シドニー地下鉄(Sydney Metro)は2019年5月5日、プレスリリースにて5月26日に地下鉄北西線を開業すると公表した( North West opening date announced )。今回はこれについて見ていく。
1. 新線開業でアクセス向上へ
今回の2019年5月26日シドニー地下鉄ダイヤ改正では、シドニー初の地下鉄となる地下鉄北西線が開業した。
これまでオセアニアでは都市鉄道は多く運転されてきているのだが、いわゆる地下を主に走る地下鉄は今回のシドニー地下鉄が初の開業となる。
シドニーは2000年に夏季オリンピックを開催した都市であるが、地下鉄が未整備のままオリンピックを開催したようだ。冬季オリンピックでは2018年の平昌や1998年の長野は地下鉄のない都市で行っており、都市鉄道網がそこまで必要ではない印象を受けるが、1964年の東京オリンピックの際には東京都区内で4本の地下鉄が開業していたし、大抵それまで地下鉄未整備のオリンピック開催都市でも直前までに地下鉄が整備されている。よって2000年のシドニーオリンピックの直前に地下鉄のない都市で行ったオリンピックは、1968年のメキシコシティオリンピックまでさかのぼってしまう(しかもメキシコシティも本来であればオリンピック前までに地下鉄を開業させていたが、工事の遅れにより1969年に開業した)。よってほぼ恒久的にシドニーは地下鉄のない都市で行われた最後の夏季オリンピック開催都市となりそうだ。
今回開業したのは地下鉄北西線NW Metro Chatswood – Tallawong 間の36km、12駅で、郊外区間だけ先行開業した形のようだ。シドニー市街地へ行くためには、西の端のNW Metro Chatswoodで路面電車に乗り換える必要がある。
地下鉄北西線は平日朝夕ラッシュ時は5分間隔、平日昼間及び土休日終日は10分間隔となっている。昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は50.0%となっており、やや平日夕ラッシュ時が空いていそうだ。
2. 結び
今回の2019年5月26日シドニー地下鉄ダイヤ改正では、オーストラリア初、オセアニア初の地下鉄が開業し、五大陸全てに地下鉄が導入されることとなった。
今後路線延伸や新規開業が行われる予定のシドニー地下鉄で、どのようなダイヤ改正を実施するのか、見守って行きたい。
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