201系国電快速の拡大へ! JR西日本学研都市線工事に伴うおおさか東線臨時列車運転(2018年5月19日~20日)

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JR西日本は2017年12月15日、プレスリリースにて2018年5月19日から20日にかけて学研都市線を運休すると公表した( 学研都市線運転休止のお知らせ )。今回はこれについて見ていく。

1. 学研都市線で代行輸送と初電繰り下げ実施へ

今回の2018年5月19日~5月20日JR西日本学研都市線運休に伴う臨時列車運転では、2019年3月予定のおおさか東線の新大阪~放出間延伸工事の進捗に伴い実施される。

これまで本工事に伴う学研都市線の運休は2015年3月28日、5月16日、7月18日、2016年4月2日、6月11日、10月15日の合計6日間で実施され、全て土曜日1日内で完結している。列車の運休にも規模に差があり、直近行われた2016年10月15日や2015年7月18日学研都市線運休では、下り(京橋行き)2本を放出行きに短縮し、放出・鴫野→京橋~大阪間で代行バス・タクシーを運転するのみにとどまったものから、2015年3月28日学研都市線運休のように京橋・放出19時台発から京橋~放出間での運転を取りやめ振替輸送したこともある。

今回の2016年10月15日以来約1年7か月ぶりに実施される2018年5月19日~5月20日JR学研都市線運休では、初めて2日間にまたぐ運休を実施することとなる。今回は5月19日土曜日22時頃~5月20日5時30分頃まで学研都市線京橋~放出間を運休させ、5月19日土曜日のみ鉄道による振替輸送を実施する。学研都市線放出~木津間でも運行本数が削減され、上り(木津方面)では運休時間帯となる22時以降、区間快速の運転を中止し四条畷行きとして主に運転される普通列車が延長運転される。

また、下り(京橋方面)では運休時間帯は放出行きとして運転されるほか、木津23時19分発(木津→京田辺で最終)普通京橋行きを普通四条畷行きに短縮し、後続の京田辺23時59分発最終普通京橋行きを放出の1つ手前の徳庵行きとして運転される。一方、木津23時58分発普通松井山手行きが臨時増発されている。どうやらおおさか東線への振替のみならず大和路線木津連絡での振替輸送もしてほしいようで、JR難波22時59分発快速加茂行きに乗車すると利用することができる。同じ列車を久宝寺連絡おおさか東線経由で利用した時より同志社前~木津間では大和路線廻りの方が速く到着することができる。

一方、5月20日は代行バス・タクシーを一切行わず、列車の運休のみ行われ初電繰り上げを実施する。ただ5月20日日曜日も一部列車で時刻変更を実施したり増発を実施することから、初電では上り(木津方面)が京橋5時10分発普通木津行きが京橋→徳庵間で運休となることから初電が京橋5時34分発普通木津行きに24分繰り下がり(鴫野から先時刻繰り下げ)、下りが放出4時56分発普通京橋行きから臨時増発される四条畷5時14分発普通京橋行きが初電となり、放出で32分、住道で22分、四条畷で21分初電が繰り下がることとなった。この初電繰り下げにより本来四条畷~鴫野間の各駅から利用できる新大阪6時00分発東海道新幹線「のぞみ200号」東京行きおよび新大阪6時00分発山陽新幹線「みずほ601号」鹿児島中央行きが5月20日のみ6分遅い電車で利用可能となる。この臨時列車は京橋で3分接続で大阪環状線内回り(大阪・西九条方面)に接続できることから、どうやら5月20日のみ四条畷発京橋行き臨時初電を設定したのは、工事時間をできるだけ長くし新幹線の初列車にギリギリ乗れる列車を設定するためであるのだろう。




