京急電鉄は2024年8月現在、京急電鉄では久里浜線で乗車位置目標の書き換えを行っている。今回はこれから2024年11月に実施するであろう京急電鉄ダイヤ改正について予測していく。
1. 三崎口まで4両・6両乗り入れへ!
京急電鉄では2023年11月25日京急電鉄ダイヤ改正以来約1年ぶりにダイヤ改正を行う見込みだ。
今回の2024年実施予定の京急電鉄ダイヤ改正に向けて、少なくとも久里浜線京急久里浜~三崎口間に4両および6両乗車位置目標を新設している。
そもそも久里浜線京急久里浜~三崎口間はほとんどの列車が8両編成での運転で、ウィング号・快特または特急のみの運転となっている。このため普通電車は京急久里浜までしか乗り入れず、普通電車で運用する4両編成や6両編成の乗り入れもない。よって京急久里浜発三崎口行き全駅停車列車は特急として運転する。
唯一の例外は2021年5月6日京急電鉄ダイヤ改正から着席保証列車三浦海岸6時09分発「モーニング・ウィング3号」品川行きが金沢文庫→品川間で8両から12両に増車、その分三浦海岸→金沢文庫間は4両に減車したため平日に1本だけ4両編成の運転がある。ただこれは着席保障列車で着席する人が少ない区間での措置であるため極めて例外だ。
ではなぜ久里浜線京急久里浜~三崎口間に4両編成と6両編成の停止位置目標を新設しているのか、そして2024年11月に実施するであろう京急電鉄ダイヤ改正でどのような変化をするのか、考察していこう。
2. 京急久里浜~三崎口間に4両折り返し普通導入か!
まず1つ考えられるのが、京急久里浜~三崎口間の列車の系統分割と4両への減車である。
現在三崎口発着の列車は原則品川まで直通しているが、先述したように快特や特急などの速い列車であるがゆえに原則8両編成での運転となっている。これを4両編成に減車できれば動力費を削減することができる。
また近年の京急電鉄の昼間の減車事例では、2022年11月26日京急電鉄ダイヤ改正にて逗子線直通急行が昼間毎時6本から毎時3本に半減し救済として逗子線内金沢文庫~逗子葉山間で毎時3本運転しているが、急行時代の6両または8両から4両に減車している。特に終点逗子葉山駅はホーム両端に北口と南口があるため両出入口から遠くなってしまった。利便性を欠いてでも減車したいという思惑はあるだろうから、京急電鉄が久里浜線で系統分割・減車してもおかしくはない。
とはいえ土休日昼間は沿線の反対もあり毎時6本の運転を維持している。そうなると平日昼間に京急久里浜で系統分割、京急久里浜~三崎口間で4両普通電車による運転に系統分割しようとしているか、土休日昼間毎時6本中毎時3本を京急久里浜で系統分割し4両普通車の折り返し運転とするのではないだろうか。
ただ土休日昼間は沿線の反対で毎時3本に減便することはないだろうし、少なくとも毎時3本の横浜・品川直通は残すだろう。
なお国土交通省令では4両以下であれば特段の設備がなくても電車のワンマン運転を行えるとしている。久里浜線京急久里浜~三崎口間は1963年~1975年に開業した新線で、ホームはすべて直線のためワンマン運転を行っても安全確認がしやすい。そう考えると京急久里浜~三崎口間を昼間に折り返し4両編成に置き換えることで将来的なワンマン運転を計画しているのかもしれない。
3. 平日朝の6両編成普通の三崎口乗り入れ拡大へ!
また今回の2024年11月京急電鉄ダイヤ改正では、6両編成の三崎口乗り入れを開始する見込みだ。
久里浜線では平日朝に7往復、京急久里浜始発終着の6両普通車の乗り入れがある。これと三崎口始発終着の特急と交換し、6両普通車を三崎口始発、8両特急を京急久里浜始発とすれば京急久里浜〜三崎口間で7往復を8両から6両に減車することができ動力費の削減につなげることができる。置き換えてもおかしくないだろう。
4. 平日朝に堀ノ内~京急久里浜間で減便か!
また今回の2024年11月京急電鉄ダイヤ改正では、堀ノ内〜京急久里浜間で減便する可能性がある。
そもそも2022年以降京急電鉄ではしれっと堀ノ内以南で減便しており、平日夜間には特急京急久里浜行きを特急浦賀行きに変更し普通浦賀行きを普通堀ノ内行きに短縮することで堀ノ内〜京急久里浜間で減便している。
これを平日朝にも実施して京急久里浜始発の特急を浦賀始発に、浦賀始発の普通を堀ノ内始発にすれば同じく堀ノ内〜京急久里浜間で減便ができる。そもそもこんなに京急久里浜始発が多いのは横須賀中央から出る電車を多くするためであるので、京急久里浜時点で減便しても横須賀中央時点で減便していなければ問題はない。むしろ京急久里浜始発を減らして「モーニングウィング号」を京急久里浜増停車とすれば座席指定券1人あたり300円を増収できうる。
ただ、そもそも金沢文庫~堀ノ内間の特急通過駅4駅のホームを6両から8両に伸ばして特急を金沢文庫以南全駅停車にすれば平日朝夕の金沢文庫~浦賀・京急久里浜間の普通車を削減できるので大きく運用削減ができるのだが。
5. 横須賀・久里浜に急行乗り入れで逗子線を特急に置き換えか!
