定期のぞみ・みずほ運転時分統一でスピードアップ! 山陽新幹線ダイヤ改正(2018年3月17日)

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JR西日本福岡支社は12月15日、プレスリリースにて2018年3月17日にダイヤ改正を行うと公表した( 平成30年3月ダイヤ改正について )。今回はこれについて見ていく。

12月15日公表!2018年3月17日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

同日実施予定の東海道新幹線「のぞみ」号のスピードアップついてはこちら!

1. 山陽新幹線定期「のぞみ」「みずほ」、2時間28分以内運転に

今回の2018年3月17日山陽新幹線ダイヤ改正では、全ての定期「のぞみ」「みずほ」が新大阪~博多間で2時間28分以内運転となる。

これによりこれまで定期「のぞみ」は新大阪~博多間最遅で2時間30分運転であるが、現在最速の2時間21分運転を行っている博多発最終東京行き「のぞみ64号」と2時間27分運転を行っている博多発最終名古屋行き「のぞみ98号」を除いて全ての定期「のぞみ」で2時間28分運転を実施することとなり、最大で2分短縮された。また定期「みずほ」に関しても最遅2時間30分運転が2時間28分運転となり2分短縮されるほか、姫路に停車せず全列車停車駅にしか停まらない定期「みずほ」の場合、下り(鹿児島中央行き)は新大阪→博多間で2時間24分運転に揃えられることとなった。

なぜ上り(新大阪行き)の姫路通過「みずほ」で2時間24分運転が行われないかというと、おそらく後続の東京毎時30分着僅少「のぞみ」が存在するからではないだろうか。もしこの臨時「のぞみ」が2020年3月ダイヤ改正でN700系専用運転になればすべての姫路通過「みずほ」でも2時間24分運転が可能になるのではないだろうか。

但し、臨時「のぞみ」についてはN700系の300km/hより遅い285km/hしか出せない700系が運用されることもあることから2時間28分運転は不可能であるほか、前回の2017年3月4日ダイヤ改正より運転を開始した多頻度「みずほ」に関してもN700系8両編成での運転にもかかわらず2時間28分以内運転を行わない列車が1往復あり、2時間33分運転となっている列車もある。




2. 山陽新幹線定期「さくら」も所要時間がパターン化

またJR九州のダイヤ改正プレスリリース付録の時刻表によると、今回の2018年3月17日山陽新幹線ダイヤ改正では九州新幹線直通の定期「さくら」でも所要時間見直しが図られる。

下り(博多方面鹿児島中央行き)、上り(新大阪行き)ともに、新大阪〜博多間では全列車停車駅+4駅停車の鹿児島中央発発新大阪行き最終「さくら572号」を除き、退避なしで全列車停車駅+3駅停車で2時間37分、退避ありで全列車停車駅+3駅停車で2時間43分、退避なしで全列車停車駅+2駅停車で2時間33分の運転となる。一般に1駅停車すると所要時間が4分伸びるが、東海道新幹線N700系では起動加速度が2.6km/h/sと高いことから、1駅停車するごとに3分の所要時間延長で済んでいる。山陽新幹線でも定期「のぞみ」と全ての「みずほ」「さくら」はN700系専用運転となっていることから、東海道新幹線同様3分の延長で済みそうに思えるし、現在の山陽新幹線の最速達博多→新大阪間2時間21分運転が新神戸通過時代の500系同様できるのは、起動加速度の向上により各停車ごとの低速ロスを減らし、新神戸の停車時間分を確保できたからに他ならない。にも関わらず平均して4分30秒ずつ所要時間が長くなるということは、1駅停車ごとに余裕時分を多分に設けているからではないだろうか。




ただ、山陽新幹線「さくら」では、列車ごとのダイヤ規格化に伴い、所要時間が1分短縮された列車がある一方で、定期「のぞみ」「みずほ」にはなかった所要時間が1分延びている列車がある。ほかにも2分所要時間が伸びた列車も上り下り各1本ずつあるが、いずれも停車駅が増加しており、(新大阪9時18分発「さくら549号」が新山口追加停車がなされたり、博多18時43分発「さくら568号」が徳山追加停車化したりなど)全列車停車駅+3駅停車の2時間37分で運転されることとなった。

このように今回の2018年3月17日山陽新幹線ダイヤ改正では、これまで列車ごとにバラつきがあった「のぞみ」「みずほ」「さくら」の所要時間が停車駅の数ごとにパターン化されることとなった。

そのほか、上り新大阪毎時14分着の多頻度「こだま」の新大阪着時刻が1分繰り上がり毎時13分着に変更となっている。これにより新大阪15時14分着で運転されていたのぞみ潰しの「ひかり576号」も今後運転される場合には1分新大阪着時刻が繰り上がるものと思われる。また、休日運休の小倉~博多間運転の山陽新幹線「こだま」の運転時刻が小倉8時台発着から7時台発着に繰り上げられることとなった。




