大阪市交通局は2月16日、プレスリリースにて3月24日に御堂筋線と中央線にてダイヤ改正を行うと公表した( 御堂筋線・中央線のダイヤ改正を行います )。また北大阪急行電鉄は2月16日、プレスリリースにて3月24日にダイヤ改正を行うと公表した( ダイヤ改正の実施について )。さらに近畿日本鉄道は2月16日、プレスリリースにて3月24日にけいはんな線でダイヤ変更を行うと公表した( けいはんな線のダイヤ変更について )。今回はこれらについて見ていく。
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1. 御堂筋線、平日朝ラッシュ時に運行間隔短縮
今回の2018年3月24日大阪市交通局ダイヤ改正は、4月1日のOsaka Metro(大阪メトロ)としての民営化を見据えたものとなっており(会社名の正式名称は、大阪市高速電気軌道株式会社)、大阪市交通局民営化8日前に実施される大阪市交通局最後のダイヤ改正となる。
さて、ダイヤはどのようになるのか。御堂筋線では平日朝ラッシュ時の北行き(千里中央方面)の2分15秒間隔で運転する時間帯を7時30分~7時48分の18分間から7時29分~8時36分の1時間07分間に延長する。これにより平日朝ラッシュ時の北行き(千里中央方面)は毎時25本から毎時27本に増発され、混雑率も125%に低下する見通しだ。ただしなんば平日7時台および8時台の運転本数が変わっていないどころか、9時台は1本減便している。これは、平日朝ラッシュ時のピーク時は運転間隔を縮めるが、混雑率計算と関係のないオフピークの運転本数を減らすことによるものと言える。またこの増発により北大阪急行では千里中央発なかもず行きが7時台に1本増発され、5分間隔から4分30秒間隔に短縮された。
平日の夕方について南行き(なかもず方面)見ていくと16時台はなんば基準16時30分発以降の北行き(千里中央方面)で千里中央行き1本増発し、中津行き2本すべてが新大阪行きに延長される。またなんば基準19時台は千里中央行きと中津行きを1本ずつ、合計2本が増発される。また21時台には1本増発され、21時台~22時台の中津行き6本が新大阪行きに延長される。どうやら中津行きの新大阪行き延長は、折返しとなる中津始発を新大阪始発に延長することにより、東海道・山陽新幹線からの接続を強化する狙いがあるものと思われる。
また、土休日はなんば朝7時台の千里中央行き1本が削減され、朝9時台の中津行き1本が新大阪行きに延長されることとなったほか、16時台の千里中央行きが削減され、18時台の千里中央行き1本が新大阪行きに短縮され、中津行き1本が新大阪行きに延長される。また平日同様21時台~22時台の中津行き6本が新大阪行きに延長される。土休日に関して言えば中津~新大阪間で増発が成されるが、千里中央行きが3本削減されることとなった。
一方、南行き(なかもず方面)では、平日は梅田基準8時台でなかもず行き1本があびこ行きに短縮、天王寺行きとあびこ行き1本ずつ合計2本が新金岡行きに延長された。南行き(なかもず方面)については2015年3月1日ダイヤ改正によるホームドア設置工事による所要時間延長に伴い2分間隔から2分15秒間隔に延長したため、これ以上運転間隔を短縮することはできず、147%のまま据え置きとなりそうだ。梅田基準9時台では新金岡行きのうち1本が削減され、1本が天王寺行きに短縮されている。そのほか、梅田基準18時台の新金岡行き1本が天王寺行きに短縮、19時台になかもず行きと新金岡行きが1本ずつ、合計2本増発される。20時台には新金岡行き1本がなかもず行きに延長され、21時台には天王寺行きとなかもず行きが1本ずつ増発され、新金岡行き1本がなかもず行きに延長される。
土休日は梅田8時台ではなかもず行き1本が新金岡行きに短縮され、天王寺行き1本が新金岡行きに延長される。梅田基準9時台のなかもず行きが1本削減し、梅田基準16時台のなかもず行き1本削減、梅田基準18時台の新金岡行きが増発、21時台のなかもず行きが1本削減、22時台の新金岡行きが1本削減、23時台のなかもず行きが増発される。土休日の南行きはなかもず行きがやや縮小傾向となりそうだ。
