~平岡間は普通列車が1日9往復、飯田線全線通しで利用できるのは1日6往復で、長距離ゆえ青春18きっぷ利用者の割合が高い。水窪~平岡間は青春18きっぷ期間外は2両編成の普通列車に20人も乗っていない。
が、青春18きっぷ制度改正で利用者が減ればその分減便することが可能だ。
JR東日本中央本線大月~甲府間
次にJR東日本中央本線大月~甲府間。山間の区間で特急「あずさ」「かいじ」による都市間移動はあるものの地域輸送は少ない。
中央本線は相模湖・富士吉田・富士山方面への行楽客やバックパッカーも多く、富士急行線直通特急「富士回遊」は満席続出になるほど人気のため乗車できない人のために東京~大月間の中央特快を増発、増車を図ったほどである。ただそのような人たちが多いのは大月までで大月~甲府間では少なくなっている。このため大月~塩山間は昼間毎時1本の運転となっている。
が、青春18きっぷによる朝東京発、夜東京着の利用が多いことから青春18きっぷ期間外を含む通年で朝9時~12時ごろも毎時2本の運転となっている。もっとも朝8時30分までなら高校生の通学もあるので混んでいるが、9時~12時ごろの毎時2本運転は青春18きっぷシーズン以外では半分以上の席が空いておりガラガラである。
このため中央本線大月~塩山間で毎時1本しか運転しない時間帯を拡大、大月~塩山間で3往復程度、塩山~甲府間で1往復程度普通列車を減便するのではないだろうか。
JR東日本高崎線籠原~高崎間
次にJR東日本高崎線籠原~高崎間。
こちらは10両編成毎時3本の運転で籠原での増解結を行うなど手間がかかっていますが、青春18きっぷユーザーが大きく減れば通年にわたり昼間は6両編成毎時3本で十分座れます。
高崎駅を通る211系には6両編成と4両編成がありそのうち6両編成を使えばいいのですが、211系は車掌乗務が前提となっています。このため乗務員行路の削減はできません。
増解結に関する保守要員の削減、動力費の削減ははできますが乗務員行路の削減ができないため効果は低いと考えられており、宇都宮線の系統分割・減車よりは可能性が下がると言われています。
JR東日本宇都宮線小金井~宇都宮間
次にJR東日本宇都宮線小金井~宇都宮間。
昼間は15両編成毎時3本の運転がありますが、東京や新宿への直通列車のために10両や15両運転をしていますから青春18きっぷシーズンでもない限り小金井~宇都宮間では昼間は半分も座っておらず空席が目立っています。
また小金井への送り込み列車の兼ね合いでワンマン運転対応のE131系6両運転が乗り入れています。もし昼間に宇都宮線を小金井で系統分割すれば昼間に運用が余っているE131系を用いて、小山~宇都宮間で6両編成昼間毎時3本のワンマン運転で減車と乗務員行路削減を行うことができます。
減便ではなく減車ですから利便性はほとんど落ちません。
JR東日本東北本線石越~一ノ関間
次に宮城県と岩手県をまたぐJR東日本東北本線石越~一ノ関間。
昼間は小牛田~一ノ関間の運転を基本に2両編成電車毎時1本で走っていますが、この旅客の利用の多くが宮城県内の小牛田~石越間の利用者で県境区間の石越~一ノ関間は青春18きっぷシーズン以外は空席だらけです。
実際小牛田~一ノ関間の平均輸送密度は2023年度で2,769人/日・往復としていますが、平日朝夕に運転本数が少ない県境区間の石越~一ノ関間は平均輸送密度2,000人/日・往復を切っていると見られ、昼間は2時間に1両あれば運びきれてしまいます。実際昼以降1時間30分に1本しか来ない東北本線黒磯~新白河間の2023年度平均輸送密度が3,616人/日・往復ですからそれより輸送人員が少ないのに毎時1本の運転が必要なのでしょうか。
そう考えると、青春18きっぷ利用者が少なくなり利用者が減った段階で昼間の小牛田~一ノ関間の普通列車毎時1本のうち約半分を石越折り返しにし、石越~一ノ関間を2時間に1本に減便してもおかしくはありません。
ただ、2024年冬季は北海道&東日本パスが連続7日間11,330円のまま据え置きで発売しますから、東京・仙台~青森・函館への移動手段としてまだまだ使えます。また東北地方では冬はかなり乗降客数が少なくなるため冬から春夏の乗客数が予測しにくいことを踏まえると2026年以降の減便となりそうです。
実際にいつ実施するのか
ではこのようなJR普通列車の減便はいつするのだろうか。
JR東海では2025年度までに新型車両315系の投入を完了し211系をすべて置き換える。このため減便するとしたら315系の投入が完了した最初のダイヤ改正である2026年3月ダイヤ改正となりそうだ。
一方JR西日本は2025年4月1日運賃改定で大阪電車特定区間が拡大し新快速沿線で値下げとなるため、値下げと引き換えに減便する可能性が十分考えられる。
またJR東日本も極力早期に実施する可能性が高い。
結び
今回の2024年冬発売分からの青春18きっぷ制度改定では、実質値上げを図ることで各地域内で発売しているフリーきっぷの発売を促進する一方で、利用減による新快速を含む普通列車の減便が見込まれる。
今後JR旅客6社がどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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関連資料 – 「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売について – JR東日本
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