週3回ダイヤ改正で延伸開業に向け増発へ! 上海地下鉄ダイヤ改正(2018年9月28日/2018年10月18日/2018年10月20日/2018年10月24日) 上海地铁调图

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上海地下鉄は9月27日、プレスリリースにて9月28日に地下鉄17号線でダイヤ改正を行うと公表した( 9月28日起17号线启用新列车运行图 )。また上海地下鉄は10月16日、プレスリリースにて10月18日に地下鉄9号線でダイヤ改正を行うと公表した( 9号线10月18日起增能提效 最短间隔缩至1分55秒 )。さらに上海地下鉄は10月17日、プレスリリースにて10月20日に軌道交通5号線でダイヤ改正を行うと公表した( 5号线10月20日六编组列车首次投运 )。そして上海地下鉄は10月23日、プレスリリースにて10月24日に地下鉄13号線でダイヤ改正を行うと公表した( 13号线10月24日起提升运能运效 )。今回はこれらについて見ていく。

1. 初電繰り上げで利便性向上へ

今回の2018年9月28日上海地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄17号線で2017年12月30日ダイヤ改正での新規開業以来初のダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では、東方緑舟発上海虹橋行き初電が東方緑舟6時00分発から5時40分発に20分繰り上がることとなり、上海虹橋6時40分着から6時20分着に繰り上がることとなった。

上海虹橋では上海市中心部へ向かう地下鉄2号線や地下鉄10号線と乗り換えられることから、地下鉄17号線各地から上海市中心部方面への初電利用で軒並み20分到着時刻が早くなることとなった。




2. 車両増備で中国国内最短運転間隔に短縮へ

次に今回の2018年10月18日上海地下鉄ダイヤ改正では、2017年12月30日ダイヤ改正以来約10ヵ月ぶりに地下鉄9号線でダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では、地下鉄9号線では12編成が追加投入され、66運用から78運用に大きく増加することとなった。これによりラッシュ時に大きく増発されることとなった。

平日朝ラッシュ時は東行き(曹路方面)は松江南駅→余山で3分20秒間隔(毎時18本)から3分間隔(毎時20本)に短縮し輸送力が11.1%増加、余山→楊高中路間では2分13秒間隔(毎時27本)から1分55秒間隔に短縮し輸送力が15.6%増加、楊高中路→曹路間は6分40秒間隔(毎時9本)から6分間隔(毎時10本)へと短縮し輸送力が11.1%増加した。

もし均等に輸送力11.1%増加を狙うのであれば余山→楊高中路間では2分間隔(毎時30本)とすることで従来通り3本に1本が余山始発として設定されればいいのであるが、それよりも短い運転間隔での運転としたということは、上海地下鉄で最短の運転間隔を誇る地下鉄11号線よりも混雑が激しく、輸送力の増加が緊急課題となっていたのだろう。

最短1分55秒間隔は、北京の京港地下鉄4号線で臨時で最短1分43秒間隔(毎時35本)運転を行っているようだが、通常時は2分間隔(毎時30本)での運転となっている。最短2分間隔での運転は上海地下鉄11号線南翔→羅山路間でも平日朝ラッシュ時に設定されているが、定期列車での最短2分間隔以内運転は中国内地初となる。

ただ、香港特別行政区内を走る香港MTR港島線は8両編成にも関わらず平日朝ラッシュ時1分54秒間隔運転とわずかに上海地下鉄9号線より運転間隔が短い。

また日本の東京メトロ丸ノ内線では平日朝ラッシュ時に最短1分50秒間隔運転を実施しており、アジア1位の座は日本が維持しているようだ。

これ以上輸送力を増強するとなると地下鉄8号線のような一部7両化や地下鉄1号線・地下鉄2号線のような8両化も検討すべきではないだろうか。

なお、平日朝ラッシュ時の西行き(松江南駅方面)は曹路→楊高中路間で6分40秒間隔(毎時9本)から6分間隔(毎時10本)へと短縮し輸送力が11.1%増加、楊高中路→余山間で3分20秒間隔(毎時18本)から3分間隔(毎時20本)へと短縮し輸送力が11.1%増加、余山→松江南間で6分40秒間隔(毎時9本)から6分間隔(毎時10本)へと短縮し輸送力が11.1%増加した。