2. 中央線は平日朝に減便も、終電延長
また今回の2018年3月24日大阪市交通局ダイヤ改正では、中央線でも平日朝ラッシュ時に運転間隔の短縮が実施され、3分45秒間隔以内で運転される時間帯が5分延び、最短3分15秒間隔での運転となるのであるが、本町基準8時台の西行き(コスモスクエア方面)の運行本数に変更がないどころか、オフピークの7時台に2本、9時台に1本減便している。これらにより最短運転間隔が短縮されたにもかかわらず地下鉄中央線ではどうやら1運用削減されたようだ。
そのほか、西行き(コスモスクエア方面)では本町基準で平日20時台の1本が削減される一方、平日・土休日とも終電が近鉄けいはんな線生駒→長田間で7分、地下鉄中央線内で29分繰り下げられる。この増発は近鉄けいはんな線の学研奈良登美ヶ丘発生駒行き最終列車の地下鉄中央線コスモスクエア行きに延長され、その21分後に大阪市交通局管内で完結する長田発コスモスクエア行き最終列車を新設したことによるものである。これにより御堂筋線新大阪24時02分発なかもず行き最終列車から本町で接続できるようになり、東海道新幹線東京21時23分発新大阪行き最終「のぞみ265号」および山陽新幹線鹿児島中央19時51分発、博多21時09分発新大阪行き最終「みずほ610号」から地下鉄御堂筋線経由で中央線阿波座~コスモスクエア間の各駅へ接続できるようになった。
また、東行き(学研奈良登美ヶ丘方面)では、平日・土休日共にコスモスクエア5時07分発の初電が長田行きから近鉄けいはんな線生駒行きに延長される。これにより近鉄けいはんな線長田→生駒で初電が9分繰り上がることとなった。また平日では本町基準7時台の生駒行き2本が学研奈良登美ヶ丘行きに延長する一方、8時台~10時台の生駒行きが3本減便している。
平日夜間の地下鉄中央線の運転本数に変わりはないが、本町基準で15時台の生駒行き1本が学研奈良登美ヶ丘行きに延長するほか、19時台の生駒行き2本が学研奈良登美ヶ丘行きに延長、22時台の森ノ宮行き1本が学研奈良登美ヶ丘行きに延長するなどしている。また終電はコスモスクエア発最終学研奈良登美ヶ丘行きが23時17分発から23時32分発に15分繰り下げ、コスモスクエア発長田行き最終が23時37分発から23時48分発に11分繰り下げとなった。このうち学研奈良登美ヶ丘行き終電については、これまで運転してきた地下鉄中央線内完結のコスモスクエア発長田行きと2018年3月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更より運転開始した生駒発最終学研奈良登美ヶ丘行きをつなぎ合わせたものとなっている。今回の終電延長により、2013年3月23日ダイヤ改正より実施されてきた回送電車の営業列車化による終電延長に一区切りがつくことになる模様だ。
また、土休日も平日同様初電の長田行きから生駒行きの延長や終電の延長があるほか、本町基準6時台と7時台の生駒行き1本ずつ合計2本が学研奈良登美ヶ丘行きに延長している。また17、18、21時台の生駒行き各1本ずつも学研奈良登美ヶ丘行きに延長することとなる。
3. 結び
今回の大阪市交通局最後のダイヤ改正となる2018年3月24日大阪市交通局ダイヤ改正では、御堂筋線と中央線で平日朝ラッシュ時の運転間隔短縮が実施され、中央線では近鉄けいはんな線とともに終電の繰り下げを実施した。しかしオフピークの減便が目立つほか、御堂筋線では運転区間の短縮が少しずつ垣間見える。4月1日よりOsaka Metoro(大阪メトロ)として民営化されるが、今後どのようにダイヤ改正を実施するのか見守ってゆきたい。
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