近畿日本鉄道は1月18日、プレスリリースにて2018年3月17日にてダイヤ変更を行うと公表した( 2018年のダイヤ変更について )。今回はこのうち、近鉄奈良線・京都線・南大阪線系統について見ていく。
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1. 奈良線系統で終電繰り下げ
今回の2018年3月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、各方面で終電の繰り下げを実施する。奈良線系統では、大阪難波23時40分発最終快速急行近鉄奈良行きが大阪難波23時45分発急行近鉄奈良行きとなり、5分繰り下げられ布施・石切に停車する急行に格下げされることとなった。なお奈良線では大阪難波23時台発の快速急行を平日は全て急行に格下げすることとなった。この格下げに伴う準急以下の行先変更や種別格下げは行われない模様で、近鉄奈良行き最終列車も大阪難波23時55分発区間準急近鉄奈良行きのまま変わらないこととなる。
終電を繰り下げず終前の急行を時刻を繰り下げたのは、最終の区間準急の混雑緩和目的が最も考えられるが、JR西日本の大和路線の快速の最終列車がJR難波23時41分発奈良方面快速加茂行きであり、所要時間は近鉄の方が短いが難波が離れているとはいえJRより速達列車の最終を繰り下げたかったのではないだろうか。ちなみにJR難波発の奈良行き最終列車は24時05分発の普通奈良行きで、近鉄の大阪難波発最終の区間準急より10分遅いこととなった。
また生駒線は生駒23時36分(土休日は23時34分)発の最終王寺行きを繰り下げ、全日生駒23時57分発とし、平日で21分繰り下げる。ただ終前列車と運転間隔が空くので救済措置として生駒23時42分発(土休日は23時34分発)に東山行きを増発することとなった。これによりこれまで平日は大阪難波23時07分発急行近鉄奈良行き、土休日は大阪難波23時11分発快速急行近鉄奈良行きが生駒線接続最終列車であったが、全日とも大阪難波23時25分発急行近鉄奈良行きに14~18分繰り下げられることとなった。
また逆方向の王寺発生駒行きでもプレスリリースにない終電繰り下げが実施され、平日は王寺23時45分発、土休日は23時42分発から全日王寺23時51分発に繰り下げられる。これにより天王寺から近鉄生駒線へ接続するJR大和路線の最終列車は天王寺23時06分発快速奈良方面加茂行きから23時26分発快速奈良行きに20分繰り下がることとなった。皮肉にもこのJR大和路線快速列車は2本ともJR難波始発で、終電延長効果は近鉄奈良線経由より高いという結果になった。
さらにけいはんな線は、生駒24時14分発学研奈良登美ヶ丘行きを増発し、現在の24時03分発から11分繰り下げられる。けいはんな線に関しては3月24日に直通する大阪市営地下鉄中央線と同時にダイヤ改正を行うため1週間のみの暫定ダイヤとなるが、東大阪線からけいはんな線に改称してから生駒始発の学研奈良登美ヶ丘行きは史上初の設定となるのではないだろうか。この生駒始発の最終列車設定により、これまでは平日は大阪難波23時25分発快速急行近鉄奈良行き、土休日は大阪難波23時11分発快速急行近鉄奈良行きからの接続であったが、大阪難波23時45分発急行近鉄奈良行きから連絡できるようになり20~34分繰り下がることとなった。
2. 京都線系統で終電繰り下げ
また今回の2018年3月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、京都線系統でも終電の繰り下げが行われる。ただし終電が行われるのは京都から下る方面ではなく、奈良線の接続する大和西大寺から離れる方向である。
先述の大阪難波発近鉄奈良行き最終列車が5分繰り下がることに伴い、大和西大寺発京都線最終普通新田辺行き(平日24時17分発、土休日24時16分発)と橿原線・天理線最終普通天理行き(24時10分発)がそれぞれ繰り下がり、24時23分発となる。これにより副次的に京都から天理への最終列車も23時26分発急行近鉄奈良行きから23時41分発急行大和西大寺行きに15分繰り下がることとなった。またこの接続解除に伴い、京都23時26分発急行近鉄奈良行きは5分繰り上がり京都23時21分発して運転し、京都23時台発の急行が均等に20分間隔となることとなった。なお、京都23時41分発急行近鉄奈良行きは大和西大寺行きに短縮されたが、終点大和西大寺で奈良線からの急行近鉄奈良行きに接続できる。
3. 南大阪線系統でも終電繰り下げするも、末端で繰り上げ
また今回の2018年3月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、南大阪線でも終電の繰り下げが行われる。
準急河内長野行き最終列車を大阪阿部野橋23時34分発から23時46分発12分繰り下げ、準急富田林行き最終列車を大阪阿部野橋23時49分発から23時58分発に9分繰り下げる。これではその前の時間帯で間隔が空くのでへ実に限り大阪阿部野橋23時16分発準急富田林行きが増発され、平日のみ大阪阿部野橋23時25分発最終急行橿原神宮前行きが準急に格下げされ23時36分発となり、古市から急行に変更する。これにより大阪阿部野橋23時台の急行は全て準急に格下げされ、平日は23時台発まで準急が毎時6本確保されることとなった。
但し、橿原神宮前への終電は2017年現在大阪阿倍野橋23時34分発準急河内長野行きからの古市連絡普通橿原神宮前行きであるため、古市以遠の南大阪線及び御所線各駅は大阪阿部野橋の最終が2分しか繰り下がらないこととなった。なおこの準急古市行き(古市から急行橿原神宮前行き)は古市で普通橿原神宮前行きに接続する。また土休日も大阪阿部野橋から橿原神宮前への終電は23時34分発から23時36分発に2分繰り下がったが、土休日は準急富田林行きのため古市で乗り換えが必要となるほか、急行運転は終了しているため古市で接続できるのは普通橿原神宮前行きのみとなる。
さらに南大阪線尺土で接続する御所線であるが、現行では南大阪線普通橿原神宮前行きからの接続を受けるため全日尺土24時16分発近鉄御所行きが最終となるが、平日は大阪阿部野橋での最終時刻の変わらなくなった古市から急行となる橿原神宮前行きからのみの接続となるため、終電が5分繰り上がり尺土0時11分発となる。ただ土休日に関しては接続を解消すると終電が大幅に早まるので、尺土0時16分発のまま据え置かれることとなり、平日より土休日の方が終電が遅いという珍しい事態が発生することとなった。
ただし代償として、平日は大阪阿部野橋22時台と23時台発、土休日は大阪阿部野橋22時台発の普通藤井寺行きが削減されることとなり、普通列車の毎時6本運転が23時までから22時30分までに縮小することとなった。
4. 結び
今回の2018年3月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、奈良線・南大阪線・京都線系統で終電が改善されており、特に23時台は種別の均一化と等間隔化を図っている。その代償として各駅に停まる列車が少しずつ減っているが、今後近畿日本鉄道がどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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