京急電鉄は2024年10月22日、プレスリリースにて2024年11月23日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。
2024年11月23日京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道ダイヤ改正はこちら!
1. ウィング号京急蒲田・京急川崎・横浜から乗車可能に!
今回の2024年11月23日京急電鉄ダイヤ改正では、2023年11月25日京急電鉄ダイヤ改正以来約1年ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では平日夜間運転の「イブニング・ウィング号」を京急蒲田・京急川崎・横浜に増停車し乗車可能にする。これによりウィング号は快特と停車駅をそろえる。
品川駅はネット予約KQickのほか券売機でウィングチケットの購入が可能だが、京急蒲田・京急川崎・横浜から乗車する場合はネット予約KQickのみで発売となる。京急蒲田・京急川崎・横浜から乗車できる号車は4号車と5号車に限り、品川からは1号車~3号車と6号車~8号車しか乗せないことで分乗を図る。なお上大岡からの乗車は従来通り全車可能、料金不要となっている。
実際「イブニング・ウィング号」は乗車率6割程度だが、4両に減車するほどではないため増停車で8両分を埋めることとしたのだろう。
また前回の2023年11月25日ダイヤ改正で快特後ろ4両連結とした「イブニング・ウィング14号」「イブニング・ウィング16号」を金沢文庫行きから8両運転の三崎口行きに、品川発時刻を13分~14分繰り上げることで、1年前の状態に戻す。もっとも3両分程度しか利用がなかった4両運転の「イブニング・ウィング号」2本だったが、増停車することで5両分以上の乗車を見込むようだ。これにより「イブニング・ウィング号」は再び全便で電源コンセントなしに戻るほか、シートピッチも1090形4両の101cmから2100形8両の85㎝に戻る。
ただ、京急電鉄が着席保障列車「ウィング」号は本来上大岡以南から東京へ向かう通勤客が横浜でJR東海道線に逃げるのを防ぐために設定した列車である。横浜に停車したら効果が薄まってしまうではないか。
もっとも京急電鉄はかつては横浜で一度降りた方が運賃が安くなることがそこそこあったほか、品川~横浜間ではJR東海道線の方が普通運賃で10円安く、通勤定期も安く抑えられている。このため横浜でJR東海道線に乗り換える方が安く済んでいた。
が、2023年10月1日運賃改定で40km以内で値上げ、40km超で値下げを図った。このため横浜駅でJR東海道線に乗り換えるよりも京急で品川まで乗りとおした方が安くなることから2019年比で横浜~戸部間で輸送密度は減少しているのに対し品川~北品川間では増加し、ついには京急隣駅間輸送密度1位が横浜~戸部間から品川~北品川間に移っている。
京急電鉄としては運賃改定で平均乗車距離を伸ばし増収していることから、ウィング号が京急蒲田・京急川崎・横浜停車となっても問題ないと判断したのだろう。
2. 羽田空港発品川行き深夜快特復活へ!
また今回の2024年11月23日京急電鉄ダイヤ改正では、羽田空港発品川行き深夜快特を復活する。
京急電鉄では2022年11月26日の昼間特急復活ダイヤ改正にて平日は羽田空港23時59分発エアポート急行品川行き、土休日は羽田空港23時59分発快特品川行きを廃止し羽田空港発品川行き最終を23時5分発から23時48分発に終電を11分繰り上げている。
今回の2024年11月23日ダイヤ改正では平日・土休日ともに羽田空港24時05分発快特品川行き最終を増発、羽田空港から品川への最終列車を17分繰り下げることとした。
途中京急蒲田では普通京急川崎行き最終列車に乗り換えることができるが、普通品川行き最終は営業を終了しているので梅屋敷~北品川の各駅へは周辺駅から歩くほかない。また蒲田徒歩連絡で東急池上線雪が谷大塚行き最終と東急多摩川線多摩川行き最終に乗車することができる。
また終点品川では品川24時25分発東京・上野方面池袋行き最終列車に乗り換えることができる。羽田空港からの深夜の東京へのアクセスとして利用できそうだ。
3. 早朝深夜に横浜方面急行増発へ!
また今回の2024年11月23日京急電鉄ダイヤ改正では、横浜方面急行を土休日早朝深夜に増発する。
今回増発するのは金沢文庫6時01分発急行羽田空港行き、羽田空港22時21分発急行金沢文庫行き、羽田空港22時48分発急行金沢文庫行きの3本となっている。
これらの増発で本線特急や空港線の混雑分散を図る見込みだ。
このほか平日神奈川新町5時19分発特急青砥行きは京成押上線内での減便の影響で押上6時11分発アクセス特急成田空港行きと統合、特急成田空港行きに延長する。
京急バスたかとり団地循環線の終日毎時4本への増発は一体何だったんだろか。
4. 平日夜間に快特から特急に繰り下げへ!
(2024.11.16 追記)また今回の2024年11月23日京急電鉄ダイヤ改正では、平日夜間の快特3本を特急に格下げする。
今回格下げるのは品川20時58分発快特三崎口行き、品川21時19分発快特三崎口行き、品川21時37分発快特三崎口行きの2本で、これらの快特から特急への格下げ列車は品川発時刻が最大2分繰り上がる。
このうち2本は後4両「イブニング・ウィング号」金沢文庫行きを増結している列車で、今回のダイヤ改正でウィング号単独運転に戻ることから8両に減車しており、8両であれば特急運転が可能なことから格下げしたのだろう。
このほか品川21時20分発普通堀ノ内行きは普通京急久里浜行きに延長する。
5. 平日の大師線終電繰り下げへ!
また今回の2024年11月23日京急電鉄ダイヤ改正では、大師線の終車を繰り下げる。
大師線は2020年以前から平日の最終列車は京急川崎24時03分発小島新田行きとしていた。が、今回のダイヤ改正で平日に限り最終列車を繰り下げ、京急川崎24時17分発小島新田行きを最終とする。
これにより平日は大師線の終車を14分繰り下げるほか、品川からの大師線小島新田行き最終接続を品川23時45分発特急逗子葉山行き最終から品川24時02分発特急金沢文庫行き最終に17分繰り下げる。
なお土休日の大師線終車は京急川崎23時48分発小島新田行きのまま変わりない。
6. 結び
今回の2024年11月23日京急電鉄ダイヤ改正では、早朝深夜に増発し終電を繰り下げるに至った。
ただ朝昼夕はほとんど変わっておらず、土休日を中心とした輸送力不足には対応しきれていない。
今後品川駅や泉岳寺駅、羽田空港駅の折り返し増強を図る中、京急電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
2024年11月23日京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道ダイヤ改正はこちら!
関連情報:京急線ダイヤ改正のお知らせ – 京急電鉄
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