高松琴平電気鉄道は2023年2月15日、プレスリリースにて3月18日にダイヤ改正を行うと公表した( ダイヤ改正と長尾線ワンマン運行開始について )。今回はこれについて見ていく。
1. 長尾線でワンマン運転開始へ!
今回の2023年3月18日高松琴平電気鉄道ダイヤ改正では、2021年11月27日高松琴平電気鉄道ダイヤ改正以来約1年3か月ぶりにダイヤ改正を行う。
ただし前回のダイヤ改正は志度線単独だったため、琴平線と長尾線では2020年11月28日高松琴平電気鉄道ダイヤ改正以来約2年3か月ぶりにダイヤ改正を行うこととなる。
今回の2023年3月18日ダイヤ改正に合わせ、長尾線でワンマン運転を開始する。志度線では前回の2021年11月27日高松琴平電気鉄道ダイヤ改正にてワンマン運転を開始したことからことでんのワンマン運転は2路線目となる。
なお琴平線も走る高松築港~瓦町間では緑の長尾線も引き続き車掌乗務を行う。
1.1. 志度線は必要なのか
まあこのご時世で利用者が減っているのでワンマン化して人件費を削減するのは適切な対策と言えるが、そもそもことでんは3路線すべてが必要なのだろうか。
もっとも琴平線や長尾線は近隣にほかの鉄道路線が少ないため、廃止した場合沿線道路で渋滞を引き起こす可能性が高い。このため琴平線や長尾線は存続するべきだろう。
ただ志度線は2018年度の時点ですでに全線平均輸送密度が4,000人/日・往復を下回っているほか、大町~琴電志度間では輸送密度が2,000人/日・往復を下回っている。隣駅間輸送密度4,000人/日・往復で昼間は毎時1両、平日夕方は毎時2両、平日朝は毎時3両程度で運びきれることを考えると、大町~琴電志度間は平日朝に毎時2両で十分運べてしまう。これは近隣にJR四国高徳線があり乗客が分散しているためである。
もっともJR四国高徳線は高松と徳島を結ぶ路線で特急「うずしお」が2時間に1本以上の運行があるため廃止にしにくい。そうなると、ことでん志度線のうち少なくとも大町~琴電志度間は廃止にしてJR四国高徳線で代替すれば問題ないのではないだろうか。
私鉄路線の廃止代替をJR線が行った例は過去にあり、福岡県では西鉄北九州市内線廃止に伴い代替としてJR九州鹿児島本線に陣原駅を、西鉄津屋崎線廃止に伴いJR九州鹿児島本線に新宮中央駅を開業している。
そう考えるとほぼ並走することでん志度線大町~琴電志度間を廃止にしてJR四国高徳線に途中駅を設けて代替することは可能だろう。
また瓦町~大町間でも1km以内をJR四国高徳線が運転しており、十分駅勢圏に入る。瓦町への到達手段は別途考慮する必要があるが、その代替バスを運行しても高松築港へ向かう利用はJR四国高徳線で十分拾いきれる。
そして、琴電志度線を全線廃止にするとその利用が高徳線に移る関係で8両程度の普通列車用車両増備のほか列車交換駅を増やす必要があるが、大町~琴電志度間の部分廃止の場合平日朝の通勤輸送向けに2両だけ普通列車運用を増やせばいい。2両くらい保留車を使えば何とでもなるので、部分廃止ならたやすく代替できる。
志度線、いるか?
2. 深夜に増発へ!
今回の2023年3月18日高松琴平電気鉄道ダイヤ改正では、深夜の運転を復活する。
この23時台の終電は2020年3月まで設定していた列車だったが、今回のダイヤ改正で復活することとなった。
今回設定するのは琴平線高松築港23時00分発滝宮行き、長尾線高松築港23時04分発長尾行き、志度線瓦町23時08分発琴電志度行きの3本となっている。
これにより今回のダイヤ改正で琴平線で30分、長尾線で51分、志度線で46分終電が繰り下がることとなった。
4. 結び
今回の2023年3月18日高松琴平電気鉄道ダイヤ改正では、長尾線でワンマン運転を開始したほか終電を繰り下げることでサービスを維持したまま維持費の削減につとめることとなった。
今後高松琴平電気鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
コメント
志度線の整理は確かに的を得ている。
末端の房前〜琴電志度間を廃止にしても利便性は失われず、線路保守と車両削減による利点が大きそうだ。
讃岐牟礼と八栗新道の連絡切符を作れば利用者の影響は少ないはずだし。