名古屋鉄道と名古屋市交通局は2024年1月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこのうち地下鉄鶴舞線と名鉄豊田線について見ていく。
1. 平日朝に減便へ
今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線ダイヤ改正では、平日朝に減便を図る。
地下鉄鶴舞線では平日朝は4分間隔(毎時15本)での運転となっていたが、今回のダイヤ改正より4分30秒間隔での運転となる。これにより輸送力が11.1%減少する。
ただ、鶴舞線の混雑率は名古屋市営地下鉄5路線の中で最も低く、2018年度の時点で116%しかなかった。地下鉄東山線の138%や地下鉄名城線の135%と比べて低いことを考えると減便は妥当だろう。
この減便により地下鉄鶴舞線の混雑率は116%から最大でも130%程度になる見込みだ。
2. 平日昼間に10分間隔に減便へ
また今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線ダイヤ改正では、地下鉄鶴舞線で平日昼間に減便を図る。
地下鉄鶴舞線は土休日昼間は10分間隔(毎時6本)での運転だった一方、平日昼間は7分30秒間隔(毎時8本)での運転となっていた。が、今回のダイヤ改正より平日昼間を土休日昼間に合わせる形で減便、平日昼間も10分間隔(毎時6本)での運転となる。これにより輸送力を25.0%減少することとした。
一方名鉄豊田線は15分間隔(毎時4本)のまま変わらない。このため土休日昼間同様平日昼間も豊田線直通のうち2本に1本が赤池で3分の時間調整をすることし、名鉄豊田線内は昼間は12~18分間隔と不均等にしたのである。
おいおい、名鉄豊田線を最大18分間隔から20分間隔にして赤池での時間調整をなくせるのに名鉄豊田線沿線から名古屋市内方面への利便性はさほど変わらないというのに。名鉄瀬戸線は昼間10分間隔にしたんだ、ほぼ他の名鉄線との接続がない名鉄豊田線も昼間15分間隔から減便してもよかっただろうに。
3. 平日夜間も減便へ
また今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線ダイヤ改正では、平日夜間にも減便を図る。
地下鉄鶴舞線では平日夜間は5分間隔(毎時12本)だったところ6分間隔(毎時10本)に減便する。これにより輸送力が16.7%減少する。
これらの減便により平日の地下鉄鶴舞線は166往復から146往復に20往復削減することとなった。
4. 土休日も減便へ
また今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線ダイヤ改正では、土休日朝も減便を図る。
土休日朝は地下鉄鶴舞線で約6分40秒間隔から7分30秒間隔に減便、1往復減便することとなった。
また土休日22時台に11分間隔から12分間隔に広げ、1往復減便するととなった。
これにより土休日の地下鉄鶴舞線は116往復から114往復に2往復減便することとなった。
5. ホームドア設置とワンマン化に向け所要時間延長へ
また今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線ダイヤ改正では、ホームドア設置工事およびワンマン運転開始に向け各駅停車時間が長くなることから、それに合わせた所要時間調整も行っている。
上小田井~赤池間の所要時間は27分から31分に4分延長することとなった。
ただそれを差し引いても平日朝は1運用削減しているもようだ。
6. 名鉄豊田線は一切減便せず
また今回の2024年3月16日名鉄豊田線ダイヤ改正では、時刻変更は行うものの減便は行わない。
先述した通り平日昼間は15分間隔から12~18分間隔にばらつくが、運転本数に変化はない。直通する地下鉄鶴舞線で大減便というのに一切減便しないのである。
このため名鉄豊田線は平日75往復、土休日67往復のまま変わりない。
7. 名鉄犬山線直通列車昼間消滅へ!
また今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線ダイヤ改正では、上小田井から先の名鉄犬山線への直通列車を大きく縮小する。
これまで平日昼間は毎時1本が岩倉発着で、土休日昼間および夜間は毎時2本が岩倉発着で地下鉄鶴舞線から名鉄犬山線に直通していたが、この昼間の犬山線直通はすべて取りやめになる。
また平日夜間の名鉄犬山線乗り入れ区間も柏森発着から岩倉発着に短縮、岩倉~柏森間で毎時2本の減便となる。これにより地下鉄鶴舞線からの柏森行きが消滅する。
これにより地下鉄鶴舞線から名鉄犬山線への直通列車は平日は37往復から24往復に13往復削減、土休日は40往復から16往復に24往復も大きく削減することとなった。主要駅手前で分岐する地下鉄路線への直通需要を直通列車を運転するほど担うのは難しいということなのだろう。
救済として土休日夕方の名鉄名古屋からの名鉄犬山線普通のうち4本が2両から4両に増車する。
もっとも地下鉄鶴舞線と名鉄犬山線は上小田井で対面乗り換えできるのでそこまで利便性の低下はないが、昼間は2両編成や4両編成が主に行きかう犬山線で分割不可能な地下鉄直通6両編成の乗り入れは輸送力過剰だったということなのだろう。
今回のダイヤ改正で名鉄車の走行距離が減るものの平日朝の乗り入れに変化はなく最大犬山まで乗り入れるため運用数に変更はない。地下鉄鶴舞線ではN3000系を順次投入し1977年より導入した3000系や3050系を順次置き換えているが、名鉄では1978年より導入した地下鉄鶴舞線直通対応の100系が6本残っており、うち5本が車齢40年を超えている。地下鉄鶴舞線のワンマン化に向けた新型車両を投入する可能性はあるが、その詳細な仕様が決まるまで少しでも延命するために走行距離を大きく減らしたいのかもしれない。
また名鉄100系を更新せず運用削減して廃車する可能性もあることを考えると、名鉄犬山線と地下鉄鶴舞線の直通運転を取りやめるかもしれない。そうなると東京メトロ日比谷線と東急東横線の中目黒駅のように直通しないけど対面乗り換えと上小田井駅の駅舎共有を行ってもおかしくないだろう。
8. 結び
今回の2024年3月16日名古屋市営地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線ダイヤ改正では、地下鉄鶴舞線で平日はほぼ終日にわたり減便を行い所要時間を延長した一方で、名鉄豊田線ではほとんど減便をせず維持することとした。
今後地下鉄鶴舞線や名鉄豊田線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:2024年3月16日(土)にダイヤ改正を実施します – 名古屋鉄道
関連情報:鶴舞線のダイヤ改正について – 名古屋市交通局
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