今回の2024年11月の京急電鉄ダイヤ改正では、横須賀中央・逗子葉山方面で昼間の行先変更を行う可能性がある。
京急電鉄では平日朝夕と土休日朝こそ品川〜金沢文庫間の快特・特急は私鉄最長の12両運転を行っているが、品川〜金沢文庫間では昼間、それ以外の区間では終日、快特・特急は全て8両で運転している。
一方本線普通車は平日朝は6両運転で、平日夜間も原則6両運転だが、昼間は一部に4両運転がある。
一方急行は平日朝は運転がないものの、それ以外の時間帯で8両または6両で運転している。急行の両数にばらつきがあるのは、平日朝に毎時9本で運転していた普通車の編成で運転する列車だけでは足りず、平日朝に使った快特・特急用8両固定編成や快特・特急の8両から12両への増結用4両編成を2本つなげた8両編成での運転もある。
このため、6両乗車位置目標は普通車のみならず急行にも使われる。このことから今回の久里浜線京急久里浜〜三崎口間の6両乗車位置目標は普通車ではなく急行が使うかもしれないのだ。
もし久里浜線三崎口まで急行が乗り入れるとどうなるのか。
そもそも横浜方面急行は原則羽田空港〜逗子葉山間の運転となっているため、金沢八景以南横須賀中央方面・久里浜線へは乗り入れない。横須賀中央方面へは昼間は8両編成の快特毎時3本、特急毎時3本、6両または4両の普通毎時6本でも十分運びきれているし、平日昼間は快特・特急ですら空席が出るほどガラガラである。
そこで金沢八景以南で昼間に8両特急と6両または8両の急行を交換してしまえば、距離の短い逗子葉山発着に8両特急を、距離の長い三崎口発着に6両編成の入りうる急行を投入すれば、車輌走行キロによる動力費削減を行えるし平日は十分座れるので問題がない。
しかも特急と急行は昼間は金沢文庫または金沢八景で対面乗り換えできるため横須賀中央方面への利便性にも影響しない(そして横須賀方面はJR横須賀線は遠回りで昼間は逗子乗り換えが多いので、品川直通が昼間毎時3本に減ろうが客は逃げやしない)。いやむしろ逗子葉山から昼間に品川方面特急を運転すれば品川・新橋まで直通、横浜までも直通で速達で結ぶためJR横須賀線と競合できる。メリットも多いのだ。
そうなると、今回の2024年11月京急電鉄ダイヤ改正で昼間の特急を三崎口発着から逗子葉山発着に、急行を逗子葉山発着から三崎口発着に変更してもおかしくはない。
一方平日夕方は金沢文庫で急行逗子葉山行きが快特京急久里浜行きに抜かれるため、急行と交換するとしたら金沢文庫で連絡する快特と交換することになってしまう。流石にそれでは追浜・汐入の増停車はさけられないためあり得ないだろう。
6. 横須賀・久里浜に急行乗り入れで停車駅はどうなる?
では今回の2024年11月京急電鉄ダイヤ改正で急行が昼間は逗子線逗子葉山発着から久里浜線三崎口発着に置き換わるとして、新たに急行が乗り入れる金沢八景〜三崎口間の停車駅はどうなるのだろうか。
まず、急行の上位種別である特急停車駅には停まるだろうから、金沢八景をでたら追浜、汐入、横須賀中央、堀ノ内から終点三崎口まで各駅に停車するだろう。
ただもし急行の設定で普通車毎時6本のうち毎時3本を減便する場合、救済として増停車を図る可能性がある。もっともJR横須賀線が逗子〜横須賀〜久里浜間は昼間毎時3本なので、毎時3本の乗車チャンスがあれば地域輸送性は確保されると言われればそれまでだが。
そもそも特急通過駅となるのは京急田浦、安針塚、逸見、県立大学の4駅のみで、2019年度の乗降人員は15,000人以下となっている。とくに安針塚と逸見は6,000人を割っており、京急の乗降客数ワースト10入りしている。はっきり言って昼間毎時3本でも問題はない。
そうなると急行増停車の候補になるのは京急田浦と県立大学になるのだが、いずれも平日昼間毎時3本しか来ない久里浜線YRP野比やJR横須賀線衣笠駅に敵わない。そう考えると昼間毎時3本に減便しても問題はなさそうではある。
もっとも救済して増停車を図ろうものなら、ホームを6両分から8両分に伸ばさなくてはならない。急行は6両または8両の運転だが、都営車8両固定編成での運転がある以上ホームを8両まで伸ばさなくてはならない。平日の急行は6両運転を多くしているが、8両が混ざる以上増停車するのであればホームを伸ばす必要があるだろう。
そう考えると急行が久里浜線まだ乗り入れたとしても金沢八景以南の停車駅は特急停車駅と同一にせざるを得ないだろう。
7. 結び
今回の2024年11月実施予定の京急電鉄ダイヤ改正では、久里浜線で京急久里浜で系統分割する可能性がある。
また昼間は金沢八景以南で特急と急行を入れ替え、特急を逗子葉山発着に、急行を三崎口発着とすることで車両走行キロを削減する可能性がある。
今後ワンマン化を検討している京急電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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