京急電鉄は2022年1月25日、プレスリリースにて2月26日にダイヤ改正を行うと公表した( 京急線ダイヤ改正を実施します )。また東京都交通局は2022年1月25日、プレスリリースにて2月26日に都営浅草線でダイヤ改正を行うと公表した( 都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーのダイヤ改正について )。今回はこのうち京急電鉄と都営浅草線について見ていく。
2022年2月京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道ダイヤ改正はこちら!
1. 平日に減車実施へ
今回の2022年2月26日京急電鉄ダイヤ改正では、2021年10月18日京急電鉄ダイヤ変更以来約4か月ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では平日に列車種別の格下げを行う。
京急電鉄では平日品川17時35分発~20時47分発の横浜方面快特は全て12両で運転している。しかし特急は神奈川新町の下りホームのホーム長の関係上8両でしか運転できない。
つまり今回の泉岳寺19時25分発快特三崎口行きの特急格下げは、列車種別の格下げ以上に12両から8両への減車という輸送力減少を意味しているのである。
このほか今回のダイヤ改正では京急蒲田5時19発普通羽田空港行きを品川5時09分発特急羽田空港行きに延長することとなったほか(なぜか立会川に停車するエアポート急行ではない)、羽田空港からの都営浅草線最終連絡列車を羽田空港23時40分発から土休日と同時刻の23時34分発に6分繰り上げることとなった。
また終電も駅によって1分~2分程度繰り上げることとなった。
なお1000系1800番台L/C車の増備が続いているが、今回のダイヤ改正では平日朝運転の座席指定制列車「モーニング・ウィング号」の8両から12両への増結拡大は行わない。
また平日夜間運転の座席指定制列車「イブニング・ウィング号」は2020年より品川22時17分発と23時00分発の2本を運休しているがそのまま廃止、品川21時47分発も廃止し「ウィング号」の最終を21時05分発とする。
2. 減車実施で土曜ダイヤ完全消滅へ
今回の2022年2月26日京急電鉄ダイヤ改正では、2021年10月18日京急電鉄ダイヤ変更以来約4か月ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では一部の列車で減車を行う。
京急電鉄では土曜と日曜休日は同じ時刻で運転しているが、土曜日は朝6時台~8時台に都営浅草線直通列車7本にて金沢文庫→品川間で12両運転を行っている。が、今回のダイヤ改正により日曜休日同様全区間8両での運転となり、土曜ダイヤ専用の増結を取りやめることとしたのだ。
この土曜日の増解結取りやめで金沢文庫での土休日朝の増解結に必要な時間3分を確保する必要がなくなる。これにより金沢文庫以南で土休日朝の特急及び金沢文庫や堀ノ内で特急の待ち合わせを行う普通の運転時刻が2分程度繰り下がる見込みだ。
これにより土曜専用運用が全て消滅し、土曜ダイヤが完全消滅することとなった。
また今回のダイヤ改正では、土休日ともに12両で運転する泉岳寺行き快特計4本の12両運転区間を金沢文庫→京急川崎間から金沢文庫→品川間に拡大する。
そもそも京急川崎で4両を切り離していたのは切り離し後京急蒲田まで回送したのち、品川~京急蒲田間の4両普通毎時3本として運転していたためであるが、2020年4月より無期限運休となったことからわざわざ京急川崎で解結する必要がなくなってしまった。これにより12両運転ができる品川まで12両運転区間を拡大することになったものである。これにより前8両の混雑緩和が見込めそうだ。
なお土曜日は品川7時47分発から9時28分発までの横浜方面快特のうちおよそ半分の6本で12両運転を行っているが、今回のダイヤ改正より品川9時50分発から10時51分発までの快特のうちおよそ半分の4本にまで減少する。なお品川発の12両増結は休日にも実施することになるため設定日を増加することにはなる。
一応土休日ダイヤの12両運転は4往復残ることにはなったが、今後の展開によっては土休日の12両運転の全面取りやめがあってもおかしくはなさそうだ。
3. 特急抜かしの特急登場へ!
