各駅停車10両化と快速急行停車駅さらに増加へ! 小田急電鉄ダイヤ改正予測(2019年3月予定)

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小田急電鉄は4月27日、平成30年度事業計画にて2019年度末までに代々木八幡駅と開成駅を10両対応化すると公表した( 2018年度 鉄道事業設備投資計画 )。今回はこれについて見ていく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 開成10両対応化で快速急行・急行停車化

今回の2019年3月小田急電鉄ダイヤ改正では、開成駅ホーム10両対応化を実施する。

小田原線新松田~小田原間では途中駅のホーム長が6両編成までしか対応しておらず、10両編成の快速急行や急行の停車は不可能で、6両編成の新松田~小田原間各駅に停車する急行は赤●急行として区別されていた。

ただ新松田~小田原間の駅で一番新しく開業した開成駅は、当初から10両編成に対応できるよう敷地が確保されていた。そのため、他駅と異なりホームの延長が容易に行え、2019年にも10両編成対応化し、快速急行や急行が停車できるようになる見込みだ。

開成駅の2017年度の1日平均乗降人員は11,329人で、新松田~小田原間の快速急行通過駅の中では一番多い。しかし急行停車駅としては鶴巻温泉の15,041人に及ばず、急行停車駅になった暁には急行停車駅の中で最も利用者の少ない駅となりそうだ。

しかしなぜ開成に快速急行や急行を停めるようにするのかというと、2015年の大都市交通センサスのデータによれば、栢山~足柄の各駅は小田原方面への利用が多いため、栢山~足柄の各駅は小田原方面への利用の方が上回っていることもあり、現状の新松田~小田原間6両編成各駅停車で十分なのである。

一方、開成は小田原方面利用は約2割で、残りの約8割は本厚木・新宿方面利用となっている。つまり現状の昼間のように必ず新松田乗り換えでは開成駅利用者の大半が不便なわけである。つまり、今回の開成への快速急行や急行の停車は、開成からの利用ニーズの多い本厚木・新宿方面直通列車を終日設定するためであると思われる。

ただ、新松田~小田原間の快速急行通過駅で一番利用者の多い開成に快速急行や急行が停車するようになったら、開成から小田原に向かう開成駅を利用するうちの約2割の需要の一部が各駅停車から快速急行や急行に流れれることは必至だ。

ともなると、平日夕ラッシュ時の新松田〜小田原間の各駅停車はは毎時5本から毎時4本に減便する可能性はある。また平日朝ラッシュ時も新松田〜小田原間の各駅停車を減らしにくるかもしれない。




2. 代々木八幡10両対応化で新宿口各駅停車も10両運転可能に

今回の2019年3月小田急電鉄ダイヤ改正では、代々木八幡駅改良工事完了により10両編成が停車できるようになることから、小田原線新宿〜新松田間の各駅で10両編成が停車可能となり、新宿発着各駅停車の10両化が可能となる。

前回の2018年3月17日小田急電鉄ダイヤ改正にて代々木上原〜登戸間複々線化工事が完了したことで平日朝ラッシュ時の運転本数が毎時27本から毎時36本に増加し、混雑率も194%から151%にまで低下させることに成功した。

しかし種別の間にバラツキがあり、ダイヤ改正前後での混雑率の変化は急行(一部に快速急行)→快速急行・通勤急行は193%から175%に低下、準急→通勤準急は205%から140%に低下、各駅停車は190%から110%に低下している。

準急→通勤準急の混雑率低下は新宿行きの運転を取りやめ全て地下鉄千代田線直通にしたこと、登戸で快速急行に連絡するようになったことなどが挙げられる。

各駅停車の混雑率低下は毎時9本から毎時12本に増発されたことのほかに、経堂に通勤準急が停車するようになり分散したことが挙げられる。

通勤急行単体での混雑率はないが、多摩線始発かつ登戸通過ということで利用が伸び悩んでいるようだ。急行→快速急行で混雑率を比較するとあまり減っていないようだ。

ともなると、輸送量的には各駅停車や通勤急行をこれ以上増結などの輸送力強化をする必要はなく、いかに快速急行の混雑を減らすかが課題となりそうだ。




2.2. 車両運用上はどうなる

では、車両の状況はどうなっているのだろうか。

2018年3月現在の小田急電鉄が所有している8両編成は、
1000系1本
2000系9本
3000系15本
の合計25本となっている。

一方で2018年3月現在の小田急電鉄が所有している通勤型6両編成は、
1000系12本
3000系27本
の合計39本となっている。6両編成は4両編成と連結して新宿発着の10両編成として運転可能であるが、8両→10両化が3000系2本しか行われないのは少ない。残る8両編成23本はいかにして使われるのだろうか。

