上海地下鉄は9月21日、プレスリリースにて9月25日に10号線(徐虹線)でダイヤ改正を行ったと公表した( 9月25日起 10号线“虹桥火车站站~江湾体育场站”小交路覆盖全运营时段 提升虹桥枢纽输送能力 周日至周四夜间加开定点加班车 )。今回はこれについて見ていく。
上海地铁是9月21日,它宣布并于10号线(徐虹线)在新闻发布会上进行了修订时间表9月25日( 9月25日起 10号线“虹桥火车站站~江湾体育场站”小交路覆盖全运营时段 提升虹桥枢纽输送能力 周日至周四夜间加开定点加班车 )。 这一次我们会看这个。
1. 中国高速鉄道最高速度引き上げと同日のプレスリリース公表
今回の2017年9月25日上海地下鉄ダイヤ改正では、2017年9月21日中国鉄路高速CRHダイヤ改正にて北京と上海を結ぶ京沪高速鉄路の最高速度300km/hから350km/hへの引き上げに伴い、上海側での輸送力増強のために増発される。
京沪高速鉄路などの中国国鉄が乗り入れる上海虹橋および飛行機が乗り入れる上海虹橋空港(第2ターミナル)へは2017年9月25日ダイヤ改正時点では地下鉄2号線と10号線が接続しており、2号線は中国の地下鉄としては標準の6両から増結して8両での運転となっており、上海市中心部を結ぶことから昼間でも4分間隔と高密度運転となっている。そのため上海地下鉄ではいかに一番のドル箱路線である2号線の混雑を緩和するかが喫緊の課題となっている。そこで今回の2017年9月25日ダイヤ改正では、同じく上海虹橋を結び、2号線が乗り入れない上海虹橋空港第1ターミナルにも乗り入れるもののやや市街地から外れた地域を走る10号線が大増発されることとなった。
2. 上海虹橋発着が大幅増発
今回の2017年9月25日ダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時を含む日中以降の上海虹橋発着便が大増発される。
上海虹橋は10号線の西側の終着点であるが、その5駅手前の龍渓路で2つに分岐しており、日中と平日夕ラッシュ時以降はそれぞれ10分間隔で運転され、大多数の重複する区間では5分間隔で運転されているものの、上海の玄関口の1つである上海虹橋方面は10分間隔でしか運転されない。ともなれば4分間隔の2号線に流れるのは必須だ。
そこで今回の2017年9月25日ダイヤ改正では、10号線のうち上海虹橋発着系統が10分間隔(毎時6本)から平均6分間隔(毎時10本)に増発される。もちろんその他の区間では支線航中路発着の毎時6本があるので合計5分間隔(毎時12本)から平均3分45秒間隔(毎時16本)に大幅増発される。ただ上海地下鉄も昼間も毎時16本も必要とは思っていないようで、今回増発された毎時4本分は東側の終点である新江湾城まで行かず、3つ手前の江湾体育場折返しとなっている。今回の2017年9月25日ダイヤ改正より地下鉄10号線のみ約○分間隔から平均○分間隔と表記が変わっており、等間隔発車ではなくなる可能性が高い。等間隔ダイヤを崩さなければならないほど上海虹橋発着を増やしたいのであろう。
また、今回の増発は昼間のみならず平日夕ラッシュ時にも行われているため、昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は100%のまま変わっていない。航中路発着は平日朝ラッシュ時から終日10分間隔であるため昼間は明らかに空気輸送であるが、地域輸送性を考慮したものとなっているのであろう。
なお、平日朝ラッシュ時にはダイヤ改正をしていないので、車両の増備は行われないこととなった。ただ、平日朝ラッシュ時でも龍渓路~江湾体育場間は西行きが3分間隔(毎時20本)、東行きが4分間隔(毎時15本)であり、東行きに関しては平日朝ラッシュ時より日中や平日夕ラッシュ時の方が本数が多くなっている。ラッシュの方向があるとしても、日中が平日朝ラッシュ時より本数が多くなるのは増発のし過ぎのような気がするのは気のせいだろうか。
3. 深夜便は通過駅を設定
また今回の2017年9月25日上海地下鉄ダイヤ改正で特筆すべきは、10号線に深夜便を設定することである。
従来地下鉄10号線は金曜日と土曜日は上海虹橋23時50分発が最終であるが、日曜~木曜は上海虹橋22時30分発が最終となっていた。そのため京沪高速鉄路の上海虹橋への最終時刻が23時44分着であるが、金曜・土曜しか接続できなかった。これでも改善された方で、2017年9月21日中国鉄路高速CRHダイヤ改正までは23時55分着だったから接続列車がなかったので、金曜・土曜はCRHから全便接続できるようになっている。しかし日曜~木曜は金曜・土曜より最終が1時間20分も早いので、地下鉄10号線へは接続できなかった。
しかし、メイン路線となる地下鉄2号線は2011年1月17日より最終の上海虹橋22時48分発より遅い23時30分発まで深夜便が2本設定されている。この深夜便は上海虹橋と上海虹橋空港第2ターミナルのみを乗車駅とし、それ以外の駅は主要駅にしか停まらない他、下車専用としたのだ。なぜ下車専用駅としたかというと、中国の地下鉄は全駅で荷物検査を実施しており、入場口を開けることはそれだけ費用が掛かるということになる。しかし下車専用とすれば駅は最小限の経費で運用できる。
この夜間の下車専用システムは2017年7月17日に開業したマレーシアの首都クアラルンプールで鉄道事業を運営するRapid KLによるMRT9号線でも活用されている。
今回の2017年9月25日ダイヤ改正で新たに設定された上海地下鉄10号線の深夜便は上海虹橋22時45分発と23時ちょうど発で設定されており、地下鉄2号線の23時30分発よりは早いが16~26分間隔より短い15分間隔での運転となっている。乗車駅は上海虹橋、上海虹橋空港第2ターミナル、上海虹橋空港第1ターミナルの3駅のみで、その後は虹桥路、陕西南路、南京东路、海伦路、四平路、終点五角场(新江湾城の4つ手前)に停車するが、いずれも2号線同様下車専用駅となっており、乗換駅であっても各地下鉄路線の終電は南京東路での2号線深夜便を除き終わっている(この2号線深夜便も下車専用であるから、乗車することはできない)。ただ今回のダイヤ改正による深夜便の設定により日曜~木曜も2号線のみならず10号線でも上海市街地に向かうことができるようになり、混雑が分散するものと思われる。
4. 結び
今回の2017年9月25日上海地下鉄ダイヤ改正では、中国鉄路高速CRHの最高速度引き上げに伴う増発などに伴い、地下鉄10号線の上海虹橋発着便で大幅な増発が行われた。ただ上海市中心部と上海の玄関口を結ぶ2号線の混雑が逼迫しており、いかに混雑を緩和するかが喫緊の課題だ。今後どのようなダイヤ改正が行われるのか見守ってゆきたい。
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