今回の2022年2月26日京急電鉄ダイヤ改正では、土休日ダイヤにて特急抜かしの特急が誕生する。
特急は原則先着であるが、平日朝夕に特急三崎口行きが京急久里浜で京急久里浜行き快特を待つ際と、平日朝の逗子葉山始発特急6本中4本が金沢文庫で特急金沢文庫行きから直通して快特に種別変更する際に抜かされることがある。が、特急同士の待ち合わせは基本的に行っていない。
しかし今回のダイヤ改正では泉岳寺23時20分発エアポート急行羽田空港行きを泉岳寺23時21分発特急逗子葉山行きに格上げするのだが、これまでと同様の終電時間に設定するため金沢八景で特急京急久里浜行きの待ち合わせを図ることになったのである。つまり土休日深夜に金沢八景で特急が特急を抜くことになるのである。
このほか今回のダイヤ改正では土休日ダイヤにて品川21時47分発特急三崎口行きを品川21時46分発快特京急久里浜行きに短縮する。が、この運転区間短縮に合わせ1本前を走る特急三崎口行きが京急久里浜で快特の待ち合わせを行うため京急久里浜で8分程停車することとなった。これにより京急久里浜→三崎口間で1本を削減する。
4. 羽田空港発着の一部列車で種別格下げ実施へ
今回の2022年2月26日京急電鉄ダイヤ改正では、土休日に羽田空港発着の一部列車で種別格下げを実施する。
まずは朝。平日同様京急蒲田5時19分発普通羽田空港行きを品川5時09分発特急羽田空港行きに延長する。なぜかエアポート急行ではなく立会川を通過する特急で設定しているのはやや謎だが、利便性は向上していると言えよう。
また品川方面快特・エアポート快特のうち6本をエアポート急行に格下げする。
今回格下げするのは泉岳寺・品川を5時台・6時台に出発する快特・エアポート快特各1本ずつと、羽田空港を9時台及び22時台に出発する品川方面都営浅草線直通の快特4本である。
このうちエアポート快特から格下げした泉岳寺6時47分発エアポート急行羽田空港行きは京急蒲田で後続の泉岳寺6時53分発特急京急久里浜行きに抜かれる始末である。
このほは金沢文庫5時43分発特急羽田空港行きを金沢文庫5時33分発エアポート急行羽田空港行きに格下げする。これにより上大岡で快特に抜かれる見込みだが(なおこの快特が上大岡で抜かしていた普通は南太田での追い抜きに変更見込み)、横浜方面特急のエアポート急行への格下げは京急東神奈川での横浜線乗り継ぎの向上も含んでいるので、利便性の向上と言ってもいいだろう。
このほか土休日深夜には泉岳寺からのエアポート急行羽田空港行きのうち21時台と22時台の各1本ずつ計2本を特急京急久里浜行きに変更するとしているが、恐らく後続の特急久里浜行きと統合するため事実上の2本減便となるのではないだろうか。
同様に先述した泉岳寺23時20分発エアポート急行羽田空港行きの特急逗子葉山行き最終への変更も、逗子葉山行き最終として運転している羽田空港23時15分発エアポート急行逗子葉山行きの全区間廃止を兼ねている可能性が考えられそうだ。
5. エアポート快特の削減と昼間に減便へ
今回の2022年2月26日都営浅草線ダイヤ改正では、昼間に大幅な変更を行う。
都営浅草線では2014年11月18日ダイヤ改正より種別格上げにより昼間のエアポート快特を40分間隔から20分間隔に倍増していた。しかし今回の2022年2月26日ダイヤ改正で昼間のエアポート快特を20分間隔から40分間隔に戻し、約7年3か月前と同様に戻すこととなった。これにより京急線内快特・都営浅草線内エアポート快特で運転する列車がなくなるみこみだ。
もっともエアポート快特から各駅に停車する列車に格下げするだけなので、昼間の押上~泉岳寺間の列車の合計は毎時12本であることには変わりないし、エアポート快特通過駅は乗車チャンスが増えたことになる。これ自体は利便性が向上したということもできるだろう。
ただ、今回の2022年2月26日都営浅草線ダイヤ改正はそれだけにとどまらない。今回のダイヤ改正では泉岳寺~西馬込間で昼間毎時9本から毎時6本に減便し、輸送力を33.3%減少させるのである。
もっとも昼間の泉岳寺~西馬込間は押上~泉岳寺間の列車に接続させるため均等6分40秒間隔ではなく5~10分間隔で運転していた。つまり今回のダイヤ改正で毎時9本から毎時6本に減便を行っても最大運転間隔は10分間隔であることには変わりない。
ただ途中山手線と乗り換えられる五反田を通るのに毎時6本しかないのかとも思うし、平日夕ラッシュ時に泉岳寺~西馬込間では毎時11本を運転するため昼夕輸送力比は81.8%から54.5%に大きく下がることになる。
ただ隣駅間輸送密度は最大でも60,152人/日・往復で(一応東急池上線よりわずかに多い)、昼間に1両当たり4,000人/日・往復運べるとすると毎時16両あれば足りてしまう。地域輸送性を考えても4両編成毎時4本で足りてしまうわけだから、昼間に毎時6本運転になっても致し方ないだろう。
6. 結び
今回の2022年2月26日京急電鉄ダイヤ改正では、平日は運転本数を据え置くものの減車を行うほか、土休日ダイヤは深夜を中心に羽田空港乗り入れ列車の削減を図るほか停車駅の拡大で利用の増加を図りたいようだ。
また車両増備を行ったにもかかわらず座席指定制列車「ウィング号」の増結は行わなかったほか、都営浅草線では泉岳寺~西馬込間で減便を図るなど輸送力調整も行っている。
今後京急電鉄や都営浅草線でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
コメント