JR九州は2020年4月21日、プレスリリースにて5月2日~5月6日に臨時ダイヤで運転すると公表した( 新型コロナウイルス感染拡大に伴う運転計画について )。今回はこれについて見ていく。
2020年4月~5月実施のJR九州及び西日本鉄道の料金不要列車の臨時ダイヤ運転はこちら!
1. 九州新幹線で定期列車も減便へ
今回の2020年5月JR九州臨時ダイヤ運転では、九州新幹線において一部の列車で運転区間短縮や減便を行う。
そもそも博多~熊本間の2018年度の平均輸送密度は27,986人/日・往復で単純計算で多客期を除く平常時はN700系8両編成毎時2本あれば終日運転本数が足りるし、熊本~鹿児島中央間の2018年度の平均輸送密度は13,226人/日・往復で単純計算で平常時はN700系8両編成毎時1本あれば終日運転本数が足りることになる。
あくまで平均なので区間内でもバラつきはあるが、博多~熊本間は朝夕毎時3本、昼間毎時2本の、熊本~鹿児島中央間は朝夕毎時2本、昼間毎時1本の定期列車で運びきれてしまう。
そもそも熊本~鹿児島中央間で通過運転を行うのは「みずほ」だけでよく、「さくら」は毎時1本の鹿児島中央発着のみ熊本以南各駅停車で運転して残る列車は熊本で折り返させてしまえばいいのだ。
そんな中で一部の「みずほ」「さくら」計6往復を鹿児島中央発着から熊本発着に短縮したところで、平常時であっても空席を詰めただけなので影響は少ない。また博多~熊本間で10往復減便しても同じである。
つまり今回の九州新幹線臨時ダイヤ運転では、平常時から空席の多い列車を減便したに過ぎない。
1. 在来線特急全滅へ
今回の2020年5月JR九州臨時ダイヤ運転では、5月2日~6日運転の在来線特急を全て運休とする。
もう九州は沈没して高架を走る新幹線以外走れなくなったからではないかと思うほど。九州新幹線の減便はまだしも、全運休となると政府の言う「公共交通や物流は国民生活や経済活動を支える最重要インフラであり、必要な機能を維持する」という目的に反していると言わざるを得ない。
お情け程度に日豊本線では佐伯~延岡間で臨時快速列車を運転するとしているが、佐伯→延岡間で3本、延岡→佐伯間で2本となっている。運用繰り的に787系特急型車両での運転なんだろうな、きっと。
佐賀は良いよ。特急「かもめ」「みどり」がなくても概ね30分間隔で普通列車は来るし、遅いなと思ったら新鳥栖で九州新幹線に乗り換えりゃいいんだから。でも長崎や大分は特急なしでは無理だよ。しかも長崎や大分より田舎の宮崎はB&Sみやざきを残して新幹線接続残すしさ、なんなの一体。
まあ、長崎に関して言えば特急「みどり」と大村線快速シーサイドライナーを乗り継げば多少時間がかかるものの行けなくはないので、特急「かもめ」の全滅だけだったらまだ許せる(それでも2018年3月17日JR九州長崎支社ダイヤ改正で大村線シーサイドライナーンの約半数が快速から区間快速に格下げしたけどね)。
とはいえ長崎本線特急「みどり」と日豊本線特急「ソニック」は2時間に1本は運転しないと、都市機能崩壊だよこれ。
九州新幹線を多く残しているのはJR西日本との直通が絡んでいるからというのも大いにあるのだろうが、新幹線と在来線特急で雲と泥の差以上に運転本数を決めるなんて卑劣極まりない。そして減便しているとはいえB&Sみやざきを運行しているということは、JR九州は率先して大分と長崎を捨てたのである。
もう大分県民・長崎県民は平常化後もJR九州をボイコットしてもいいんじゃないかとおもうほど臨時ダイヤの組み方がひどい。
なんだか、JR九州という会社が国鉄分割民営化してから30年くらいは、経営は安定していないけど旅客目線だったのに、完全分割民営化してから究極のクズに成り下がったと思うのは気のせい?
それでも移動する場合には、西鉄バスによる高速バスを利用するほかないのだろう。
3. 結び
今回の2020年5月JR九州臨時ダイヤ運転では、4月~5月を中心に九州新幹線や在来線特急で運休や運転区間短縮を行うほか、5月2日~5月6日には在来線特急を全て運休することとし、大分や長崎の都市機能をマヒさせることとした。
今後JR九州でどのような臨時ダイヤを組むのか、見守ってゆきたい。
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