西日本鉄道は2021年1月29日、プレスリリースにて3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 2021年3月13日(土)天神大牟田線ダイヤ改正 )。今回はこれについて見ていく。
1. 全日朝ラッシュ時から特急消滅へ
今回の2021年3月13日西日本鉄道ダイヤ改正では、2019年3月23日ダイヤ改正以来約2年ぶりにダイヤ改正を実施する。
今回のダイヤ改正ではこのご時世で輸送人員が減ったことに伴い全日に渡り減便を図るほか、より運転本数を削減するため土日祝ダイヤを土曜ダイヤと日祝ダイヤに分けることとした。2021年3月6日には一部区間で運賃値上げを行うことを考えると、いかに余裕がないかが分かる。なお日祝ダイヤは土曜ダイヤと比べ西鉄福岡(天神)発着の列車が8往復少なくなっている。
たいてい土日祝ダイヤを土曜ダイヤと日祝ダイヤに分けたところで1~2年程度で土曜ダイヤに合わせる形で統合することが多いのだが、今後も臨時ダイヤを組む可能性がある限りは土曜ダイヤと休日ダイヤを分け続けるだろうしもし統合するとしたら土曜ダイヤが日祝ダイヤに統合する可能性の方が高そうだ。
まずは朝ラッシュ時。平日朝ラッシュ時は運転本数に変化はないのだが、大牟田7時34分発特急西鉄福岡(天神)行きを大牟田7時33分発急行西鉄福岡(天神)行きに格下げする。これにより平日は西鉄福岡(天神)に7時40分~9時00分に到着する全ての速達列車が急行となり、平日朝ラッシュ時から特急が消滅することとなる。
土日祝朝ラッシュ時は大牟田6時26分発特急西鉄福岡(天神)行きを大牟田6時22分発急行特急西鉄福岡(天神)行きに格下げるほか、大牟田7時37分発特急特急西鉄福岡(天神)行きを大牟田7時25分発急行特急西鉄福岡(天神)行きに格下げる。これにより土休日朝ラッシュ時から特急が消滅することとなる。
このほか土日祝朝ラッシュ時は西鉄柳川7時31分発急行西鉄福岡(天神)行きを廃止し、運転間隔調整のために西鉄柳川7時41分発普通西鉄福岡(天神)行き(筑紫から急行)を西鉄柳川→西鉄久留米間で概ね10分繰り上げる。また日祝に限り花畑7時39分発急行西鉄福岡(天神)行きを廃止する。
2. 平日昼間の特急消滅へ
今回の2021年3月13日西日本鉄道ダイヤ改正では、平日昼間の特急の運転を取りやめ減便する。
昼間の速達列車を毎時6本化し特急毎時2本・急行毎時4本としたのは1997年9月27日ダイヤ改正からだが、それまでは速達列車は毎時4本だった。ただ当時は特急毎時2本・急行毎時2本であり、昼間の特急の運転も行っていた。
しかし今回のダイヤ改正では平日昼間に限り特急の運転を取りやめることで、西鉄福岡(天神)を発着する平日昼間の列車は急行毎時4本と普通毎時6本の毎時10本に減便することとなる。ただ運転本数が減便するのは西鉄福岡(天神)~西鉄二日市間のみで、筑紫以南は急行以上の速達列車が毎時4本のまま変わらないし、西鉄二日市始発終着の普通を小郡始発終着に延長する。これにより平日昼間は1運用浮くようだ。
これにより列車種別の格下げにより多少所要時間は伸びるとはいえ、西鉄福岡(天神)から西鉄久留米までの先着毎時4本や西鉄二日市までの先着毎時6本には変わりないし、西鉄福岡(天神)から西鉄二日市への昼間の先着列車は9~12分間隔から7~13分間隔にしか広がらないため利便性があまり低下していないのだ。ただ西鉄二日市から西鉄福岡(天神)への昼間の先着列車の運転間隔は9~11分間隔から2~16分間隔にばらつくようになる。
なお西鉄柳川での普通電車の停車時間は19分から20~22分に拡大することとなった。
