上海松江路面電車は2019年8月8日、プレスリリースにて8月10日に路線延伸を行うと公表した( 松江现代有轨电车 二期本周六起运营 )。今回はこれについて見ていく。
1. 路線延伸で新系統運転開始へ
今回の2019年8月10日上海松江路面電車ダイヤ改正では、路線延伸により2018年12月30日ダイヤ改正以来約7か月ぶりにダイヤ改正を実施した。
今回延伸開業したのは新廟三路~錦昔路~松江スポーツセンター~三新北路~倉華路間及び中辰路~錦昔路間となっている。
この延伸開業によりこれまで上海松江路面電車は2号線のみの運転となっていたが、今回の延伸より1号線と2号線の2系統体制となった。
まずは今回新設した上海松江路面電車1号線。運転区間はは新廟三路~松江スポーツセンター~倉華路間となっており、松江スポーツセンターでは地下鉄9号線と乗り換えができ、上海市街地に向かうことができる。
路面電車1号線は終日30分間隔での運転となっている。これにより昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は100.0%となった。
日本でも松山を走る伊予鉄道の本町線では路面電車にも関わらず終日40分間隔での運転としているところもあるが、利便性が高いとは言えなさそうだ。
ただ、2019年8月10日の運転開始時点で、ほとんどの区間で後述の2号線と被っているため、大きな影響があるとまでは言えなさそうだ。
初電は西行き(新廟三路発倉華路行き)が新廟三路6時00分発となっている。また東行き(新廟三路発倉華路行き)は倉華路6時00分発となっている。
また終電は西行き(新廟三路発倉華路行き)が新廟三路22時00分発となっている。また東行き(新廟三路発倉華路行き)は倉華路22時04分発となっている。
2. 路線延伸で環状運転開始へ
また今回の2019年8月10日上海松江路面電車ダイヤ改正では、路線延伸により路面電車2号線の環状運転を開始した。
これまで路面電車2号線は中辰路~松江大学城~三新北路間を往復して運転していたが、今回の延伸で環状運転を実施することとなった。
路面電車の環状運転と言えば、日本では松山市の伊予鉄道市内線で実施しているほか、近年では富山地方鉄道市内線や札幌市電で路線を延伸して環状運転を実施するようになった。また中国の地下鉄では環状運転は日本と比べ活発に行われており、上海松江路面電車の運行する上海市でも軌道交通4号線が環状運転を行っているほか、北京地下鉄では地下鉄2号線と地下鉄10号線の2路線で環状運転を行っている。
しかし、中国の路面電車で環状運転を行っている例は、末端部でループになっている場合を除きなく、今回の上海松江路面電車が2000年以降初めての設定となりそうだ。
路面電車2号線のダイヤは終日11分間隔運転であることには変わりなく、昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は100.0%のままとなっている。
初電は内回りが松江大学城5時59分発、外回りが松江大学城6時02分発となっている。また終電は内回りが松江大学城22時00分発、外回りが松江大学城22時18分発となっている。
なお1号線と2号線を乗り継ぐ場合は、上海交通カード利用であれば通しの運賃で計算するが、現金払いの場合は乗り継ぎ券は発券せず、それぞれで別料金として支払うこととなる。
3. 結び
今回の2019年8月10日上海松江路面電車ダイヤ改正では、路線延伸により1号線の運転を開始したほか、2号線でも環状運転を開始した。
今後さらなる延伸や利用増加で、どのようなダイヤ改正を実施するのか、見守って行きたい。
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