2.1. 平日夕ラッシュ時も増発へ

そして今回の2018年10月18日上海地下鉄ダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時にも地下鉄9号線で運転間隔が短縮される。

短縮されるのは西行き(松江南駅方面)で、楊高中路→余山間で3分間隔(毎時20本)から2分30秒間隔(毎時24本)へと短縮し輸送力が20.0%増加、余山→松江南駅間で6分間隔(毎時10本)から平均4分17秒間隔(毎時14本)へと短縮し輸送力が14.0%増加することとなった。

曹路→楊高中路間では6分間隔(毎時10本)のまま変わりないことから、平日夕ラッシュ時に楊高中路発松江南駅行きが毎時4本増発しすることとしたのだろう。

半分の毎時2本を余山行きとして設定すれば2本に1本が松江南駅行きとして運転でき、余山→松江南駅でも均等5分間隔として運転できるが、なぜ増発分全てを西の終点松江南行きとしたのかというと、松江区では地下鉄9号線沿線を中心に路面電車の上海松江有軌電車が早ければ2018年11月に開業予定であり、さらなる街の発展が期待できる。ともなると、混雑をできるだけ分散させるために松江南駅行きの割合を多く設定することとしたのではないだろうか。

平日昼間の運転間隔は全線で5分30秒間隔のまま変わりないことから昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると、平日夕ラッシュ時に増発の実施されなかった曹路~楊高中路間では109.1%のまま維持、楊高中路~余山間では54.5%から45.5%に変化、余山~松江南駅間では109.1%から77.9%に変化した。余山~松江南間では輸送力が適正化しているようだが、上海市中心部に近い楊高中路~余山間では昼間の混雑が増しているものと思われる。利用者のわかりやすさ重視のため昼間は全列車全区間運転としているが、上海市中心部を中心に運転間隔を考えると昼間の増発が必要そうだ。




3. 本線南延伸に合わせ開業前から準備へ

次に今回の2018年10月20日上海地下鉄ダイヤ改正では、2018年8月20日ダイヤ改正以来2ヵ月ぶりに軌道交通5号線でダイヤ改正を実施する。

軌道交通5号線では12月の東川路~奉賢新城間が開業することから、今回のダイヤ改正で本線となる莘庄~東川路と支線となる東川路~閔行開発区の2系統に完全に系統分割されることとなり、東川路での乗り継ぎが必須となった。

まずは本線から。これまで軌道交通5号線では莘庄~閔行開発区間の全線で4両編成が直通運行されていたが、今回のダイヤ改正で本線と支線が系統分割されることで、本線では全列車6両編成での運転に増強されることとなった。

運転間隔を見ていくと、平日朝ラッシュ時は4分30秒間隔から4分間隔に短縮され、増結も含め輸送力が68.8%増加することとなった。また平日夕ラッシュ時は5分15秒間隔から4分間隔に短縮され、増結も含め輸送力が96.9%増加することとなった。平日夕ラッシュ時に関しては編成増強に伴う改造工事の影響で前回のダイヤ改正より減便されていたが、減便前は5分間隔であったことから、そこから差し引いても輸送力が87.5%増強されることとなった。平日昼間は6分間隔のまま維持されるが、増結により輸送力が50%増強されることとなった。一方で土休日昼間は前回のダイヤ改正で6分間隔から5分15秒間隔に短縮されたが、今回のダイヤ改正で6分間隔に逆戻りし、乗車チャンスは減少した。しかし増結が成されたことから輸送力は31.3%増加することとなった。

これらのことから、昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は87.5%から66.6%に変化した。本線では大幅な輸送力増強が成されているが、これは2018年12月の路線延伸を見据えたものなのだろう。

次に支線について。支線はこれまで通り4両編成が運用されるが、上海市中心部へ向かうには東川路での乗り継ぎが必須となった。そのため乗り継ぎ時間を考えると、所要時間が延びる傾向にある。

運転間隔を見ていくと、平日朝ラッシュ時は9分間隔から7分30秒間隔に短縮し輸送力が20.0%増加、平日夕ラッシュ時および土休日昼間は5分15秒間隔から7分30秒間隔に延長し輸送力が30.0%減少、平日昼間は6分間隔から7分30秒間隔に延長し輸送力が20.0%減少することとなった。

