平日に新種別設定と新型車両投入で利便性向上へ! 中国鉄路金山鉄路(上海22号線)ダイヤ改正(2017年9月21日)

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中国鉄路は2017年9月21日、WEB版新聞記事にて同日に上海市の金山鉄路で平日の新種別設定に伴うダイヤ改正を行ったと公表した( 金山铁路运行时刻表今起调整!国庆运行方案公布 )。今回はこれについて見ていく。
同日実施の中国高速鉄道最高速度引き上げに伴うダイヤ改正についてはこちら!

1. 新種別大駅停、平日にも登場

金山鉄路では2017年7月1日ダイヤ改正以来3カ月弱ぶりのダイヤ改正となるが、今回の2017年9月21日中国鉄路金山鉄路ダイヤ改正では、土休日のしか運転されなかった種別が平日にも運転されるようになる。現在平日はは各駅停車の駅駅停と起点の上海南と金山衛をノンストップで運転する直達の2種別のみであったが、今回の2017年9月21日ダイヤ改正では土休日のみの運転であったその中間の種別となる大駅停が運転されることとなった。停車駅は起点の上海南と終点の金山衛の他に新橋と亭林にも停車する。起終点を含む8駅のうち4駅を通過しており、隔駅停車と言えそうだ。所要時間はノンストップの直達が32分、各駅停車の駅駅停が60分なのに対し大駅停は42分となっている。
これまでは直達と駅駅停がおおよそ1対1で運転されているが、今回平日に新たに設定された大駅停は夕ラッシュ時に下り(金山衛行き)が2本のみで、この列車はそれぞれ駅駅停と直達1本ずつからの置き換えとなっている。つまり大駅停停車駅である新橋や亭林では利用チャンスが増えたのに対し、通過駅の4駅は利便性が低下したことになる。ただ金山衛までの所要時間が平均化され、総じて平均所要時間が短縮されたのは間違いなさそうだ。

2. 新型車両投入で輸送改善か

また中国鉄路では9月29日より金山鉄路に新型車両となるCRH6A型8両編成を2本導入した。これはこれまでの中国高速鉄道CRHとは異なり通勤路線向けに改良されており、ラッシュ時には仕舞えそうな折り畳み式の3人掛けロングシートや、クロスシートの通路側に手すりが取り付けられるなど、立席利用にも配慮した構造となっている。これにより既存のCRH2A8両編成の定員600名から1500名に大幅増加したとしているが、座席数はあまり変わらず立席客への設備設置に伴うもので、増結したということではないようだ。
全例としては、国鉄大阪鉄道管理局が東海道本線・山陽本線に設定していた新快速用の117系があり、こちらは当時近郊電車は113系・115系、通勤電車は103系に統一したかった国鉄総局の想いとは裏腹に大阪鉄道管理局が導入させた斬新な車両であるが、2ドアで全席転換クロスシート、つり革の設置無しなど急行列車としての運転も遜色ないどころかデッキさえつければ特急列車として運転できるのではないかという快適な車内環境であった。当時特急「加越2号」(米原~金沢間)以外の全ての特急列車より表定速度が高かった新快速であるが、それを逆手に取り国鉄総局はサイコ新快速こと185系を首都圏に導入したほどだ。
しかし1987年に国鉄分割民営化されJR西日本が発足すると、新会社が導入する新型車両として琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線を運行する新快速用に221系を導入することとなった。こちらは3ドアにしたほかつり革を設置し、定員は2倍となった。しかし当時は117系同様6両編成での運転となり、昼間の増発は見送られている。確かに定員は2倍になり最高速度も引き上げられたが、輸送力は本当に増加しただろうか?今回の新型車両導入により金山鉄路は既存のCRH2Aが7本と新型のCRH6Aが2本の運転となるが、あくまで中国高速鉄道車両CRHを通勤列車用にしただけであり実質的に大きく輸送力が増えたというわけではなさそうだ。


3. 結び

今回の2017年9月21日中国鉄路金山鉄路ダイヤ改正では、平日に新種別が設定されることにより利便性が向上している。金山鉄路は地下鉄と比べると小幅なダイヤ改正をしていることが多いが、中華人民共和国の国策による中国鉄路の市郊鉄路と称する通勤化が上海のみならず北京、武漢、寧波などで進むことにより、これまで高速列車と同一車両での運転から通勤列車専用車両の製造に踏み切るなど、外見上は高速鉄道のフォルムをまとっているものの柔軟性が高くなっている。北京では中国鉄路の通勤化が失策に終わっている印象があるが、他の都市では中距離通勤にもってこいで2018年も浙江省の温州に開業させる予定であるなど今後地下鉄ではカバーしきれない通勤輸送に応えるべく拡大が見込まれる。今後2012年9月28日に中国史上初の国鉄の通勤路線として誕生した上海金山鉄路を始めとするこれらの市郊鉄路がどのように発展していくのか、見守ってゆきたい。

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