JR東海は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこのうち東海道新幹線ひかり・こだまについて見ていく。
1. 東海道新幹線ひかり静岡県内停車駅増加へ!
今回の2024年3月16日東海道新幹線ダイヤ改正では、「ひかり」で夜間に停車駅拡大を図る。
今回増停車の対象となるのは東京を18時以降に出発する「ひかり」となる。増停車するのは東京18時33分発「ひかり657号」が静岡増停車、東京19時33分発「ひかり661号」が東京19時30分発に繰り上げの上浜松増停車、東京20時12分発「ひかり663号」の豊橋増停車となっている。これにより静岡・浜松・豊橋に1本ずつ「ひかり」が増停車する。一方で各列車おおむね3分所要時間が伸びているほか、東京18時33分発「ひかり657号」は名古屋先着だったものが豊橋で「のぞみ235号」の通過待ちを行うこととなった。
また金曜・日曜運転の東京20時30分発臨時「ひかり665号」名古屋行きを東京21時06分発定期「ひかり665号」に36分繰り下げ定期化、後続の東京21時30分発「ひかり667号」名古屋行きは木曜~日曜日は毎週運転の臨時化し東京21時33分発に3分繰り下げる。ただこの東京21時30分発「ひかり667号」名古屋行きは300系新幹線時代から運転時刻を変えていない列車であったため、起動加速度は引き上がり最高速度も285km/hに引き上がり車体傾斜装置もついていることから名古屋到着時刻に変わりはない。これにより発車間隔の等間隔化を図るとしている。
なお今回のダイヤ改正で北陸新幹線敦賀延伸に伴い米原での北陸本線特急「しらさぎ」連絡による北陸方面輸送を大きく縮小する東海道新幹線「ひかり」であるが、昼間の増停車は図らなかった。東京18時33分発「ひかり」のように名古屋先着「ひかり」の停車駅を増やして豊橋で「のぞみ」に抜かれるようになれば東京~新大阪間の「ひかり」の所要時間を延ばすことなく増停車が可能で、かつ小田原と豊橋に毎時1本の「ひかり」停車もかなえられたはずであるが、このあたりは北陸新幹線敦賀延伸による影響のほか多客時に「のぞみ」全車指定席化による「ひかり」「こだま」への旅客移動状況を見ながら2025年以降に変更するかもしれない。
2. 東海道新幹線こだまで初列車繰り上げへ!
今回の2024年3月16日東海道新幹線ダイヤ改正では、全駅停車の「こだま」の初列車の繰り上げを行う。
まずは下り列車(名古屋・新大阪方面)。静岡6時07分発「こだま763号」新大阪行き初列車を静岡→名古屋間で5分繰り上げ、静岡6時02分発とする。これにより名古屋で名古屋始発「のぞみ273号」博多行きと連絡可能になり、新大阪到着が8時09分から7時54分に15分繰り上がるほか、岡山到着が9時03分から8時41分着に、広島到着が9時39分から9時17分着に、博多到着が10時46分から10時24分着に約20分ずつ繰り上がる。
どうやら静岡空港7時35分発フジドリームエアラインズ141便福岡空港行きを見据えているようだが、この航空機に搭乗するには静岡駅6時15分発の空港バスを利用すればよいし、福岡空港に9時20分に到着するから福岡市地下鉄空港線を利用すれば10時ごろには博多・天神にたどり着いている。
一方東海道新幹線では静岡6時02分発「こだま763号」新大阪行きに乗車後名古屋で「のぞみ273号」博多行きに乗り換えても博多10時24分着である。接続する「のぞみ」が繰り上がったとはいえ航空機より約30分遅い到着となる。
また静岡発2本目の静岡6時38分発「こだま765号」新大阪行きは三島6時14分発に延長することとなった。この「こだま765号」は掛川で後続の静岡停車の「ひかり533号」広島行きの通過待ちを受けるが、静岡始発だったため「こだま765号」から「ひかり533号」に乗り継ぐ客は存在せず、「ひかり533号」に乗るには三島5時32分発東海道線普通浜松行きを利用する必要があった。が、今回のダイヤ改正で「こだま765号」が静岡始発から三島始発に延長したため三島6時14分発に42分繰り下げることとなった。
なお沼津からも静岡乗り換えの場合沼津5時39分発普通浜松行きを利用しなければならないが、ダイヤ改正後は沼津6時02分発普通三島行きの利用で三島・静岡乗り換えで利用できることから23分繰り下がることになる。
これにより三島・沼津から新大阪へ9時までに到着するには5時30分ごろの電車に乗らなければならなかったところ、今回のダイヤ改正より6時00分ごろの電車で到達できるようになる。
ただ、東海道新幹線では2016年3月26日ダイヤ改正にて300系新幹線ダイヤからN700系新幹線ダイヤに伴う性能向上を反映し所要時間を短縮、初列車の繰り下げと終列車の繰り上げを行い乗務時間や駅営業時間を短縮、合理化している。このうち今回のダイヤ改正で初列車の繰り上げを行っており、三島で3分、新富士で11分、静岡で5分、掛川で4分一番列車が繰り上がり、駅業務時間が伸びることで勤務時間が伸びて人件費がかさむことになる。8年前の方針と逆行させる必要があるほど静岡県に配慮する必要があったということなのだろう。
3. 朝も「こだま」運転区間延長へ!
今回の2024年3月16日東海道新幹線ダイヤ改正では、朝も「こだま」の運転区間延長を行う。
今回のダイヤ改正で三島8時00分発「こだま818号」を東京行きを浜松6時55分発に延長し平日運転から毎日運転に拡大、静岡7時39分発「こだま820号」東京行きを三島8時09分発に短縮し毎日運転から平日運転に運転日を減らす。
これにより浜松→静岡間で朝に1本増発することとなった。
4. 結び
今回の2024年3月16日東海道新幹線ダイヤ改正では、「ひかり」で停車駅の拡大を図ったほか「こだま」で初列車繰り上げや増発を図ることとなった。
今後「のぞみ」の全車指定化やリニア中央新幹線の開業も見据える中、東海道新幹線「ひかり」「こだま」でどのようなダイヤ改正を実施するのか見守ってゆきたい。
関連情報:2024年3月ダイヤ改正について – JR東海
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