近畿日本鉄道は2021年12月10日、プレスリリースにて年末年始に臨時列車を運転し終夜運転を行うと公表した( 年末から年始にかけて、臨時列車および運転区間延長列車を運転します )。また近畿日本鉄道は2021年12月27日、プレスリリースにて奈良線の終夜運転列車をさらに増発すると公表した( 終夜運転の大阪難波・近鉄奈良間に臨時快速急行「楽」を追加します )。今回はこれらについて見ていく。
大みそか元日終夜運転・終電繰り下げ情報まとめ2021~2022はこちら!
1. 80000系ひのとりが伊勢志摩に入線へ!
今回の2021年12月~2022年1月近畿日本鉄道大晦日元日終夜運転では、2年ぶりに終夜運転を実施する。
例年急行や普通の他に伊勢志摩方面の特急列車も運転するが、今回の終夜運転では特急列車の一部に伊勢志摩方面特急に80000系ひのとりを使用する。
伊勢志摩方面の80000系ひのとりの使用は2021年はツアー列車でしかなかったが、今回の臨時列車運転で伊勢志摩方面のひのとりでも一般利用が可能となる。
今回運転する伊勢志摩方面ひのとりは、2022年1月1日に大阪難波(一部大阪上本町)〜宇治山田間で3往復、近鉄名古屋〜宇治山田間で3往復となっている。
大阪難波及び近鉄名古屋発の宇治山田行きひのとりはともに0時00分発、1時00分発、2時00分発となっている。また宇治山田発の特急ひのとりは大阪難波方面・近鉄名古屋行きともに2時〜4時台に出発する。
もっとも80000系使用のひのとりはレギュラーシートでもほかの特急と比べて200円割高だが、通常列車が運転しない時間帯の運行かつ賃金25%割増の深夜時間帯に運転する列車のため、ある程度の加算料金を取るのは問題にはならないだろう。
このほか今回の終夜運転では、大阪難波発や近鉄名古屋発3時以降にて80000系ひのとり以外の汎用特急車両による特急も運行するほか、京都~伊勢志摩方面の特急は1往復のみの運転となるが、汎用特急車両で運転する。
2. 名古屋線・大阪線の終夜運転実施も大幅減便へ
今回の2021年12月~2022年1月近畿日本鉄道大晦日元日終夜運転では、2年ぶりに名古屋線・大阪線で終夜運転を行う。
2019年までの終夜運転では名古屋線・大阪線ともに普通を約30分間隔、伊勢志摩方面に直通する急行を約60分間隔で運転していた。しかし今回の2021年~2022年終夜運転では、終夜運転時間帯の急行運転を取りやめ全て普通列車での運転としたほか、普通の運転間隔を約30分間隔から約60分間隔に半減する。
まあ名古屋線の場合には伊勢中川で山田線普通と乗り換えれば特急を使わなくとも近鉄名古屋~宇治山田間を往復することはできるが、大阪線は2019年の時点で普通列車の終夜運転は大阪上本町~名張間でしか行っていなかったほか、今回の2021年~2022年終夜運転でも普通列車の運転区間を拡大しないどころかほとんどの終夜運転列車が大阪上本町~榛原間でしか運転しないのである。
つまり、終夜運転時間帯に大阪線名張~伊勢中川間を往来する列車は特急しかないのだ。そう考えると近畿地方から終夜運転で伊勢志摩に向かうには特急の利用が必須となってしまい、これまでの直通で行けた急行と比べるとひのとり加算料金どころか特急料金分まで実質値上げしているのだ。
なお2019年まで行っていた志摩線の終夜運転は中止することとなった。
3. 奈良線に団体専用車両による快速急行運転へ
今回の2021年12月~2022年1月近畿日本鉄道大晦日元日終夜運転では、奈良線でも2年ぶりに終夜運転を実施する。
奈良線では2019年までも終夜運転を行っていたが、大阪線や名古屋線と比べると短距離路線なことから増発列車は各駅に停車する普通列車に限られていた。
しかし今回の終夜運転では2019年まで普通35本の増発だったうち2往復4本を快速急行に格上げしたほか、一般的な車両ではなく本来団体臨時列車にしか使用しない20000系楽で運転することとなったのである。
もっとも本来の目的が団体用だろうが、快速急行である限り料金不要の運賃のみで乗れる。そう考えるとかなりレアな車両運用ではないだろうか。
4. 結び
今回の2021年12月~2022年1月近畿日本鉄道大晦日元日終夜運転では、2年ぶりに終夜運転を行うほか、80000系特急ひのとりも使用することとなった。
今後近畿日本鉄道でどのような臨時列車を運転するのか、楽しみにしたい。
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