JR四国は2023年5月19日、プレスリリースにて2023年7月〜9月の夏の臨時列車を公表した( 夏の臨時列車運転のお知らせ )。今回はこれついて見ていく。
1. 恒例の予讃線特急「いしづち」系統分割実施へ!
今回の2023年7月〜9月JR四国臨時ダイヤ運転では、予讃線特急「いしづち」の高松→宇多津、多度津→高松での系統分割を行う。
これは、春の大型連休やお盆、年末年始のほか一部の三連休などなど旅客が多く見込まれる際に山陽新幹線と連絡する岡山発着の特急「しおかぜ」を所定の5両から8両(一部7両)に増車するために、本来宇多津で分割併合を行っている2両編成または3両編成の高松発着の特急「いしづち」分も岡山のに乗り入れるようにする。このため宇多津での増解結を取りやめる。
救済として高松→宇多津、多度津→高松間の予讃線特急「いしづち」を設定するのがもはやJR四国の風物詩と化している。
もっともこの系統分割後に香川県内しか運転しなくなる特急「いじづち」は所定の編成である8000系電車や8600系電車の2両編成(一部は3両編成)で運転することが多い。が、三連休に一部の特急「いじづち」を系統分割して短距離折り返し特急とする際にはその限りではない。
2. 7月3連休に高松に8000系5両編成乗り入れへ!
まず7月の三連休7月15日と7月17日。各日4往復設定する高松→宇多津、多度津→高松間の予讃線特急「いしづち」には所定の8600系電車3両編成を使用するほか、8000系電車5両編成や2600系気動車2両編成も運用する。
本来岡山発着となるはずの8000系電車5両編成が高松に乗り入れるのは極めてまれで、なかなか珍しい運用だ。もっともJR四国としても動力費を抑えたいので気動車を用いてでも2両編成で設定することが多い高松→宇多津、多度津→高松間の予讃線特急「いしづち」だが、そこで所定より2両多い8000系5両編成を繰り出すとは。
まあ2600系気動車については2両編成2本だけ投入して使い方にとぼしいのでこういうときに使っていく方針なのだろう。本来所定は全便電車特急の「いじづち」に代走で気動車を投入しても驚かないほどに気動車の代走が多くなっては来ている。
3. 9月3連休に高松に気動車特急「いじづち」大量発生!
次に9月の三連休9月16日と9月18日。高松→宇多津、多度津→高松間の予讃線特急「いしづち」各日3往復の設定となり、7月の三連休より1往復減っている(この1往復は所定通り松山直通)。
この9月3連休に用意する高松→宇多津、多度津→高松間の予讃線特急「いしづち」の車両は、先述した8000系電車5両編成のほか、2600系気動車2両編成、2700系気動車2両編成も就く。そして極めつけはキハ185系気動車3両編成である。
もっともキハ185系気動車は1987年のJR四国発足当初に高松~松山間の特急車両として使用していたが、本来2両単位で運転するはずのキハ185系の3両運転とは。
しかも8000系電車5両編成、2600系気動車2両編成、2700系気動車2両編成、キハ185系気動車3両編成の特急「いじづち」運用を2023年9月16日にすべて見ることができるのである。おいおい、鉄道ファンによる撮影会を行うようなものではないか。
しいて言えば2023年3月25日と26日には特急「いしづち」を2000系2両編成でも運転していたため、それがないという意味でコンプリートされていないと言われればそれまでだが。
まあこのご時世の減収によりJR四国は2023年5月20日より運賃を引き上げたくらいなので本州から1人でも多くの鉄道ファンをおびき寄せて増収を図りたいのだろうけれども。
4. 土讃線特急「しまんと」に電車運用再び!
また今回の2023年8月JR四国臨時列車運転では、土讃線特急「しまんと」のうち1往復で8月11日~8月20日に宇多津での系統分割を行う。
この際に高松→宇多津、多度津→高松間の特急「しまんと」を運転することになるが、土讃線はほとんどが非電化で電車が乗り入れられないため所定では2700系気動車による運転となっている。
が、2023年8月11日と8月16日~8月20日は2600系気動車2両編成による運転となるほか、2023年8月12日~8月15日にいたっては8600系電車3両編成の特急「しまんと」を運転するのである。
もっとも電車特急「しまんと」は毎夏お盆に発生するのだが、今回の臨時列車運転では1日最大2往復運転していた電車特急「しまんと」が1往復に減ってしまっている。これはそもそも2023年より大型連休やお盆に宇多津で系統分割する特急「しまんと」が1日2往復から1往復に減ったためである。これはそもそも高知への特急利用者が減っていることを意味しており、将来的には宇多津で系統分割する特急「しまんと」事自体が消滅してもおかしくはない。
5. 結び
今回の2023年7月〜9月JR四国臨時ダイヤ運転では、予讃線特急「いじづち」の系統分割により、所定の8000系や8600系の2両編成や3両編成のほか、8600系5両編成や気動車も投入することとなった。
今後JR四国でどのような臨時運用を組むのか、見守ってゆきたい。
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