東海道新幹線運転見合わせで北陸新幹線増発と深夜の浜松停車のぞみ運転へ! 東海道新幹線臨時列車運転(2024年7月22日)

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東海道新幹線運転見合わせで北陸新幹線増発と深夜の浜松停車のぞみ運転へ! 東海道新幹線臨時列車運転(2024年7月22日)

東海道新幹線は2024年7月22日、深夜点検の終了不可につきほぼ丸一日列車の運転を見合わせた。今回はこれに伴い設定した臨時列車について見ていく。

1. 東海道新幹線運転見合わせで「のぞみ」全滅へ!

今回の2024年7月22日東海道新幹線臨時ダイヤ運転では、浜松~名古屋間の運転見合わせに伴い東京~浜松間と名古屋~新大阪間で折り返し運転を実施することとした。

東京~浜松間は全駅停車の「こだま」を毎時2本程度、名古屋~新大阪間は全駅停車の「ひかり」「こだま」計毎時2本程度を運転、山陽新幹線は東海道新幹線との直通運転を取りやめ「のぞみ」「ひかり」は新大阪始発終着で運転した。よって東海道新幹線「のぞみ」は全滅したのだ。おかげさまで東京~名古屋・新大阪の旅客輸送はマヒ状態である。

そんな「のぞみ」全滅という事態で旅客が混乱に陥る中ドクターイエローの全般点検に伴う浜松入庫回送を予定通り行うという所業をやってのけるJR東海はいかがなものかと思うが。

そこで東海道新幹線「のぞみ」運休により移動できない旅客を拾うため各種交通機関で東京~名古屋~大阪間の代行交通手段を確保することとした。今回はこれについて見ていこう。




2. 羽田~伊丹・神戸間で機材大型化と航空機増便へ!

まずは東海道新幹線「のぞみ」と競合している航空機。

日本航空と全日本空輸がそれぞれ毎時1便ずつ運航しているが、東海道新幹線「のぞみ」運転見合わせによる旅客移動確保のため増便することとした。

日本航空では羽田~伊丹間の旅客機を急遽大型化、座席数を増やすことで輸送力を上げた。

また羽田17時00分発伊丹行きJAL4563便および伊丹18時45分発羽田行きJAL4564便の1往復を増発した。なお日本航空では翌日7月23日に羽田6時20分発中部国際空港行きJAL4681便を増便している。

全日本空輸では羽田12時15分発伊丹行きANA1301便および羽田14時55分発伊丹行きANA1303便、伊丹13時55分発羽田行きANA1302便、伊丹17時00分発羽田行きANA1304便の2往復を増便した。

さらにスカイマークは神戸17時30分発羽田行きSKY5120便を臨時増便した。




3. 北陸新幹線と特急「サンダーバード」を鵜副増発へ!

また陸路でも列車を増発している。

東京~大阪間の陸路迂回ルートである北陸新幹線敦賀乗り換え特急「サンダーバード」利用で約5時間で到達できることから、自由席は立ち客であふれかえり指定席も満席、グリーン車どころかグランクラスまで全席満席となった。

そこでJR東日本とJR西日本では北陸新幹線と特急「サンダーバード」で臨時列車を増発することとした。

今回設定したのは東京17時04分発「はくたか687号」敦賀行きとそれに連絡する敦賀20時36分発特急「サンダーバード90号」大阪行きと、新大阪17時25分発特急「サンダーバード91号」敦賀行きとそれに連絡する敦賀19時03分発北陸新幹線「はくたか696号」東京行きの1往復を増発した。

この北陸新幹線臨時「はくたか」は最速達の「かがやき」並みの停車駅設定ではあるが、「かがやき」として運転すると全車指定席とならざるを得ないため「はくたか」として設定しているものである。

北陸新幹線臨時「はくたか」は1号車~10号車の普通車全車自由席、11号車はグリーン車指定席で12号車のグランクラスは閉鎖して運転した。また臨時特急「サンダーバード」は定期列車より短い6両編成で運転、1号車はグリーン車指定席ながらも2号車~6号車の普通車は全車自由席で運転した。全車指定席になった特急「サンダーバード」で自由席が復活することとなった




4. 近鉄特急も増発へ!

また近畿日本鉄道では近鉄名古屋~大阪難波間の特急列車を臨時増発した。

定期特急列車の続行としてアーバンライナーで運転したようだ。




5. JR東海道線も定期列車を運休してまで臨時列車増発へ!

東京~名古屋間の輸送代替は中央本線特急「あずさ」塩尻乗換中央本線特急「しなの」利用や、北陸新幹線「あさま」長野乗換中央本線特急「しなの」利用などがあるが、いずれもぜんぜんアナウンスしなかったことと東海道新幹線が東京~浜松間で「こだま」だけでも動いていたため浜松~豊橋~名古屋間のJR東海道線に集中した。そこでJR東海では浜松~豊橋間と豊橋~名古屋~大垣間で臨時列車を増発することとした。

まずは豊橋~名古屋~大垣間。6両や8両で運転する定期列車の東海道線新快速や快速の続行列車として6両編成臨時列車を設定した。このため名古屋~豊橋間は先着列車を6両以上毎時4本から毎時6本程度にまで増加した。

一方浜松~豊橋間は4両編成普通電車毎時3本が行きかっているが、ここでも臨時列車を増発することとした。増発用車両をかき集めるために静岡地区用の211系を使用したほか、飯田線特急「伊那路」運用を終えた373系3両編成も使用した。もっとも夕方には静岡地区東海道線「ホームライナー」に運用する車両だったので東海道新幹線が運転再開すれば元の運用に戻すはずだったが、結局東海道新幹線「のぞみ」は終日運転見合わせとなったため「ホームライナー」運用には戻さず浜松~豊橋間の運転に1日中就くこととした。これにより静岡18時00分発東海道線「ホームライナー沼津4号」沼津行きとその折り返しの沼津19時25分発東海道線「ホームライナー浜松5号」浜松行きを運休とした。結果としてJR東海は定期列車を運休してまで東海道線浜松~豊橋間の列車を増発したのである