平日朝ラッシュ時は前回のダイヤ改正で支線区間は4分30秒間隔から9分間隔に半減したことから、この3カ月余りで輸送力が40.0%減少したが、これは全線運転から支線のみの区間運転に縮小したことから、上海市中心部に一番近い莘庄基準での輸送量ではなく東川路での輸送量で運転本数を決めるようになったことが原因であるものと思われる。支線は終日7分30秒間隔となることから昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は100.0%となるが、地域輸送性を考えるとありえなくはないものと思われる。

ただ、支線と本線の接続が良くない。支線を終日8分間隔とすれば、平日朝夕ラッシュ時は本線2本あたり支線1本が、平日・土休日の昼間は本線1本半につき支線1本が接続し、東川路での接続時間を短縮することができる。支線からは莘庄方面への直通列車が無くなったことから、せめて利便性を極力低下させない努力はしてほしいと思う。




3.1. 系統分割で初終電拡大へ

また今回の2018年10月20日上海地下鉄ダイヤ改正では、軌道交通5号線が本線と支線に系統分割されることにより、初終電も変更を実施する。

まずは初電から。莘庄発の初電は6時00分発から5時50分発に繰り上げられる。東川路から先の支線では初電の繰り上げは実施されず、この初電10分繰り上げは東川路での接続時間で消費されるようだ。また閔行開発区からの初電は6時00分発から5時50分発に10分繰り上げられるが、東川路から先の本線では初電が繰り上げられず、こちらも東川路での接続時間で消費されるようだ。

次に終電について。両方向とも東川路から先の終電を繰り下げることで、各駅で最終列車による利用可能区間を短縮しないようにしている。南行きでは支線で東川路22時46分発から22時51分に5分繰り下がった。また北行きでは本線で東川路22時09分発から22時23分発へ14分繰り下がった。

ただし本線の莘庄行き最終は、これまで莘庄22時26分着から22時40分着に繰り下がったことから、地下鉄1号線の莘庄22時32分発最終富錦路行きに接続できなくなった。




4. 路線延伸見据えて増発へ

最後に今回の2018年10月24日上海地下鉄ダイヤ改正では、2017年8月31日ダイヤ改正以来約1年2か月ぶりに地下鉄13号線でダイヤ改正を実施する。

今回の上海地下鉄13号線ダイヤ改正では、終日に渡り増発を実施する。平日朝ラッシュ時は3分30秒間隔から3分間隔(毎時20本)に短縮され輸送力が16.7%増加、平日夕ラッシュ時は5分間隔(毎時12本)から3分間隔(毎時20本)に短縮され輸送力が66.7%増加、平日昼間は7分間隔から6分間隔(毎時10本)に短縮され輸送力が16.7%増加、土休日昼間は6分間隔(毎時10本)から5分間隔(毎時12本)に短縮され輸送力が20.0%増加することとなった。

また、終電繰り下げも実施される。世博大道発金運路行き最終は世博大道22時30分発から22時59分発に29分繰り下がることとなった。

この運転間隔の短縮や終電の繰り下げは、2018年12月の地下鉄13号線世博大道~張江路間延伸に伴い利用増加が見込まれるためで、利用が大きく伸びている地下鉄16号線と終点張江路で乗り換えられることにより、現在の地下鉄16号線から上海市中心部へのアクセスは最も利用の多い地下鉄2号線がメインルートであるが、12月の地下鉄13号線延伸で地下鉄2号線の混雑が緩和される見込みだ。その分を拾うとなると、かなりの増発が必要となりそうだ。このような増発は地下鉄9号線で2017年10月20日ダイヤ改正に実施されている。

また終電も、12月の延伸開業時に張江路22時30分発にするために、今回前もって終電を繰り下げることで、延伸に向けて前もってダイヤを組んだのではないだろうか。


5. 結び

今回の2018年9月28日~10月24日上海地下鉄ダイヤ改正では、僅か1ヵ月もの間に4回、10月の僅か1週間で3回ものダイヤ改正が実施され、軌道交通5号線や地下鉄13号線でで2018年12月延伸開業に向けて前もってダイヤ改正を実施したほか、地下鉄9号線では車両増備で大きく増便された。

今後12月に向けて上海地下鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

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