新型車両スペーシアX投入で日光版サフィール運転か! 東武鉄道特急けごん・きぬダイヤ改正予測(2023年7月予定)

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恐れていた!特急スペーシアの置き換え宣言! 東武鉄道特急けごん・きぬダイヤ改正予測(2023年7月予定)

東武鉄道は2021年11月11日、プレスリリースにて日光線特急に新型車両を投入すると公表した( 2023年に特急スペーシアの新型車両を導入します )。また東武鉄道は2022年4月25日、プレスリリースにて日光線新型特急車両N100系の車内と定員について公表した( 特急スペーシア新型車両のインテリア&シートバリエーションが決定 )。さらに東武鉄道は2022年7月15日、プレスリリースにて2023年7月15日に新型車両N100系スペーシアX投入に伴いダイヤ改正を行うと公表した( 「特急スペーシア新型車両(N100系)の愛称名をSPACIA X に決定しました」 )。今回はこれらから、2023年7月15日実施予定の東武鉄道ダイヤ改正について予測していく。

1. スペーシア置き換え用新型車両投入へ!

今回の2023年7月15日実施予定の東武鉄道ダイヤ改正では、日光線特急に新型車両N100系を投入する。

今回投入する新型車両はN100系で、SPACIA X(以下、スペーシアX)の愛称を付けることとした。今回尾ダイヤ改正までに6両編成4本を投入する。

既存の東武日光線特急「けごん」「きぬ」に使用している100系スペーシアは6両編成であることを考えると、尾内両数を確保しているようだ。が、座席数を見ると288席(うち普通席264席・4人用個室)から212席に大きく減らしている。

そんなN100系スペーシアXの車内配置は、

  • 1号車(東武日光寄り):カフェカウンター・コクピットラウンジ(4人用3区画、2人用3区画、1人用2区画計20人)
  • 2号車:プレミアムシート(2人掛け&1人掛け35席)
  • 3号車・4号車:スタンダードシート(2人掛け&2人掛け56席)
  • 5号車:ボックスシート(4人用1区画)・スタンダードシート(2人掛け&2人掛け18席)・トイレなど
  • 6号車:コンパートメント(4人用個室4室)・コクピットスイート(展望付き7人用個室1室)

と1列車に6種類もの座席種類を用意しているのである。100系スペーシアが出たころには個室があるだけでも称賛されたというにに、30年を経てここまでバリエーションを増やすことになるとは。

もっともいかにも普通車のような名称のスタンダードシートの座席間隔(シートピッチ)100系スペーシアと同じ110cmとなっている(逆を言えば500系リバティの100cmより10cm広い)ほか、プレミアムシートの座席間隔は120cmとなっている。近鉄80000系ひのとりのプレミアムシートは座席間隔130cmとファーストクラス並みなのでそこまで広くしてほしかったところではあるが。




2. 特急料金大幅引き上げもJR東日本特急料金程度に据え置きへ

では2023年7月15日より運転を開始するN100系スペーシアXによる特急列車の料金はどのようになるのだろうか。

特急料金は既存のスペーシアやリバティ特急料金より大きく引き上げる。そもそもスペーシア特急料金も2021年10月1日に旧急行料金相当の昼割と夜割を廃止し一部の列車で大きく値上げを図ったが、今回投入するN100系スペーシアXに採用する料金はさらに引き上げる。

そもそも旧急行料金相当、つまり350系特急「きりふり」や100系スペーシアのうち午後割・夜割適用列車の場合、浅草・北千住~東武日光・鬼怒川温泉間の特急料金は1,050円であった。が、この午後割・夜割は2021年10月1日に廃止したため、現在は平日スペーシア特急料金の1,360円、土休日スペーシア特急料金や全日リバティ特急料金の1,470円を徴収している。

今回運転を開始するN100系スペーシアXによる特急列車は、スタンダードシートでも1,940円、プレミアムシートなら2,520円もするのである。つまりスペーシアXのスタンダードシートは座席間隔が110cmのまま変わらないのに土休日スペーシア特急料金と比べても470円値上げするのだ。近鉄特急ひのとりは座席間隔を116cmに広げても200円加算で済んでいるというのに。

しかも、プレミアムシートを除く各個室および各区画はスペーシアXレギュラーシート料金に加算していくのである。もっともコクピットラウンジは1人分あたり200円の加算、ボックスシートは4人用1区画で400円の加算で済むが、4人用個室は土休日スペーシア個室料金が1室3,770円なのに対しN100系スペーシアXでは1室6,040円にまで値上がりしているほか、展望付き7人用個室コクピットスイートは1室12,180円もするのである。

もっともこれらの特急料金はJR東日本特急「サフィール踊り子」と比べればどれをとっても安いし、何ならスタンダードシート料金1,940円はJR東日本B特急料金とほぼ同額だし、プレミアムシート料金2,520円もJR東日本のA特急料金と同額相当なほか、そもそも普通運賃が東武鉄道の方が安いことを考えれば圧倒的にJR東日本の特急よりN100系による新しい東武特急の方が安いのである。そう考えるとJR東日本と比べればかなり良心的と言えよう。




3. 運転本数を絞り付加価値を増大で目指すは「サフィール踊り子」の日光版か?

