小田急50年の夢! 小田急電鉄複々線化完了に伴うダイヤ改正予測(2018年3月予定)

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小田急電鉄では、2018年3月に代々木上原~梅ヶ丘間の複々線化工事事業が完了することを受け、大幅なダイヤ改正を行うとしている。今回はこのうち、平日夕ラッシュについて見ていく。

1. 複々線化完成で輸送力大幅増強

今回の2018年3月ダイヤ改正では、小田急線の代々木上原〜登戸間の複々線化完了により、大規模なダイヤ改正が行われると思われる。

複々線化の効果はラッシュ時には絶大で、最大毎時27本しか運行できない小田急線も平日朝ラッシュ時には毎時36本に増やすとしており、混雑緩和がなされることは間違いほか所要時間も短縮される。そしてその恩恵が朝ラッシュ時だけではなく、平日夕ラッシュ時にも増発がなされるのではないだろうか。

そこで、昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を逆算して用いると、昼間は特急ロマンスカーを除くと快速急行、急行、各駅停車がそれぞれ毎時6本の合計毎時18本であるから、単純計算でいけば平日夕ラッシュ時はそれぞれ毎時8本ずつの合計毎時24本となる。現状のダイヤは快速急行毎時2本、急行毎時8本、多摩急行毎時2本、準急毎時1本、各駅停車毎時8本の合計毎時21本となっており、やや足りない。それゆえ快速急行や急行に混雑が集まり、2015年3月14日ダイヤ改正前まで新宿発の準急が毎時2本あった頃は列車によっては新宿発時点で混雑率が200%に達したようだ。代々木上原や下北沢ではそれよりますのは間違いない。今ではその準急は急行に格上げされる形で消滅しているが、それでも170%ほどはあるものと思われる。そうなると、平日夕ラッシュ時は新宿発の優等列車を増やすのは必要不可欠だ。




2. 所要時間短縮効果はいかに

しかし運行本数を増やすにはそれなりの工夫が必要だ。1つは東急大井町線2018年3月ダイヤ改正のように車両を増備することだが、現在小田急電鉄の2017円の設備投資計画では、増結車両新造の動きはあるが編成数増強の動きはない。となれば増発を行うとすれば、複々線化完了により表定速度が向上し所要時間を短くするほかない。

現在の平日夕ラッシュ時のダイヤは、概ね15分サイクルダイヤをベースに作られていることから(15分サイクルに各停2、急行2、快速急行0.5、ロマンスカー1、千代田線からの直通1、スジを作るためにロマンスカー毎時1本と千代田線からの直通毎時1本がメトロホームウェイとして混ざっている)、それをベースに作られるのではないだろうか。現在、新宿を出発した快速急行ないし急行は、複々線となる梅ヶ丘まで前を行く各駅停車を抜かすことができない。

複々線化が完了すれば東北沢で抜かすことができるようになり、快速急行や急行、およびその続行運転となる千代田線からの多摩急行や準急が2分ほど短縮できるものと思われる。また、各駅停車としてもメリットがあり、これまで複々線にもかかわらず平日夕ラッシュ時も急行との接続のために成城学園前で2分〜6分(概ね4分のものが多い)停車して接続待ちをしているが、これも現在の梅ヶ丘待避から東北沢待避に変更することで急行がより早く成城学園前に到着することにより、各駅停車の接続待ち停車時間を概ね2分短縮することができる。よって、ほぼ全ての通勤電車が所要時間を2分短縮することができるから、現状で10両固定の準急以上のみでも下り毎時13本、上り毎時11本が片道2分短縮でき、1時間当たりの短縮効果は48分となる。また各駅停車も上下毎時8本ずつが片道2分短縮できるから、1時間当たりの短縮効果は36分となる。もし各駅停車がこの2018年3月ダイヤ改正で全て10両編成化になるとすると、10両編成の通勤電車の所要時間短縮効果は1時間24分分となり、編成数を増強せずとも毎時1本増発できる。快速急行は長距離運行のため、残り24分分で18時台のみならば毎時2本の増発も可能だ。となれば、15分パターンを形成しきれない残りを考えると、平日夕ラッシュ時はピーク時の18時台に快速急行が毎時2本に増発されるのではないだろうか。

もし快速急行が毎時2本増発されるとなると、平日夕ラッシュ時は特急ロマンスカー毎時4本(新宿発毎時3本、千代田線発毎時1本)、快速急行新宿発毎時4本、急行新宿発毎時8本、多摩急行千代田線発毎時2本、準急千代田線発毎時1本、各駅停車新宿発毎時8本の合計毎時27本になるのではないだろうか。このうち各駅停車毎時1本は向ヶ丘遊園発着なのでもし複線となっている(複線区間は下りは登戸からであるが)向ヶ丘遊園以西にて毎時26本になるのであれば、線路容量としてもギリギリ運行できるものと思われる。

また運用が余ることにより、現在設定のない新宿発20時台〜22時台にも下り(町田方面)快速急行が毎時2本設定される可能性がある。これにより平日夕ラッシュピーク時だけではなく、その後の速達需要にも対応できるようになるのではないだろうか。




3. なるか平日夕ラッシュ以降の経堂急行停車

今回の平日夕ラッシュ時の注目となりそうなのが、平日夕ラッシュ時以降の経堂への急行停車である。

現在は平日昼間と土休日終日は経堂に急行を停車しているが、平日朝夕は通過している。平日朝に限れば上り(新宿方面)の準急も通過するので、、経堂に停車するのは平日朝ラッシュ時は各駅停車のみ、平日夕ラッシュ時は各駅停車のほか、千代田線からの準急と多摩急行のみである。そのため平日夕ラッシュ時に新宿から経堂に出るためには、急行に乗って代々木上原(または下北沢)で毎時3本しかなく30分空くことのある千代田線からの多摩急行または準急に乗り換えるか、各駅停車を乗り通す他ない。2015年3月14日ダイヤ改正までは新宿発の準急が毎時2本平日夕ラッシュ時に設定されていたが、それも快速急行と急行の混雑緩和のために経堂通過の急行に格上げされてしまったので仕方ない。なぜ平日朝夕に急行を経堂に停めないかといえば、それは混雑がより集中してしまうことに他ならない。新宿発時点で乗車率200%にもなる急行列車があり、さらに代々木上原や下北沢で乗客が増えるというのに、経堂に停めて混雑を増そうという発想自体が誤りなのだ。

しかし、快速急行が増発したらどうなるだろう。快速急行の続行急行(概ね相模大野から各駅停車に変更)くらいは経堂に停めても捌けるのではないだろうか。とはいえ、全ての急行を経堂停車にすると、代々木上原での千代田線からの多摩急行や準急への接続の意味が薄れてしまう。もし平日夕ラッシュ時に経堂に停まる列車を増やすなれば、急行の一部を経堂停車・向ヶ丘遊園通過の多摩急行小田原線直通バージョンにするくらいなのだろう。快速急行が平日夕ラッシュ時に毎時4本設定できれば毎時4本の急行を多摩急行小田原線直通バージョンにできるし、毎時2本のまま据え置きなら毎時2本設定するか、現状のまま据え置きということになるのではないだろうか。


4. 結び

今回2018年3月の小田急電鉄ダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時だけではなく平日夕ラッシュ時も所要時間の短縮が図られ、その分増発も図られるものと思われる。小田急電鉄は近年平日夕ラッシュ時のダイヤを少しずつ調整してきていることから、今後どのようなダイヤを組むのか、見守って行きたい。

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