小田原線で平日朝ラッシュ時に運転される相模大野行き急行のうち、およそ半数が新松田始発の8両編成または10両編成となっている。このうち10両編成を各駅停車で運用している8両編成と置き換えれば2本確保できる。

また比較的空いている通勤急行を10両から8両に減車し、各駅停車の10両化を実施する可能性もある。

新宿発着の各駅停車を全て10両化した場合、平日朝ラッシュ時であっても向ヶ丘遊園〜代々木上原間で輸送力余る。地下鉄千代田線直通が毎時6本から毎時3本に減り、代わりに新宿発着の通勤準急や向ヶ丘遊園始発の急行が運転されるのではないか。そうすれば、平日朝ラッシュ時に経堂に停車する新宿行き速達列車が設定され、利便性が向上される。

また、新宿への直通需要の利便性向上のため、比較的空いている通勤急行を経堂に停車させる可能性もある。

また、爆走時代のJR西日本で行われていたJR神戸線の快速のように、通勤準急の成城学園前→経堂のみの急行線運転も継続されるかきになるところだ。

ただ、京王電鉄のように全駅10両編成停車可能な京王線であっても、終日に渡り8両編成の各駅停車や快速を運転していることから、全ての新宿発着の各駅停車を10両編成化する必要もないものと思われる。

もし8両編成を10両編成と6両編成に組み替えるのであれば、平日朝ラッシュ時に小田原始発赤●急行相模大野行きを多く設定することができるようになるのだが、多少の増加は見込めるが全てとなると難しそうだ。




2.3. 平日夕ラッシュ時も新宿口各駅停車は減便か

平日夕ラッシュ時は各駅停車8両→10両化に伴い、新宿発着の各駅停車が毎時8本から毎時6本に削減される可能性もある。

ともなると、新宿発着の快速急行も急行も平日夕ラッシュ時は毎時6本の運転であるから、均等に10分間隔の運転となる可能性がある。

しかしその際には、特急ロマンスカーや地下鉄千代田線からの急行を快速急行の直前や急行の続行で運転せざるを得なくなり、所要時間がさらに伸びる可能性はある。

ただ、代替として平日夕ラッシュ時の急行が経堂に停車するようになる可能性がある。そうすれば、平日夕ラッシュ時の新宿からの経堂停車の速達列車が2015年3月14日ダイヤ改正で消滅して以来4年越しに復活する可能性がある。

複々線化完了前は急行に混雑が集中し乗車率200%になる列車もある中平日夕ラッシュ時の急行を経堂に停車させるなんて言語道断であったが、複々線化完了により快速急行が大きく増発されたことで、急行も乗車率140%にまで軽減され、混んでないとは言えないが経堂に停車させる余裕はないわけではない。ともなると、平日夕ラッシュ時の新宿発着各駅停車の減便と引き換えに急行の終日経堂停車化が成される可能性はあるのではないだろうか。

3. 平日朝の快速急行の増発はあるのか

前回の2018年3月17日小田急電鉄ダイヤ改正では、平日朝夕に快速急行が大増発されることとなった。

しかし、快速急行の中でも混雑にバラツキがあり、特に藤沢6時24分発快速急行新宿行きは新百合ヶ丘以東でも、前との快速急行と10分空いているほか、その間に通勤準急綾瀬行きは運転されているが前の快速急行に鶴川で抜かれた列車であるためこの快速急行の7分前に出発してしまう。しかも通勤準急は新宿に直通もしない。

そのため、この藤沢6時24分発快速急行新宿行きは非常に混雑してしまっている。そのことから、次回の2019年3月ダイヤ改正でなんらかの増発を伴う救済措置が行われるのではないだろうか。

考えられる手段として、1つは快速急行を増発する。この快速急行以降は7〜8分間隔で設定されており、1本増やして間隔を均等化するのは悪くはない。ただし、快速急行は小田原始発や藤沢始発が多いので、長距離に渡りダイヤを変えなくてはならない。

また、お手頃な手段としては通勤急行を1本増発するという手もある。この特に混雑する快速急行の前後の多摩線発着の通勤急行は運転間隔が17分開いており、その後の12分間隔と合わせて1本増発すると、綺麗に10分間隔で揃わせることが可能となる。

通勤急行を増発すれば、通勤急行の利用率が低い疑惑を払拭することができ、あたかも多摩線からの通勤客取り入れに成功しているかのようなインパクトを与えることができるほか、快速急行を増やさないことで表面上既に混雑分散に成功したと言えるのである。

ともなると、快速急行の混雑緩和目的で通勤急行を1本増発させる可能性は高そうだ。


4. 結び

今回の2019年3月小田急電鉄ダイヤ改正予測では、代々木八幡駅改良に伴い、新宿発着の各駅停車でも10両編成による運転が可能となる見込みだ。

また、開成駅ホーム延長に伴い、10両編成の快速急行や急行が停車可能となる。

今後小田急電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

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