JR西日本は2019年7月24日、プレスリリースにて2019年9月1日に広島支社管内でダイヤ改正を行うと公表した( 2019年秋 広島地区一部ダイヤ改正について )。今回はこれについて見ていく。
1. 山陽線五日市方面は増発へ
今回の2019年9月1日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、2019年3月16日ダイヤ改正以来約5か月半ぶりにダイヤ改正を実施する。
もともとJR西日本では例年3月のダイヤ改正の他に概ね10月頃に微調整を行っている。しかし本年2019年は9月に運転本数の増減を伴うダイヤ改正を行うこととなった。
そもそも前回の2019年3月16日ダイヤ改正は、水害前の運転本数に戻すことと新型車両227系への統一が目的であった。2015年3月14日ダイヤ改正より105系などの2両編成は227系2両編成、103系などの3両編成は227系3両編成で置き換えていったが、山陽線を中心に運転していた115系4両編成は3両編成への置き換えが中心とされた。
もちろん朝のラッシュ時となれば4両+4両の8両編成から3両+3両の6両編成に短縮してしまうと大きく輸送力が落ち込むので、3両+2両+2両の7両編成とすることなどで輸送力の減少を抑えてきたが、車両更新と共に減車を図りたいというのがJR西日本の思惑であった。
確かに呉線や山陽線西条方面ではやや空席があったので、多少減車しても問題にはならなかった。しかし需要が近年延びていた山陽線五日市方面や可部線では減車があだとなってしまったのである。
そのようなことから、今回の2019年9月1日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、山陽線と可部線で輸送力増強が図られている。
まずは山陽線。夕方に広島~五日市間で2往復増発する。このうち1本は白市17時56分発広島行きを五日市行きに延長する。平日夕ラッシュ時18時台は毎時8本から毎時10本に増発する。平日朝ラッシュ時の五日市→広島ですら毎時9本なのにそれより多い毎時10本で運転しようというのだ。
これは、JR西日本広島支社管内の山陽線・呉線では平日夕ラッシュ時は原則昼間と同じ両数で運転するが、平日朝ラッシュ時のみ増結して最大8両編成で運転するためである。これは昼間から平日夕ラッシュ時にかけて広島駅で増結を行うとそれだけで費用が掛かってしまうため、合理化のために増解結は朝の折返し時や車庫でのみ行うこととしているようだ。このため輸送力としては平日夕ラッシュ時より平日朝ラッシュ時の方が上回っているのは変わりはない。
2019年10月1日より広島電鉄が路面電車区間と宮島線を跨いで利用する際に10円値下げすることとなる見込みであることから、それに対抗して運転頻度を増加させようとしている意図もあるのではないだろうか。
このほかに可部線で平日夕ラッシュ時に3両から4両へ増結が図られるとしているが、227系導入前は105系などが4両編成で運転していた列車であるため、4両から3両への復帰が正しい表現となるのであろう。
なおこれらの状況が勘案され、山陽線快速シティライナーが再び運転させることを検討しているようだ。山陽線快速シティライナーは2016年3月26日ダイヤ改正で名称上復活したが、広島市内主要駅に停車しないかつ山陽新幹線との接続も良くなく、2017年に事実上廃止に追い込まれてしまった。もし再び復活するのであれば、広島~岩国間の運転でかつ新白島や西広島など広島市街地へのアクセスのよい駅には停車させるのだろう。
2. 運用繰りで山陽線西条方面は減便へ
また今回の2019年9月1日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、運用繰りの関係で運転本数の見直しも実施される。
削減されるのは広島~山陽線~糸崎間の1往復で、広島発15時台の西条方面電車が毎時5本から毎時4本に削減される。なお削減対象の糸崎18時01分発の電車は五日市行きであるが、広島→五日市間では存続する見込みだ。
このほかにも三原で山陽線から呉線への接続が改善されるようだ。
3. 結び
今回の2019年9月1日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、227系への置き換えに伴う減車を置き換える形で輸送力の増強が図られた。
一方、運用繰りの関係で需要の低い列車に着いて見直しが実施されている。
混雑が続く山陽線五日市・岩国方面へは快速列車の復活も再び検討されていることから、今後JR西日本広島支社でそのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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