JR西日本米子支社は2021年8月24日、プレスリリースにて8月24日より山陰本線江南~田儀間で運転を見合わせバス代行輸送を行うと公表した( 出雲市~大田市間列車・バス代行時刻表 温泉津~田儀間臨時列車運転時刻 )。さらにJR西日本米子支社は2021年8月20日、プレスリリースにて2021年10月~2022年2月に山陰本線と山口線で集中工事の実施に伴い昼間に運休すると公表した( 2021年10月~2022年3月 山陰線、山口線における昼間時間帯の集中工事の実施について )。今回はこれらについて見ていく。
1. 不通により特急運休と代行バス運転へ
今回の2021年8月JR西日本米子支社臨時ダイヤ運転では、山陰本線江南~田儀間不通に伴いバス代行輸送を行う。
そもそも山陰本線は2021年8月23日午前に復旧していたのだが、翌24日に小田~田儀間で崖上を通る国道9号線が危険であることから約40分程度の遅れを伴う徐行運転を開始、その後24日午後に江南~田儀間で運転を見合わせるとした。これに伴い江南~田儀間で代行バスを運転することとした。
出雲市~大田市間では本来普通列車を1日16往復運転しているが、今回の臨時列車運転では出雲市~江南間で1日12往復に、田儀~浜田間で1日13往復に減便することとなった。なおこの列車削減により快速アクアライナーは田儀~大田市間で各駅に停車する。このほか運用繰りが追い付かないため昼間の快速アクアライナー5本を運休することとした。
また特急列車も一部で運休する。本来出雲市~大田市間は「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」合わせて1日7往復の特急列車を運転しているが、出雲市~大田市間で運休する。
これにより車両繰りができなくなるため米子~出雲市間では本来1日7往復の特急列車の運転があるところを4往復に減便するほか(なお9月1日より5往復に復便)、大田市~浜田間は1日7往復から1日2往復に減便、浜田~益田間は1日7往復から1日4往復に減便することとなった。なお特急「スーパーおき」は浜田~新山口間は通常運転と同様1日3往復で運転しているが、大田市に乗り入れるのは1往復のみとなっている。
1.1. 早朝に登校用列車運転へ!
ただ今回江南~田儀間で代行バスを運転することとなり所要時間が1時間程度伸びるようになった。このため松江市内の高校への通学列車であった浜田5時22分発出雲市行きの利用では間に合わなくなってしまったのである。
そこで運転見合わせの翌日より運転開始したのが温泉津5時23分発田儀行き臨時列車である。
この列車の設定より本来より1時間程度早い列車に乗らなければ行けなくはなるが、高校に行けないよりはマシではある。浜田始発ではなく温泉津始発としたのは、高校生の通学状況を鑑みて判断したのだろう。
これにより温泉津→大田市間では初列車が47分ほど、大田市→田儀間では初列車が24分ほど繰り上がることとなった。
ただ、江南でのバスから列車への乗り継ぎ時間に35分もかかるとしているのである。もっとも渋滞によるバス遅延により接続できないことがあってはならないので多少は致し方ないところはあるが、35分の乗り継ぎ時間はさすがに取り過ぎではないだろうか?田儀での列車からバスへの乗り換えも15分確保していることを考えると、もう少し接続時間を短縮して20分程度は繰り下げて運転できそうな気はするのだが。
2. 保守間合い拡大で列車運休へ
2021年10月~2月JR西日本米子支社臨時ダイヤ運転では、山陰本線や山口線で一部期間で昼間の列車を運休し集中工事を行う。
これまでJR西日本の昼間の保守点検・集中工事と言えば岡山支社管内で毎週水曜日に2往復程度運休して行ったり木次線などローカル線で運休を行ってきた。しかし旅客減による減収を昼間に長時間工事することにより照明や人件費の削減を図るためか、2021年から昼間の集中工事・保守間合いを大幅に拡大することとしたのである。
今回米子支社管内で集中工事に伴い昼間に運休するのは山陰本線益田~小串間と山口線益田~宮野間となっている。山陰本線は特急列車の運転していない区間に限定しているほか、山口線も山口都市圏の比較的利用の多い区間を外しており、ともに2019年度の輸送密度で1,000人/日・往復未満の線区のみを対象としている。
なお集中工事時間帯に運転する山口線特急「スーパーおき」は運休せずに通常運転を行うとしている。
集中工事に伴う昼間の運休は区間により実施日は異なるが、米子支社管内では原則火曜日~金曜日まで4日連側を2週間セットで行うことから、多くの区間で8日間にわたり昼間の列車を運休し8時間程度列車を運休するとしている。
このほか福知山支社管内でも山陰本線香住~浜坂間や播但線福崎~寺前間、広島支社管内では山口県内の山陽本線岩国~厚狭間で断続的に行う。山口県内山陽本線に関しては昼間の集中工事日が1日か2日程度なので他線区と比べれば比較的影響は少ないが、米子支社管内や福知山支社管内では4日連続で昼間の列車を運休することがザラになってしまっている。そう考えると今後も昼間の集中工事頻度は増えていき、昼間の列車化数時間来ない日が増えるのではないだろうか。
3. 結び
今回の2021年8月JR西日本米子支社臨時ダイヤ運転では、高校生の通学に間に合うよう早朝に1本増発して便宜を図ることとなった。
今後復旧に向けJR西日本米子支社でどのようなダイヤを組むのか、見守ってゆきたい。
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