なお土日祝昼間は平常ダイヤでは現状通り昼間の特急毎時2本の運転を続けることとなるため、平日昼間より運転本数が多いことになる。ただし2021年2月の土日祝臨時ダイヤでは昼間の急行毎時4本を全て運休にするなど平日の平常ダイヤより多くの減便を図っていることから、今回のダイヤ改正で土日祝の平常ダイヤで昼間の運転本数が変わらないのは、いざという時に日祝ダイヤから昼間の急行を全て運休にした臨時ダイヤを土日祝に実施するためなのだろう。そうすれば土曜日と日曜祝日で朝夕の運転本数を分けて極力運転本数を減らそうとするのも分かる。
3. 日曜祝日は夜間に大幅減便で座席指定制列車導入見送りへ
今回の2021年3月13日西日本鉄道ダイヤ改正では、日曜祝日に夜間で大幅に減便を行う。
今回のダイヤ改正で夜間の減便は平日は西鉄福岡(天神)21時台の急行1往復、土曜日は減便なしとなっている。しかしに使用祝日は大幅な減便を実施し、西鉄福岡(天神)19時台の急行2往復のほか、西鉄福岡(天神)19時30分~21時30分の普通毎時2本4往復を減便することとなった。
なお平日夕ラッシュ時の着席保証列車の運転を2021年3月ダイヤ改正から行うと2020年3月には言っていたのだが、どうやらそれどころではなくなったようだ。もっともこのご時世で利用客数が減っているので、平日夕ラッシュ時の着席保証列車の設定は特急または急行の減便が必須となる。そう考えると下手に減便してまで着席保証列車を導入するわけにはいかないのだろう。
4. 終電繰り上げ実施へ
今回の2021年3月13日西日本鉄道ダイヤ改正では、終電繰り上げも行う。
天神大牟田線の最終は平日と土日祝で大きく時刻を変えていた。平日は西鉄福岡(天神)24時00分発急行花畑行きがあるが、土日祝の終電かつ平日の急行通過駅への終電は西鉄福岡(天神)23時48分発普通筑紫行きで時刻が異なっていた。しかし今回のダイヤ改正で全日に渡り終電を繰り上げ、西鉄福岡(天神)23時35分発普通筑紫行きが西鉄福岡(天神)を最後に出発する列車となる。
これにより天神大牟田線及び大宰府線で概ね15分程度終電が繰り上がるが、平日の西鉄久留米への最終は西鉄福岡(天神)24時00分発から西鉄福岡(天神)23時30分発に繰り上がるのに対し土日祝は西鉄福岡(天神)23時30分発のまま変わりない。
また今回のダイヤ改正よりほぼすべての終電が平日と土日祝で時刻が同じとなるのだが、西鉄柳川への最終は平日は西鉄福岡(天神)23時30分発から23時15分発に15分繰り上がるが、土日祝は既に平日の終電より早く西鉄福岡(天神)23時00分発(ただし今回のダイヤ改正で急行大牟田行きから西鉄柳川行きに短縮する)のまま据え置くこととなった。このことからダイヤ改正後も西鉄柳川への最終は西鉄福岡(天神)発時点で15分異なることとなる。
ちなみに上り西鉄福岡(天神)行きの最終は、平日ダイヤを土日祝ダイヤに合わせることとなった。平日ダイヤは西鉄福岡(天神)に到着する最終列車も急行だったが、急行の最終は大牟田22時52分発から22時28分発に24分繰り上がるし、普通の最終も西鉄小郡→西鉄福岡(天神)間で10分繰り上がることとなった。なお土日祝ダイヤの終電に合わせただけなので土日祝の上り西鉄福岡(天神)行きの最終列車に変わりはない。
5. 結び
今回の2021年3月13日西日本鉄道ダイヤ改正では、土日祝ダイヤを土曜ダイヤと日祝ダイヤに分けたほか、全面的に減便を図ることとなった。
今後西日本鉄道で座席指定制列車の投入は行うのか、また今後も列車の減便は続くのか、見守ってゆきたい。
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