ただそれでも浜松~豊橋間は3両~4両編成の各駅停車しか用意しなかったため浜松駅と豊橋駅で人がごった返していた。しかもただすぐに6両編成や8両編成を用意できる名古屋~豊橋間で輸送力を上げたためなおさらだ。名古屋~豊橋間は名鉄名古屋本線も使えるのだから混雑を分散しようと思えばできたはずだ。

浜松~豊橋間は定期列車で8両編成まで乗り入れがあるので名古屋地区の313系を運用することはできただろう。増発すべきは浜松~豊橋間であって豊橋~名古屋間ではなかったのではないだろうか。




6. 22時過ぎの運転再開で浜松停車の「のぞみ」運転へ!

この浜松駅と豊橋駅の旅客滞留のまま夜を明かすことはきけんだった。

そこで東海道新幹線が20時ごろに運転再開可能となった際にまずとっさに東京発浜松行き「こだま」を新大阪行きに延長することで浜松から名古屋・新大阪方面へ向かう旅客を拾った。

また豊橋20時09分発「こだま306号」東京行き、豊橋20時40分発「こだま308号」東京行き、豊橋21時18分発「こだま310号」東京行きの3本を普通車全車自由席で運転することで豊橋から静岡・東京へ向かう旅客を拾った。

ただそれだけでは拾いきれなかったのでさらに浜松と豊橋に列車を終結させるとなった。ただ20時過ぎの東海道新幹線の全線運転再開による「のぞみ」運転再開ともなれば旅客が一気に押し寄せキャパオーバーとなる可能性がある。そこで東京発新大阪行きおよび新大阪発東京行き最終の始発駅21時24分発以降に回送列車を旅客扱いする形で列車を運転することとしたのである。

今回設定した深夜「のぞみ」は下り(新大阪方面)4本と上り(東京方面)2本である。

下りの新大阪行きは新横浜22時40分発「のぞみ901号」新大阪行き、品川22時40分発「のぞみ903号」新大阪行き、東京22時40分発「のぞみ911号」新大阪行き、東京22時55分発「のぞみ913号」新大阪行きで、いずれも新横浜を出ると浜松、名古屋、京都、新大阪に停車した。かくして浜松停車の「のぞみ」が誕生することとなった

また上りの東京行きは新大阪22時45分発「のぞみ910号」東京行きと新大阪23時00分発「のぞみ912号」東京行きの2本を運転した。

いずれも終着駅到着は本来の営業時間の24時を回っている。この深夜「のぞみ」はいずれも普通車全車自由席で運転した。




7. 翌日早朝に「のぞみ」2往復増発へ!

そして7月22日20時には運転再開可能となったため23日は初列車から平常運転することとした。

ただ前日移動できなかった分早朝に流れると読んだため「のぞみ」2往復を急遽増発している。

増発したのは下り(新大阪行き)が東京6時09分発「のぞみ283号」新大阪行きと東京6時45分発「のぞみ289号」新大阪行き、上り(東京行き)が新大阪6時21分発「のぞみ284号」東京行きと新大阪6時36分発「のぞみ286号」東京行きとなっている。

この2往復はいずれも普通車全車自由席で運転した。

8. 根本的解決策はリニア中央新幹線と北陸新幹線の早期全線開業!

では東海道新幹線の代替の根本的な解決策はあるのだろうか。

そもそも新幹線は大量輸送機関ゆえ1列車あたりで運べる人数が多い。しかも東海道新幹線は16両編成1323席が毎時8~10本はザラ、多客期ともなれば毎時17本にも達する。そんな輸送量を運べる輸送機関は新幹線しかない。

このため今回救済として使われている北陸新幹線の新大阪延伸は急務と言えよう。延伸した暁には東京~新大阪間を約4時間で移動できるようになるので東海道新幹線運転見合わせ時の救済には使える。

さらにJR東海では品川~名古屋~新大阪間にリニア中央新幹線を建設中である。せめて品川~名古屋間だけでも開業し東海道新幹線の名古屋での折り返し能力を強化すれば十分な輸送量を運びきることができる。

そもそも東海道新幹線は東京・名古屋・大阪の三大都市圏を短距離で高速で結んでいる。一千万都市圏が3つこんなに近接しているのは世界でも日本の東京・名古屋・大阪しかないし、中国では一千万都市圏が2つ近接しているエリアは必ず高速鉄道を2経路以上確保して不通時に即座に対応できるようにしている。中国は高速鉄道が開通して20年しかたっていないのに、新幹線開業から60年絶つ日本がいまだに三大都市圏を1つの経路でしか結んでいないなど発展途上国の所業と言わざるを得ない

そう考えるとリニア中央新幹線の開業と北陸新幹線新大阪延伸全線開業は急務と言えよう


9. 結び

今回の2024年7月22日東海道新幹線「のぞみ」運転見合わせによる臨時列車運転では、航空機で増発や機材変更を行ったほか北陸新幹線や特急「サンダーバード」、近鉄特急も増発を図った。

一方東海道線普通列車の輸送力不足で浜松駅と豊橋駅に人が滞留し深夜に新幹線で運び出さざるを得なくなったなど懸念点も多い。

今後東海道新幹線不通時にどのような対策を行うのか、見守ってゆきたい。。

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