JR西日本中国統括本部広島支社は2021年10月13日、プレスリリースにて10月~12月に芸備線で臨時快速列車庄原ライナーを運転すると公表した( 芸備線 広島~備後庄原駅間 快速「庄原ライナー」の運転について )。今回はこれについて見ていく。
1. 新設による臨時列車運転へ!
今回の2022年10月~12月JR西日本中国統括本部広島支社臨時列車運転では、芸備線に快速庄原ライナーを設定する。
快速庄原ライナーを運転し始めたのは2019年10月に芸備線全線運転再開時で、それ以降毎年10月~12月に臨時快速列車として設定してきた。
が、いずれも広島10時05分発快速みよしライナー三次行きを備後庄原延長して庄原ライナーとして運転するものであり、増発しているのは三次~備後庄原間のみであった。
今回の2022年10月~12月JR西日本中国統括本部広島支社臨時列車運転では、快速庄原ライナーを10月22日~12月11日の毎土休日に運転する。が、従来快速運転のない広島7時33分発に約2時間30分繰り上げて設定するため、広島~備後庄原間の全区間で増発することとなった。
この列車、山陽新幹線新大阪6時00分発「みずほ601号」からギリギリの接続で、関西からは一番列車でないと間に合わない。そう考えるともはや広島市民が三次・庄原を目指すために設定した列車と言えるだろう。
なお設定は片道だけとなっており、帰りも芸備線を利用する場合は三次での乗り換えが必須となる。そうなると毎時1本運行の備北交通の高速バスで広島バスセンターや広島駅新幹線口に行くのが楽であること、広島~三次間ではバス&レールどっちも割きっぷを発売していることを考えると、行きは芸備線快速庄原ライナー利用、帰りは備北交通高速バス利用を考えているのではないだろうか。
2. 備後落合~新見間の増発ならず
今回の2022年10月~12月JR西日本中国統括本部岡山支社・広島支社臨時列車運転では、芸備線備後庄原~備後落合~備中神代~新見間の臨時列車の運転はない。
もっともこの中にはJRで最も輸送密度の低い備後落合~東城間を含んでいるが(なお日本で最も輸送密度が低い鉄道は紀州鉄道の4人/日・往復)、前年2021年までは毎年恒例の臨時列車を設定していたにもかかわらず今回の2022年の臨時列車運転では設定しないのである。
もっとも輸送密度の低い芸備線備後庄原~備後落合~備中神代間は廃線を検討する段階に入っているのだろうが、三次~備後庄原間は高速バスが毎時1本、路線バスが平日は毎時2本、土休日は毎時1本運行があることから流動が多いし1970年代は志和口~三次間よりも三次~備後庄原間の方が輸送密度が高かったほどである。
そう考えると今回の芸備線快速庄原ライナーの設定は、芸備線の廃線提起区間を三次~備中神代間にするのか、それとも備後庄原~備中神代間にするのかを見極めようとしているのではないだろうか。
そう考えると今後の芸備線臨時列車の設定は広島~備後庄原間直通のものが多くなるだろうし、今後の展開によっては三次での系統分割をやめる可能性はなくはないだろう。
3. 結び
今回の2022年10月~12月JR西日本中国統括本部広島支社臨時列車運転では、4年連続で快速庄原ライナーを運転することとなった。
今後JR西日本中国統括本部でどのように路線廃止を行い合理化を図るのか、そしてどのように臨時列車を設定するのか、見守ってゆきたい。
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