3. 新山口からの利便性向上へ

また、先述の定期「のぞみ」所要時間短縮で博多発東京行き初電「のぞみ2号」が博多発時刻を6時08分から6時10分発に2分繰り下げた。

これにより従来新山口で待避していた「ひかり440号」が新岩国での待避に変更となるため、徳山でこの「のぞみ2号」に乗り換えることができるようになり、新山口から新大阪・東京への新幹線のみ利用の場合の滞在時間がそれぞれ23分と20分延びる。しかしこの「のぞみ2号」に新山口から乗車するには新山口5時58分発山陽本線普通岩国行きに乗車の上徳山乗り換えで利用可能で、実を言うと新山口から新大阪・東京への滞在時間は在来線利用も含めれば拡大していない。ただし山陽新幹線「ひかり440号」から「のぞみ2号」に接続できるようになったことにより新山口を出発する時間を39分遅くすることができるようになる。

またこれまで「のぞみ2号」が利用できなかった山口線山口~新山口間の各駅および宇部線宇部新川~新山口間の各駅からも新山口から「ひかり440号」を利用することで「のぞみ2号」を利用できるようになり、山口市や山口宇部空港も近い宇部市の中心地からも利用できるようになる。山口宇部空港の初便は日本航空7時40分発羽田行きで、羽田空港には9時05分に到着する。「のぞみ2号」は東京11時13分着であるからとても航空機にはかなわない。しかも新山口通過で利用するにはさらに徳山で1回乗り換えが必要とあること、30分後には新山口停車の「のぞみ4号」が来ることを考えれば、「ひかり440号」から徳山で乗り換えて「のぞみ2号」を利用する人は限られるだろう。

なお、新大阪の方が東京・品川より長い23分滞在時間が延びるにもかかわらずJR西日本広島支社のプレスリリースで東京・品川しか書かなかったのかと言えば、おそらく新大阪から徳山・新山口の新幹線特急料金は東京・品川までの新幹線特急料金は徳山より新山口の方が550円高いため、特急料金をより多く欲しいからではないだろうか。

しかし、なぜJR西日本は博多発「のぞみ」の初電繰り上げを行わなかったのだろうか。2016年3月26日ダイヤ改正時点では博多6時05分発、2017年3月4日ダイヤ改正時点では博多6時08分発であり、東海道新幹線のパターンダイヤに合わせなければいけない関係上初電繰り上げを行うのは難しかったが、今回の2018年3月17日ダイヤ改正で博多6時10分発にまで繰り下がる。6時10分発であれば博多6時ちょうど発にして新大阪より先東海道新幹線内で10分早いスジに乗せることができ、東京到着時刻を11時13分から11時03分に繰り上げることができる。品川着時刻は11時06分から10時56分に繰り上げられることから、東京都区内10時台着として福岡県内・山口県内で大きく宣伝できる。

しかもこのスジ、既に広島発として運転されている山陽直通定期「のぞみ」であり、JR東海との直通交渉は容易なほか、既に山陽新幹線からの直通列車であることから博多発と広島発の「のぞみ」を交換すれば済む話であり、かつJR西日本博多駅は現在「ひかり440号」が設定されている影響で午前6時発の列車を設定しており、ダイヤとしては待避が広島までなくなるので発車時刻を繰り下げることができるし駅業務的にも現状と変わらず実現できる。JR西日本としても比較的容易だ。




4. 広島行き「ひかり」増加へ

また、今回の2018年3月17日山陽新幹線ダイヤ改正では、東海道新幹線からの「ひかり」のうち1本を相生での待避を無くし岡山着時刻を8分繰り上げ、岡山行きを広島行きに延長する。

岡山→広島間は「こだま763号」のスジで運転されるが、両者ともN700系16両編成で運転されている。岡山終着・始発では折返し作業などで回送や清掃などが必要になるが、N700系の起動加速度の高さを活かしたダイヤ設計により相生での「のぞみ」待避を無くし広島まで連続して運転することにより、運用の効率化を図っているものと思われる。

そのほか、下り列車(広島・博多方面行き)東海道新幹線内での所要時間短縮効果によるものもあるが、東京~広島間の定期「のぞみ」で所要時間短縮が行われ、所要時間は平均3時間57分となる。特に上り列車(東京行き)では山陽新幹線内での所要時間短縮が図られているのが顕著であり、2017年3月4日ダイヤ改正より導入したデジタルATCを活用しているものと思われる。


5. 結び

今回の2018年3月17日山陽新幹線ダイヤ改正では、デジタルATCの運用が安定したこともあってか定期「のぞみ」「みずほ」全てで新大阪~博多間2時間28分以内運転を実施することとなった。16両編成が全てN700系に統一される2020年3月のダイヤ改正では臨時を含む全ての「のぞみ」「みずほ」で新大阪~博多間2時間28分運転が行うこともできるようになる可能性が高く、今後も所要時間短縮が見込める。N700系に統一されるまでの残り2回のダイヤ改正でどのようなダイヤを組むのか楽しみにしたい。

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