今回の2023年7月15日東武鉄道ダイヤ改正では、N100系スペーシアXによる新しい特急列車を運転する。

もっとも特急料金が大きく異なることから、「けごん」や「リバティけごん」とは別の列車名が付けられることは想像にたやすい。

ただ100系(「スペーシア」型車両)が6両編成9本もあるのに対し新型車両N100系は6両編成4本しか投入がない。これをふまえると、N100k系の投入で100系を全て置き換えるとは考えにくい。

おそらく車内の座席種類の多さと言い特急料金の割高さと言い、イメージとしては既存の100系スペーシアや500系リバティによる特急けごん・きぬ・リバティ会津などはJR東日本東海道線特急「踊り子」相当、今回のN100系スペーシアXによる特急列車はJR東日本特急「サフィール踊り子」のような位置づけだろう。

特急「サフィール踊り子」は特急「踊り子」よりも割高なA特急料金を採用している。そう考えると今回のN100系スペーシアXによる特急列車はもはやJR東日本東海道線特急「サフィール踊り子」の東武日光版を想定しているのではないだろうか




もしN100系スペーシアXが特急「サフィール踊り子」の日光版を狙っているとすると、編成数をそれなりに絞って運転本数を絞りにいくだろう。

現にN100系スペーシアXの運転本数も1日2往復、多客期でも4往復までしか想定していない。特急「サフィール踊り子」が1日2往復しか運転しないことを考えると、付加価値特急としては十分な運転本数と言えるのではないだろうか。

もっとも私鉄なんだから近畿日本鉄道特急「しまかぜ」の方が近いのではないかとも思う人もいるだろうが、特急「しまかぜ」は大阪難波・京都・近鉄名古屋の各方面からそれぞれ週6往復、つまり1日1往復未満の運転となり、運転本数が今回の東武特急N100系スペーシアXと異なる。このことから今回はJR東日本東海道線特急「サフィール踊り子」を参考にスペーシアXの運転ダイヤを予測していこう。

まず東海道線特急「サフィール踊り子」は停車駅を絞っており、東京の次に品川に停まると横浜、熱海の順に停まっていく。もっとも伊豆半島に入る熱海から先は停車駅は多いが、半数以上の特急「踊り子」が停車する川崎、大船、湯河原を通過するほか、東海道新幹線の停車する小田原にすら停車しない。つまり伊豆半島以外での停車駅をかなり絞っているのだ。

今回のN100系スペーシアXによる東武特急の停車駅は、浅草・とうきょうスカイツリー・北千住・春日部・栃木・新鹿沼・下今市・東武日光・東武ワールドスクウェア・鬼怒川温泉となっている。もっとも100系スペーシアによる特急「けごん」「きぬ」が一部しか停車しない曳舟や杉戸高野台、新栃木、新高徳は当然通過しているのだが、特急「サフィール踊り子」を目指すなら春日部~下今市間ノンストップでも良かったとは思うが。




また運転時刻はどうなるだろうか。JR東日本東海道線特急「サフィール踊り子」は下り列車は東京11時00分発と12時30分発、上り列車は伊豆急下田14時12分発と16時38分発で設定している。もし今回のN100系による新たな東武特急を設定するとすれば、同様の時刻に設定する可能性は十分考えられる。

もっとも100系スペーシア特急「けごん」や500系特急「リバティけごん」3両単独運転列車なんていくらでも運用交換ができるのであるが、特急「リバティ会津」は南会津方面への便宜を図るために時刻設定を行っているため、運転時刻の融通が利きにくい可能性がある。

そう考えると、N100系による新たな東武特急の運転時刻は浅草11時00分発と12時30分発ではなく、10時30分発と12時30分発となってもおかしくないだろう。

なお今回投入するN100系は6両固定編成のため、500系リバティのような下今市での増解結はできない。このため東武日光発着列車は下今市で鬼怒川温泉方面列車と連絡するだろうし、鬼怒川温泉発着列車は下今市で東武日光方面列車と連絡するだろう(ただ特急型車両による特急連絡にはならないだろうが)。




4. 100系スペーシアの置き換えはスペーシアXだけでは不十分か

ただ車両置き換えはどうなるのだろうか。先述したように100系スペーシアは6両編成を9本投入したのに、N100系スペーシアXは6両編成4本しか投入がない。また前回の2022年3月12日東武鉄道ダイヤ改正で7運用から5運用に減らし浅草発着列車も1日10往復にまで減らしたものの1日最大4往復でしか運転しないN100系スペーシアXのみで全てが置き換えられるはずがない。

もっともJR東日本ではE261系「サフィール踊り子」導入の際に既存の老朽化したE251系「スーパービュー踊り子」の車両置き換え目的があった。もっとも100系スペーシアはE251系特急「スーパービュー踊り子」と同等の経年が経っているが、台車の経年劣化から考えると200系(「りょうもう」型車両)の置き換えの方が先決ではないだろうか。

なお500系リバティは2017年4月21日より営業運転を開始し当初は増備計画はなかったが、2021年までに3両編成17本を揃えている。そう考えるとN100系スペーシアXの今後の車両増備も可能性はゼロではないが、先述したように特急「サフィール踊り子」の日光版として置く可能性が高いことを考えると今回の6両編成4本の投入をもって終了し、残る100系スペーシアや200系りょうもうの置き換えは500系リバティの更なる増備と減車で済ませるのではないだろうか。

もし東武日光線特急が汎用特急型車両となった500系リバティとフラッグシップ列車N100系スペーシアXの2車種となれば、座席間隔が100cmのリバティが最安特急料金、シートピッチがやや広くなる110cm感覚のスペーシアXレギュラーシートが次に安く、座席間隔120cmのスペーシアXプレミアムシートがさらに高値と続くことができるだろう。そう考えるとスペーシアXの特急料金設定は、100系スペーシアの近い将来の日光線特急撤退を見据えた料金設定と言えるだろう。


5. 結び

今回の2023年7月15日実施予定の東武鉄道ダイヤ改正では、N100系スペーシアXの登場により100系スペーシアの運用を一部置き換えることになりそうだ。

今後N100系スペーシアXを増備する中で今後どのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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