2. 史上初!おおさか東線内完結快速の運転

過去の学研都市線運休に際し他鉄道会社に振替輸送を要請したのは6回中3回で、特に当時の大阪市交通局の代行輸送は終電後に地下鉄中央線森ノ宮~高井田間でノンストップ臨時列車を運転し、学研都市線の本来の最終列車まで運転し続けた。しかし今回の学研都市線運休に伴う振替輸送では、大阪市交通局が民営化してOsaka Metro(大阪メトロ)となったのもあり、終電後の地下鉄中央線ノンストップ列車の運転を取りやめてしまった。そこで今回の学研都市線運休では学研都市線の終電需要を図るため、史上初となるおおさか東線線内完結の快速列車が運転されることとなった。

今回の学研都市線運休に伴うおおさか東線臨時列車運転では、おおさか東線で終電繰り下げを実施する。おおさか東線の終電は下り(久宝寺方面)が放出23時43分発普通久宝寺行きであるが、5月19日土曜日のみ木津22時52分発普通放出行きからの接続を受けるため、本来の終電の後に放出23時57分発普通久宝寺行きを運転する。




一方上り(放出方面)の終電は久宝寺23時18分発普通放出行きとなっているが、今回の学研都市線運休に伴い迂回ルートとして振替輸送を実施することから、本来の終電の後に3本、久宝寺発放出行き快速列車を3本運転する。設定されるのは久宝寺23時37分発、24時05分発、24時35分発の快速放出行きで、途中停車駅は久宝寺を出ると、高井田中央と終点放出のみで、それ以外の通過駅は従来通りの終電となる。このおおさか東線快速放出行きは終点放出で全て学研都市線普通列車に接続し、始めの2本は普通京田辺行き、最終の1本のみ普通松井山手行きに連絡となる。今回の停車駅設定で朝夕に運転される直通快速と異なり高井田中央に停車したのは、振替輸送を実施している地下鉄中央線からの連絡も兼ねているからなのであろう。

しかしここで疑問が生じる。おおさか東線では2008年3月15日の開業当初より大和路線や学研都市線と直通する直通快速を朝夕に合計4往復運転してきたが、車両は223系→207系または321系で全てJR西日本設立後に製造された車両での運転となっている。一方で普通列車は201系または103系6両編成による運転で、103系6両編成は2017年内に大阪環状線への323系導入に伴う201系の転出車で置き換えられたが、依然国鉄時代に製造された201系での運転が続いている。ただ、今回学研都市線運休に伴い臨時運転されるおおさか東線快速列車は運用上201系6両編成による運転の可能性が高い。奈良支所所属の201系も方向幕の3色LED化が進んでいること、大和路線では快速運用があることなどから、201系によるおおさか東線快速の運転が実現されるのではないだろうか。そうなると、大阪環状線の201系置き換え本数を考えても2019年3月におおさか東線が新大阪延伸する際に201系が定期列車としておおさか東線快速で運用される可能性があるものと思われ、もし201系の快速運転がおおさか東線でも実施されるとかつてはJR東日本の中央線快速や京葉線で実施されていた広範囲に及ぶ快速運転が縮小し、現在では大和路線・和歌山線くらいしか残っていないが、また範囲が拡大するとになりそうだ。そうなると、今回の学研都市線運休に伴うおおさか東線臨時快速運転はその予行演習も兼ねているのかもしれない。


3. 結び

今回の2018年5月19日~5月20日JR西日本学研都市線運休に伴う臨時列車運転では、おおさか東線新大阪~放出間延伸工事の進捗に伴い、学研都市線京橋~放出間で運休し、様々な振替輸送を実施する。特に今回の振替輸送では大阪市交通局がこれまで実施していた地下鉄中央線のノンストップ臨時列車の運転を実施しなくなったことから、おおさか東線で臨時快速を運転することとなった。

2019年3月のおおさか東線新大阪開業によりどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

コメント

  1. あっしゅ より:

    これですが、迂回ルートとなる大阪環状線や大和路線でも最終列車の繰り下げを行うかどうかにも注目したいですね。

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